超特急2020年東西アリーナツアーサムネイル

超特急のライブに初乗車して、彼らはエンタメ天才集団だと確信した

※サムネイルは超特急公式YouTubeの、2020年東西アリーナツアー、『ARENA TOUR 2020 SPRING WELCOME TO THE BULLET TRAIN DINER』より。次回も絶対行く。

このコンテンツはダンス&ヴォーカルグループ「超特急」のライブへ初乗車(※1)したDJの感想文です。

今回は「超特急を知らない人にもぜひ彼らを知って欲しい」という感情から、DJ・クラブ寄りの言葉だけでなく超特急関連用語も(できうる限り)注釈つけています。文字数が倍々ゲームだ。あと、自分語りも相当あるかもしれない。すまないとは思っている。でもそれしかやりようがない。

よって、この記事は地獄のように長いです。何でしょうね、超特急って書きたいことありすぎるぐらい魅力的だし、それらを時間とともに埋もれるツイートではなく、備忘録として記事にまとめて書くのが楽しすぎる。

ツイートと被ってる箇所も多々あるかと思いますが、noteはRemix版ということでどうかひとつ。基本は1日目の衝撃をベースにしていますが、2日目の感想を平行して書いている箇所もいくつかあります。目次の時点で地獄のように長いので、気になるポイントだけかいつまんでいただければ。

※1:初乗車とは:初めてダンス&ヴォーカルグループ超特急のライブに行くこと。

率直な超特急初乗車の感想

最 the 高

最っっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっ高でした。

どうして今まで彼らのライブ行ってなかったのか、分からなくなるレベルで最高の体験でした。でも逆に、このタイミングだからこそ行って良かったと思えるのかもしれない。運命、マジかよ!(※2)

8号車さんたちの沼落ち / 布教ブログに感謝!感謝!心より感謝!(※3)特に以下の2記事がなければ、私はここまでハマっていませんでした。インターネットに文字を残すって、こんなにすごい作用をもたらすことがあるんですね。

※2:超特急のRevival Loveという曲の歌詞。後述。
※3:超特急のDon't Stop 恋という歌詞のもじり。これも後述。

会場入り前のこと

1日目(1/3):初めて超特急のライブ生で見るのか、という気持ちでなんだかよく眠れず、国立代々木競技場第一体育館ってどこだっけ?となりながら原宿へ。公式グッズツイートでは「○○完売」とガンガンツイートされており、あまりにギリだとペンラすら買えないのでは?流石にそれは失礼過ぎるし困ると思い、14:00には到着(開演は17:00)。

明治神宮が初詣期間最終日ということもあり、原宿は佃煮のように人がいるなあと思いつつ、第一体育館へ繋がる歩道橋でちらほら超特急グッズを付けている人たちを見かけ、「マジでライブこれから見るんだな」とテンションが徐々に上がってました。

会場前を一言で言うと「原色」。私、完全にナメてました。いうてカラフルな色の洪水とか言いますけど、グッズTとかバッグ持ってるからそう見えるだけで、他のパーツはもう少し色抑えている人が多いのでは?と。

ごめんなさい本当に色の洪水だった。マジで青紫緑赤黄白と、「私は○○くんを推してます!!」と一発でわかる衣服、アクセ、髪色の嵐だった。一昔前、サイバーファッションとかレイブファッションが流行っていたとき(98〜2004年頃ぐらい)、「原宿は派手な人が多いなあ」と思ってましたが2015年以降は白黒スポーティにネオン差し色、もしくはユニコーンゆめかわパステルが主流よなと思っていたら、こんなところに原色カラフルスポットがあるとは。

グッズ売り場は特に並ばず買い物できて、予定通りペンラ(紫と白)、ルームフレグランス(紫と白)、今回のライブパンフを買ってお会計8000円なり。やばい秒で諭吉が溶ける。

ちなみに2日目は、「Blu-rayシングルの"サヨナラは雪のあとで"買っとくか(吉田栄作主演のMVというトレンディ謎仕様)」とHMVブースに足を運んだのですが、特典があることをよく理解していないまま購入したところ、銀の封筒を渡されました。

