虫歯と間違えやすい!?小児期に見られる歯の着色「ブラックステイン」
ブラックステインとは
ブラックステインは小児における細菌性色素沈着の一種であり、2%から20%の小児に見られる症状です。多くの場合、親御さんからは虫歯と誤解されることがありますが、この黒い色素は細菌が生成する酸化鉄であると考えられています。しかし、その詳細なメカニズムはまだ完全には解明されていません。
ブラックステインの除去について
ブラックステインの除去は個人差がありますが、一般的に家庭でのホームケアだけでは取り除くのが困難です。歯科医院での専門的な処置によってのみ除去可能な状態であることが多く、専用の機械を用いる必要があります。
家庭での対策
細菌が原因であるため、可能な限り口腔内を清潔に保ち、良好な口腔環境を維持することが推奨されます。しかし、この対策の効果はかなり限定的であるため、定期的な歯科医院でのクリーニングが最も効果的です。幸いなことに、成長と共に自然に改善されることが多いため、時には経過を観察することも重要です。
このようなブラックステインは、歯科医師としても特に注意を払い、正確な診断と適切な治療計画を提供することが重要です。特に小児歯科においては、親御さんへの教育も含めて、虫歯ではないことを理解していただき、不必要な治療を避けるとともに、適切な口腔衛生指導を行うことが求められます。また、子供たちの口腔環境を保つためにも、予防歯科の観点から正しいブラッシング方法や食生活の指導も同時に行うことが望ましいでしょう。
執筆
江間ファミリー歯科・矯正歯科 副院長 江間秀明
江間ファミリー歯科・矯正歯科HP