いつやめさせる?:指しゃぶりと歯並びの関係性
指しゃぶりは、子供の健全な精神発達の一環として、一時期は自然な行動と見なされます。しかし、この習慣が長期間にわたって続くと、歯並びやかみ合わせに悪影響を及ぼす可能性があります。
歯並びに及ぼす影響
指を口内に入れ、口蓋に押し付ける行動は、口内の圧力を変化させ、これが歯並びに影響を及ぼします。具体的には、以下のような不正咬合が引き起こされる可能性があります。
歯列狭窄: 指を吸う力により、上あごの歯列が狭くなります。
上顎前突・出っ歯: 上あごの前歯が前方に突出します。
開咬: 上下の前歯がかみ合わなくなります。
これらの状態は、小児歯科における矯正治療を必要とすることがあります。
指しゃぶりをやめさせる適切なタイミング
日本小児歯科学会は、3歳までは指しゃぶりを無理にやめさせる必要はないと指摘しています。しかし、4~5歳を過ぎても習慣が続いている場合、歯の並びが悪化する原因となるため、適切な対応が求められます。
指しゃぶりをやめさせる方法
習慣性の改善には以下の方法をお試しください
指しゃぶりをしている際の声かけによる注意喚起
手袋の使用
「不安」が強く、それが原因で行なっている場合は以下の方法をお試しください
不安感が原因で行なっている場合はハグや安心させる声掛け
親の感情の起伏が激しいことでお子様に不安を与えてしまっている場合は親御さんの「アンガーコントロール」や「ペアレントトレーニング」など
さらに、家庭での対策が困難な場合、小児歯科では指導を行っています。
まとめ
指しゃぶりは一定期間は自然な行動ですが、長期化すると歯並びに悪影響を及ぼすことがあります。3歳までは様子見が推奨されますが、4歳を過ぎても習慣が続く場合は、適切な対策を講じることが重要です。
指しゃぶりに関する懸念や疑問がある場合は、信頼できる小児歯科などの専門家に相談することをお勧めします。
執筆
江間ファミリー歯科・矯正歯科 副院長 江間秀明
江間ファミリー歯科・矯正歯科HP