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イスラエルのポケベル爆破に見る世界秩序軽視

2024年9月17日、イスラエルが仕掛けたとされる通信機器を使った爆破攻撃がレバノンで発生し、大きな被害をもたらしました。この攻撃では、ヒズボラのメンバーに渡されたポケベルや無線機に爆薬が仕込まれ、それらが一斉に爆発しました。この結果、少なくとも37人が死亡し、3000人以上が負傷しました。特に、公共の場所や病院、家庭での被害が報告されており、民間人や子供たちも巻き込まれたことが深刻視されています​。

イスラエル政府は、この事件への関与について公式に肯定も否定もしていませんが、情報筋や報道によれば、イスラエルの諜報機関が関与していた可能性が高いとされています。この攻撃の一環として、イスラエルは爆弾を通信機器に仕込み、それをヒズボラに密かに売り渡すという方法を取ったとされます​。

この事件は、民間人を巻き込む無差別攻撃であり、国際法に違反する可能性が高いと批判されています。多くの専門家や国際機関が、このような「ブービートラップ」の使用が適法であるかどうかを疑問視しています。特にこの攻撃が非戦闘員にも大きな被害を及ぼした点は重大です​。

この攻撃は、単なる軍事的行動ではなく、レバノン全土に恐怖と混乱を引き起こすための心理戦ともいえるでしょう。ヒズボラを標的にしたと主張されている一方で、民間人への甚大な被害を考慮すれば、決して正当化できるものではありません。このような行為は、地域の緊張をさらに悪化させ、さらなる報復を加速させるものです​。

また、このブービートラップ型の攻撃は、中東の関連諸国において、電子機器の使用に際して常に安全面のチェックを強いられるという、運用コストの増大という問題ももたらしました。

ガザの無差別に近い爆撃による民間人・医療関係者の殺害にも代表されるように、イスラエルは自国の防衛や作戦成功のためには、国際世論からの不評近隣諸国への悪影響を全く厭わない性質があります。イスラエルによる強硬な作戦は今後も続くと見るべきです。

国際社会は、今回のこのテロに近いブービートラップ攻撃に対して厳しい批判を行わなければなりません。戦争の被害を最も受けるのは常に一般市民であり、これ以上の犠牲を出さないためにも、迅速な外交的圧力が必要です。

また、今回標的となった通信機には日本製のものが利用されたという報道があります。米国製を避け、日本製を選んだところに日本軽視(舐められている)の姿勢が透けて見えます。日本は対イスラエル外交においてより注意深い対応が求められると思います。


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