「特典のポストカード?自分三次元のポストカードとか写真を収集する癖はないけど、どんなものが来ても記念になるしまあ良いか(フラグ)」と封筒を開けてみると。

超特急2号車神秘担当こと、カイさんのサイン……?いやいやいやいや、どうせこういうのサイン部分が別データでプリントして重ねてるだけでしょ、そういうのよく知ってるんだから、とポストカードの表面を触ってみたところ、おや?インクの凹凸が……?マジックのかすれ部分を感じる……?

直筆????マジで????

当たりアリってそういうことなの?とか、1万人クラスのライブやってても直筆要素をこんなカジュアルに展開するの?とか、 2日目参加のタイミングでカイさんのサインなんだ??とか、色々な感情が去来しました。

なんでカイさんのサインだったことに動揺したのか。それは1日目のライブを見たときに思ったことの一つとして、「超特急で一番ステージはもちろん会場全体をも俯瞰していて地頭が物凄く良さそう、新規ファンをつかむのがおそらくユーキさんかユースケさんなら、以降も超特急を好きでいるように定着させるマーケティング活動が一番うまそう」と感じたのがカイさんで、わーもうこれ全員推すしかないな!というか箱推しだな!と思ってたんですよね。

その矢先で「今後とも超特急をご贔屓に🌟(妄想)」的な偶然が発動して、笑うしかなかった。

カイさんはこんな感じの造形。計算され尽くしたIQ高めのあざとさが凄い。

ここから話は、また1日目ベースに戻ります(めんどくせえ)。

一旦ラフォーレでブリトー食べてせっかくだしコロナ一本飲んで、会場戻ってウロウロしてると「超特急のライブ映像見ながらペンラぶん回す会(非公式ファンパーティ)」でお会いしていた8号車(超特急ファンの呼称)さんたちと遭遇。ご飯行く前にも何人かお会いしました。

このときすごいびっくりしたのが、「いろんな8号車さんからお菓子+αをもらう」という経験。な、なにこれ?なんかすごいあったかいぞ????しかも私が「ペンラ、37(リョウガさんとタカシさん)好きになったのでそれぞれ買いました!」と話すと、「そしたら、はいどうぞ♪」と包みをいただき「?」と思いながら開けたら、お菓子と一緒にリョウガさんやタカシさんの写真グッズが含まれており。

Oh,What kindness...

なんと言うか、ライブ開演前の時間が「8号車同士の交流会、グッズ交換会」としてすげえ機能してるんだな、ということに驚きました。これは生まれて初めての体験です。

クラブでもライブでも、グッズというものは基本的に見敵必殺先手必勝な修羅の道だと思っており、だもんで「どうしてもあのTシャツや傘欲しい!」といろんな手を尽くしたことはある(転売には一切手を出してません)。しかしながら私が誰かに何かのグッズをあげたのは、せいぜいステッカーぐらいのような記憶。私はいまだにAutechre(※4)のディファ有明ライブ限定Tシャツを買えなかったことを悔やんでいる。
※4:Autechre(オウテカと読む)は、イギリスのアーティスト。MAX / MSPというプログラミングソフトで音楽を自動生成するのが特徴。ライブでは全くシングル・アルバムの曲をやらない。というか毎ライブすべてそのときにしか聞けない音楽をやっている。

グッズの特性が違うというのもありますが、「推しでない場合は誰かにあげる」「ダブっていたらシェアする」の精神はとても勉強になりました。私もそういう人間になっていきたい。

その後ペンラぶん回す会主催の、まきたそと待ち合わせして、「めっちゃ楽しみ過ぎて緊張してきた」「Drawイッパツ!(※5)の振りは覚えたけどコールが怪しいので字幕に期待」など、ド新規急性沼落ち症候群全開の会話をしつつ、体育館へ入場。

