ザンクトフローリアン修道院に泊まりました!
リンツ郊外にあるザンクトフローリアン修道院はウィーンから日帰りできる距離にありますが、ゲストハウスもあり、宿泊も可能です!「クリスチャンではないのに修道院に泊まれるの?」と思われるかもしれませんが、オーストリアの田舎にある修道院は「休暇を自然豊かな修道院で過ごして、スピリチュアルな体験を!」と積極的にPRしているのです。
2019年9月にザンクトフローリアン修道院に初めて泊まって以来、半年のうちに5回行き、5日泊まりました。そんな私の経験が修道院に泊まってみたい方のお役に立てれば幸いです。
部屋について
シングルルーム(Einzelzimmer)とダブルルーム(Doppelzimmer)があり、全部で18室あります(内訳は不明です)。2020年は一泊当たりシングルルーム62Euroから、ダブルルームは104Euroから、となっています。どちらも朝食込みの値段です。
ゲストハウスは1階と2階にあります。エレベーターがあり、車いすが通れるスロープもありました。
部屋にあるのは、ベッドと机と椅子とクローゼットのみ。「わあ、、、何もない、、、」というのが最初の感想です。何もない分、広く感じました。
ドアの上にキリストの像が掛けられていて、「修道院に来たんだなあ」と感慨深く思いました。「よろしくお願いします」と言ったら、なんだか安心できました。
備品はシャワー、ドライヤー、WiFiはありますが、TVはありません。シャワーの備え付けのボディソープはとても良い香りで、持って帰りたいほどでした。手洗い用の小さい固形石鹸はありましたが、シャンプー・リンス、歯ブラシやガウンやスリッパ、電気ポットなどはありませんので、必要なら持って行ったほうがよいです。
タオルは3枚ありました。数日泊まる場合は1日おきくらいにタオルを交換してもらえるようです。(日曜日にはタオル交換やごみ捨てなどはしないようです)
聖書は部屋に置いてありますが、ドイツ語のカトリック用です。日本語や他言語の聖書が必要でしたらご持参ください。
予約方法
ザンクトフローリアンはBooking.com 等の予約サイトでは、今のところ予約できません。ザンクトフローリアンのウェブサイトのGuesthouse (Gästhaus)をクリックすると、連絡先が記載されています。総合受付のinfo@....に連絡するとElizabethさんかMartinaさんが対応してくださいます。朝の8時から12時までが勤務時間なので、日本時間の夕方に連絡すればスムーズに進みます。(返信は早いので1日2日あれば予約は完了します)。修道院内のレストランのStiftskellerのTillさんに連絡しても予約可能です(Tillさん一家がレストランとゲストハウスを管理しています)。
http://www.stift-st-florian.at/besucherinfo/gaestehaus.html
予約が完了すると予約票がPDFで送られてきますが、メールのテキストで送られてくることもあります。
もしゲストハウスに泊まれなくても、周辺にいくつか宿泊施設があります。Marktgemeinde St.Florian という観光案内のサイトでÜbernachten(宿泊)をクリックすると宿泊施設を確認できます。Booking.com等で予約も可能な所もありました。
チェックイン
チェックインは修道院内のレストラン”Stiftskeller"でします。チェックインの時間は午後2時からレストラン終了時間の夜の10時までです。木曜日と日曜日はレストランが午後3時でクローズするので、3時以降にチェックインする場合はレストランのオーナーのTillさんに電話してください、と予約票に書いてあります。
2月に宿泊したときは木曜日にチェックインしました。早めに行けば普通にチェックインできるのかと思って、朝の10時にレストランに行ったら、Stiftsladen(インフォメーション&ショップ)のスタッフさんが「すみませーん」と追いかけてきました。「今日、レストランは終日休みなんですよ。なので鍵を預かっているんです」。ツアーのある5月から10月初め以外は、レストランは木曜日は終日休みなのだそうです。インフォメーションにお客さんがいたら気が付いてもらえなかっただろうと思うと(いつもは結構お客さんがいるので)、本当に助かりました。
朝食
朝食はStiftskellerで食べます。朝の8時から10時までです。ブッフェ形式で、品数も多く、おなかいっぱい食べることができ、大変満足しました。
昼食と夕食とおやつ
Stiftskellerのメニューは豊富で、BIOやビーガンにも対応しています。おいしいし、楽しいです!ここで食べてもいいですし、修道院入り口のすぐ前にもレストランがあります。坂を下ったところにあるMarktplatzという広場にもイタリアンなどのレストランがいくつかあります。Marktplatzにあるケーキ屋さんには朝食メニューもありました。
チェックアウト
チェックアウトもStiftskellerでします。チェックアウトは朝10時半までなので、朝8時にチェックアウトしようとしたら早すぎたようで、その時いたスタッフでは対応できず、オーナーのTill夫人が来ました。すごく怖い顔で「あなた、名前は?どこから来たの?いつからいつまで泊まったの?」と矢継ぎ早に質問され、ちょっと面喰いましたが、ヨーロッパのホテルだと名前や滞在日や目的などを言わされたりしますよね。あやしい人だと思われないためにも、最低限の自己紹介はドイツ語か英語で準備したほうがよいと思います。
チェックアウト時に支払をします。現金かカード(VISAかマスターカード)で払います。
泊まってみた感想
よく眠れます!いつもは5,6時間しか眠れないのですが、ぐっすり眠ることができました。時差ボケもあったかもしれませんが、なにより安心感があるのです。
そして、朝6時に鐘の音で目が覚めます。鐘の音で目覚めることは本当に気持ちいいです。
修道院の礼拝
6時に起きたらぜひ朝の礼拝に行ってみてください!