ペンラぶん回す会は、雑に言うと超特急の映像見てバチクソに盛り上がる+DJで超特急のみで曲繋ぐ的な非公式ファンイベントです。

※5:Drawイッパツ!という曲は超特急のシングルHey Hey Heyのカップリング曲の一つ。なぜか2019/12/20のタイミングで、公式にコール動画が作られた。めちゃめちゃ甲子園とか野球アニメのテーマソングぽい曲調なのになんのタイアップでもなく、かつ公式直々に8号車向けのコールを提供、コールというかもはや裏でフルにかけ声することを要求しているレベルという謎展開が面白すぎる一曲です。普段こういう曲滅多に聞かない(というか好きではない)のに、コール動画で見方が一気に変わった。

入場して最初の感想は「ひっろ!!!!!会場でっか!!!!」でした。ここから自分の緊張が一気に高まり(なぜ?)、ちょっと待ってくれよ今から本当にここで超特急見るの私?本当に?と、とても動揺していたのを覚えています。

なんであんなに緊張したのか、今振り返ると「動画や音声データでしか存在を認識できなかった人たち」が、「 約12000人が注目する中」、「たった5人(本当は6人だけど今回は5人)」で、「観客がほぼ途中退席や休憩なしで生鑑賞する空間」において、「約2時間ライブをやりきるという事実」にビビったからかもしれない。

過去のラジオ書き起こしとかバラエティ動画を見て「割と親しみやすい人たちなのかな」と思ってた矢先、いざ会場のでかさを体験すると「うわとんでもねえ、この人たちカリスマの塊じゃん」と、なにかこう格の違いを見せつけられた感がある。サマソニでAphex Twinとか、タイコクラブでVenetian Snares(※6)を見た時ぐらいしか、こういう感情抱いたことなかったぞ。
※6:Aphex TwinとVenetian Snaresはクラブ系、特にIDM / ブレイクコアとカテゴライズされるジャンルのアーティスト。超特急と比べて5億倍ぐらい治安が悪い音楽(人によってはそもそも音楽か?という感想が頻出する)を作っている。私はこの2人を神と崇めて生きている人間です。

開演前、メンバー3号車ことリョウガさんが良い声でアナウンスしていて、席に着いた8号車さんたちがそわそわしだしてたのもよかった。あのアナウンス、たぶん生ですよね?事前録音にしてはライブ感がありすぎたのですが。

2日目のリョウガさん・タクヤさんアナウンスもよかった。開演前アナウンスの時点で笑わせにくるのはズルい。

SAY NOとか序盤

そこからしばらくは開演前にぼんやりと、「今回和風のバナーだから、ikki!!!!!i!!とかから始めて明るい展開にするのかな、だとしたらOn&Onとかどういう展開で使っていくんだろう、中盤〜後半かな」というセトリ空想をしていました。あと、開演前の超特急オンリー選曲がとてもよかった。今思うと、今回のセトリ予習プレイリストだったのかなあと。

ライブ前独特の静かな暗転ののち、メンバー紹介映像。こういう映像演出大好き。そこから和風テクノのSE(※7)が始まってキタキタ!となり、バナーが落とされてメンバーが舞台に。

うわ本物の超特急だよ……衣装がベロア素材のメンバーカラースーツとか良いですね……カメラさん、スイッチャーさんありがとう……超特急がバッチリ見られます……感謝……と感じている中、始まったのはまさかのSAY NO(※8)。

※7:SEはsound effectの略。演奏項目以外のBGM全般を指したり音響効果を指したり。超特急は過去のライブ映像もSEがなぜかテクノ、ハードダンス、トランスとクラブ系で固めており、それも心つかまれた理由の一つ。
※8:SAY NOは超特急の曲。振り付けがものすごく面白い。動画は怒られが発生するので各自探して欲しい。

一曲目にこの曲が来るとは思わず心の準備ができてなさすぎて、私はフリーズしていた。

以下は1日目開演最初の感情です。

なにより一番びっくりしたのが、4号車ことタクヤさんがカメラで抜かれたときなんですよね。ライブになるとあんなにかっこいい人なのか、と衝撃的でした。本当に申し訳ない。タクヤさんの良さをライブ見るまで気づけなかったことに。

2020年にダブルスーツでダブルベルトまじ?という話ですが、おしゃれだし似合ってるのがこわい。

どう表したらいいのか難しいのですが、「漢くさい」とか「かわいい」とかそういう表層的なことではなくて、ライブにおける意識の向け方というか集中してる感じが、カメラ越しでも物凄く伝わったというのが適切でしょうか。

たった一瞬のスイッチングによるモニターで大写しだけでも「この人真面目だ」「何事にも全力で取り組むタイプの人だ」と、オーラで分からせることができる人はちょっと見たことがありません。

そういう意味で「私の知らないかっこよさ」を教えてくれたことがショックだったのかもしれない。

わかるめっちゃ浦飯幽助だった。主人公じゃん。

ライブ始まる前までは「よっしゃ推しが決まったことだし、リョウガさんのガリガリ具合とタカシさんの美声堪能するぞ」だったはずが、もうこのSAY NOでいろいろ持ってかれすぎて、誰を見るとかそういうの関係なく、ただこのライブをしかと見届けよう(何様?)という感情になりました。

で、この次の曲「Don't Stop 恋」でも、いろいろ崩壊した。この曲はリリース時に聞いた時点で爆笑するほど面白いと思っていたんですが、ライブはライブで「そうそう、そういうダンスとか小芝居をこの曲でやるの分かるし見たかった!」と思わせてくれるパフォーマンスでした。

あるある探検隊要素もありつつ、歌詞の世界観にバッチリ合わせたコミカルなダンス、多重人格なタカシさんの歌い方、カットイン感覚で曲が転調するはちゃめちゃ感、大忙しなのにそこに合わせてくるくるペルソナを変えられる超特急各位の器用さに、度肝を抜かれました。

マジでこれ曲の構造がブレイクコアに近いんですよね。すっっごい変な曲、変態すぎる(褒めてる)。

こういう曲と近い構造のブレイクコア置いておくので、お手すきの際に聞いてください。基本うるさい音楽です。

そういえば作曲者の庄田ゲゲゲさん、サンクラ(※9)でKawaiicoreタグの曲やっていて、しかもサンクラではアーメンアノニマス(※10)と繋がっていてはちゃめちゃにびっくりした。待ってくれ、あなたもしかして「こっち方面(ブレイクコアとかエクストリーム系クラブ音楽)」の人では???

以下は庄田ゲゲゲさんのサンクラです。

※9:サンクラことSoundCloud。バンド・クラブ界隈問わず自作の曲やDJ MIXをアップできるプラットフォーム。ブレイクコア周りの人も、曲を作ったらまずアップする場所。プリズマックスの島田翼さんもMIXアップしてる。なんだけど、割とよく死の噂がささやかれる(主に運営の財政面)。iOSアプリ版のUIと検索アルゴリズムは良くない。そういうとこやぞ。
※10:アーメンアノニマスは、ブレイクコア界隈で突如現れたトラックメイキング集団(?)。中の人は固定化していないようで、知っている人なのかそうなのか分からず謎が多い。今はどうなってるかちょっと知り得ない。ごめん。

開演からわずか2曲の段階で、「なんだこのセットリストは」とビビり倒していました。詳しいセットリストはみんな大好き音楽ナタリーで確認していただくとして、個人的に4曲目のPUMP ME UPで完全に死んだ。

そのときの気持ちを言語化しなおすと「もうやめて!ただでさえ開幕SAY NOで持ってかれてDon't Stop 恋のタカシさん歌い方十二面相で最高の気分なのに、ここでPUMP ME UPのパラパラとか、ほんとにもう!!!!(大歓喜)」という感じ。

ご飯に合うのは?「回鍋肉!」(PUMP ME UPの歌詞の一部)上がり過ぎて私の人間が終わってた。どんな踊りかはダンス再現動画を参考のこと。

開演からフルスロットルだけど、まだとっておきの曲(バッタマンとか)は温存しとくぞ、という狙いが的確すぎるセットリストで、誰だよこれ組んだ人天才かよ、となりました。そのあとの選曲も天才と気づくのは、もう少し後のお話。