水曜日を除く平日と土曜日は朝7時から礼拝があります。第1週目の水曜日は朝に礼拝がありますが、それ以外の水曜日は夜7時にあります。この朝の礼拝はStiftsbasilika(大聖堂)の手前にあるMarien Kapelleという小さいチャペルで行われます。平日の朝だと修道士3~4人で行い、土曜の朝だと修道士の数が10人くらいに増えます。まだ終生誓願していない修道士は毎朝礼拝の手伝いをしていました。参加者はそれほど多くなく、毎朝だいたい10人程度でした。
日曜日の礼拝は朝8時、10時、夜7時の3回あります。通常、朝の8時と10時の礼拝は大聖堂で、夜の礼拝はMarien Kapelleで行われます。クリスマスなどの大きな行事では、夜の礼拝も大聖堂で行われます。日曜日の礼拝ではオルガンの伴奏で賛美歌を歌います。礼拝後はオルガンの演奏を聴きながら退場しますが、退場時のオルガンは、「さあ、今週も頑張りましょう!」のような曲で、とてもうれしい気分になります。私がザンクトフローリアンの修道士で第一オルガニストのクラウス・ゾンライトナーさんの大ファンということもありますが(笑)。
その週の礼拝のスケジュールは、オーストリアのカトリックの教会のポータルサイトで確認することができます。以下のリンクで、aktueller Wochenzettelをクリックすると、礼拝のスケジュールのPDFを見ることができます。プリントアウトしたものが大聖堂の入り口にも置かれています。
https://www.dioezese-linz.at/st.florian
修道院の周りを歩こう!
自然豊かな場所にある修道院なので、ハイキングコースがいくつかあります。ブルックナーの生家に行く片道10キロのコースや、ザンクトフローリアンの小教区に行くコースなどがあります。
でも、修道院の周りをぐるっと一周するだけでも、ものすごくリフレッシュできます。修道院の裏側からの風景は、私が世界で一番好きな風景です。ザンクトフローリアンは標高は高くないのですが(山の中ではない)、さわやかな気分になります。ここに来ることができて本当に良かった、いつかここに住みたいと、訪れるたびに思っています。
最後に
オーストリアを中心に5ヵ国27の修道院から成るKlösterreichという協会があります。どの修道院も自然豊かな場所にあり、「休暇を修道院で過ごして、文化遺産に親しみ、スピリチュアルな体験をしよう」と積極的にPRしています。ザンクトフローリアン修道院もKlösterreichのひとつです。
ザンクトフローリアンでは、セミナーや結婚式も行える場所もあるので、ご興味がありましたら連絡してみてはいかがでしょうか?(大理石の間でウェディングの写真を撮影をしているのをよく見かけます。ウィーン大学ではブルックナーゼミの一環でここに宿泊するとか。)
今年の5月のGWにザンクトフローリアンとアドモント修道院に泊まる予定でしたが、例のウイルスの影響でキャンセルしました。5月4日は聖フローリアンの日で、特別な礼拝や巡礼があったのです。ウィーンのハイリゲンクイロイツ修道院、美しい図書館で有名なアドモント修道院もKlösterreichのひとつです。アドモントは修道院の中に素敵なホテルがあり、若い神父のマキシミリアンさんがカッコいいんです!オーストリアの修道士さんはカッコいい人ばかりですね!来年は行けますように!そして、Klösterreichの修道院に全部行って、泊まって、ミサに参加しようと考えています!