初めての口上(メンバー自己紹介)

ここでやっと自分の人間を取り戻した(?)。というのも、あまりにも怒涛の展開過ぎて理解が追いつかず、あの曲本当にやったのか、まさかあの曲でこんなダンスするんだ(2019年のUSJはセトリと感想ツイートしか見てない)、いやちょっと待ってくれタカシさんバチクソに歌うまくないか???なんであんなにCD通りというかそれ以上の声出せるの???と、状況を整理するのに忙しかった。

口上については、ライブ映像や解説記事で理解してはいたのですが、いざやられると凄い楽しい!!!!カイさんの「超特急2号車は〜」に始まり、タカシさんの「タカシやーーーーーっで!」まで、推しに合いの手入れられる楽しさを理解しました。

2日目の「タカシや〜〜〜〜〜〜(8号車のみんな、で!!!!!!とコールしてくれな!!!)」はまじで分からなくて、カイさんのフォローがなかったら危ないところだった。
おそらく世界初、12000人が「!!!!で!!!!」と一文字叫んだ瞬間である。

口上に対してコールをやってみて面白いなと思ったのが、「推しが口上やっているときは推し色ペンライトを特にくるくるする」でしょうか。

このパートでようやく会場全体を見る余裕ができ、ペンラの海ってこういうことか、綺麗だな、なんだか夜の海に浮かんでいる時に見える夜光虫とかホタルイカのように幻想的だな、となりました。

席の影響(1/3は南スタンド、1/4は北スタンドでした)もあるのですが、「背もたれ低い座席で通路も超細くて謎に床が斜めってるし、ライブ全力で楽しむために立ちっぱなしするには全く向いていない」構造で、遠近感が分からなくて吸い込まれそうで、このまま落っこちてしまいそうな気持ちになって体勢を前屈み気味に頑張っていた。いわゆるトリップじゃんすげえな。

また、ユースケさんの口上は「みんなで」やってたのもすっごいよかった。車両点検(休養)中であっても「気持ちは代々木に連れて行く」感が強いな、という。

ユースケさんはこういうビジュアルの人。一度写真を見て顔の良さに動揺し、MVでのやばさ(バッタマンで叫んでる人)にもう一度動揺し、トークのピュアさにまたしても動揺しました。

自分がライブ見た両日とも、ユースケさんの口上・コール部分が一番声でかいな、めちゃくちゃ愛されてるな、と思いました。

Revival Loveって本当に良い曲なんだな


これをライブで見られて、本当によかった。PVの時点で全員の感情表現めちゃくちゃ豊かなのと、画の質感というか彩度が絶妙で何周でもできると思っていたのですが、一方でライブはどういう踊りで全般を流しているのか、すごく気になってたんですよね。

個人的にすげえよかったな、というポイントは「恋の奇跡に飲まれて〜」など、振り付けが歌詞と完全にマッチしてるところ。最初は「?」となっていた箇所が、ライブで見ることで「うわ、そこそういう振り付けでやっていくのか!わかるわそれ!」と知れたのが大きかった。

歌詞のリズムとしては、ABメロは母音の「ra i」、サビの母音は「on an」「e」でまとめてるの好きすぎる。こういう韻の踏み方好き!あとベースがめちゃくちゃグルーヴィに唄っているのもよい。誰ですかベース演奏してる人(CDクレジット見ろ)。

曲調としてはモータウン方向(※12)なんですが、これを2019年リリース曲でやるの???という疑問に対して「世間の流行関係なく、J-POPの領域でこれをやっていくが?」の潔さもやばい。Hey Hey Hey以降まじで何があったの???

以下モータウン関連の参考曲です。これをアップテンポ+ロック寄り+フレーズをシャッフルするとRevival Loveっぽくなる。


今までいきものがかり1ミリも引っかかってなかったのに、これのせいでいきものがかりにはものすごく良い曲書ける人がいるという理解をした。
※12:モータウンはうかつに説明すると別方面から死ぬほど怒られるので、ざっくり言うと「1960年代にソウル/R&Bをポップ解釈して大人気になった、アメリカのインディーレーベルが作る音」です。Wikipediaの解説が非常によくまとまっているので、こちらご参考ください。

これをやるタイミングが殺陣始まる前だったのもびっくりした。というのも、この曲が2019年内ラストのリリースメイン曲なわけで、であればそういう曲って中盤〜後半か、本編ラストに使うというイメージを持っておりまして。

なんでかというと、直近シングル曲はここからもっと売る時間の余地がある≒プロモの余地があるので、であれば空気が温まったライブの後半に持ってきて「ああそうね、超特急最近この曲出したよね、良い曲だよね」という想起からの、もうちょい売り上げ伸ばすぜ、を「やらないセットリスト」だったのがびっくりだったんですよね。

バッタマンとか定番の強い曲持ってることは理解していたんですが、それにしたって中盤行く前に直近のシングルリード曲をやっちゃう、て結構ハートの強い選択だと思います。

超特急のライブで、すごいを通り越してこわいと思ったのが、そういうのは一旦置いて、このライブを良いものにするためにどうすべきか、にしかセットリスト組んでないという点です。そうした、「今しかできないことをやる」という凄みがあった。

ここまでの道中に2017年以前の曲で、かつ決定的な曲ではなさそうなもの(新規曲で気になった人をさらに沼落ちさせる曲ではないもの)を持ってくるの、選曲に向けたハートが強すぎる。どれだけ8号車たちを信頼してるんだ。

何がとは言わないのですが、超特急の曲って後追いド新規で聞く限り、Jesus以降劇的に音質も曲調も違うんですよね。特に音質というかダイナミクス、ラウドネス(※13)が違う。なのに、過去の音も今の超特急として落とし込んで、一連のライブセットリストにするのが強い。過去の音もミキシングしなおしてる感じがあった。
※13:ダイナミクスは音の奥行き、ラウドネスは音量のこと。両方を立てて曲作るのはすごい難しいとされており、超特急のミキシングエンジニアがJesusあたりで変わった気がする。

殺陣演出のやばみ

ライブ映像「2018 Sweetest Battle Field」でやってたフラッグトスに心奪われた身としては、ライブでしかやらないことにも興味がありました。

いやー、まさか殺陣とは。

稜海(カイさんリョウガさんの組み合わせ)が良かった。もうこれで終わりたいんですけど、まあ稜海が良かった。

全員ねずみ色のつなぎに黒のマントで「地味な衣装だな」と思いつつ、よく見たら鬼殺隊(鬼滅の刃のチームが着る制服)を思わせる学徒っぽいボタン使いの服装に、マントには「超特急」と書かれててかっこよかったですね(伏線1)。今気づいたけど、ねずみ色(グレー)って干支的なそれなの???

で、思った以上に派手な殺陣やっててビビった。もっと雑なのかと(失礼すぎ)思ってたのですが、すげえ良かった。このシーケンスは全員見逃せなかったんですが、驚くほどに各自の動きが違い過ぎていて、殺陣ってこんなに面白いっけ?となりました。舞台芸術として見る価値がありすぎた。

それぞれの殺陣についてざっくり言うと

・カイさん:リョウガさんもそうですが、傘持って登場するのがかっこよすぎる。ここで稜海の良さを理解しました。隣の席で「わーーー稜海!稜海!」と湧いていた8号車さんありがとう。おかげでガッツリ意識して稜海コンビを見られました。傘を持って登場したときの銀紙吹雪が異常に似合ってた。3次元なのに0.5次元平面に移行してたぞ。薙刀というか太刀的な得物似合い過ぎ。敵をあしらいながら戦うのがハマってるなあ、あまりに流れるような戦い方過ぎて、この人完璧主義っぽいなあと思いながら見てました。

・リョウガさん:扇子で戦うって!!!誰だよこんな演出やった人!!!!(伏線2)ここで鉄扇の発想出てくるのはめちゃくちゃ良かった(※14)。個人的に殺陣でリョウガさんの色気を知ってしまったのは、良かったのか良くなかったのか。というのも、ここのリョウガさんってもはや歌舞伎や大衆演芸で言う所の女形みたいな妖艶さだったんですよね。メイクも衣装も女性要素ないのにあの色気はエグかった。試しに野鳥の会こと双眼鏡で鑑賞してみたら、あまりにも色気がありすぎる流し目を見てしまい、以降の殺陣中は一言も歓声を発せなくなってしまった。

※14:鉄扇は仕込み武器の一種。個人的には普通じゃない近接武器(鞭とか盾と連結したダガーとかクロスセイバーとか)、変態遠距離武器(スナイパーライフルでヘッドショット連発マンとか謎の追加属性つくショットガンとか)で戦う時点で高まりがち。

実在、実用された武具としての使用法は閉じた状態で叩く、突く、剣などを受けると言うのが主。
鉄扇を用いた「鉄扇術」という武術も確立されている。
このような鉄扇は剣豪小説などを中心に「実は強い系」または「常在戦地な武人系」のキャラクターが所持していること多く、秘めた強さを象徴する無骨な武器といったイメージがある。
※Pixiv辞典「鉄扇」より

「実は強い系」わかりすぎますね、はい。インスタ左がリョウガさん、右がタカシさんです。

・タクヤさん:びっくりするぐらい主人公してた。たぶんこの人が殺陣シナリオの表主人公で裏主人公がユーキさんでは?そう考えると背中預け合うシーケンスがハマりすぎる。アリーナ両脇花道の使い方がぶっちぎりにうまかった。そういえばタクヤさんが二刀流だった気がするんですが、それは私の幻覚?個人的に大好きポイント過ぎた。主人公感が強いのに縁の下の力持ち的な実直さも感じたなあ。ステータスの振り方が平均的で、だからこそ主人公感さらに増すみたいなキャラクリを感じた。ミナデインはタクヤさんが使うんでしょ私知ってる。

・ユーキさん:村を焼かれた復讐として敵方の村を焼き返す村田過ぎた(?)。ここで初めて、「人を殺める目のユーキさん」を理解しました。ドラクエ4の主人公だと思ったらドリフターズ(漫画の方)の那須与一みたいな、笑顔で一撃見舞わせたるマンになってたのが良すぎましたね。鬼滅の刃だと竈門炭治郎と言うよりは、善逸みたいに覚醒すると笑いながらどころか感情が絶無になって斬り殺すヤバイタイプなんだよなあ(伏線3)。

・タカシさん:自分が見ている分には、他のメンバーと比較してしまって申し訳ないけれど、いわゆるお手本を踏襲した流れで殺陣についていくのが精いっぱいという印象を受けたのですが、これは他の8号車さんによる解釈で素晴らしいものがあり、「うわー、それはわかりすぎる」というのがありました。要約すると、「他のメンバーが明日敵と戦うぞ!となっている中、実はタカシさんも訓練しており"俺も戦わせてくれ"とメンバーに告げる」という解釈。これだった。
2020/1/19追記:そのツイート見つけ直せたので追記させてください。これだった。8号車のえまさん、教えてくれて超ありがとう!!!


もう一個ビビったのが「赤いニンジャ」ダンサー集団の存在。中央ステージにアップライトされた瞬間は「ニンジャ!?ニンジャナンデ!?」と某スレイヤー感情で見ていたのだけれど、超特急が自分たち以外のダンサーを取り入れることがあるのに驚いた。これが初という噂を聞いたのですが、演出の一環としてダンサー含めるのはアリだなとは思う。でも、個人的には超特急はもう各自で死ぬほど表現力高いので、原則ダンサーなしでやって欲しいな、という謎感情もあった。

殺陣道中のSEがサイケトランス(※15)だったり、ブレイクビーツというか90年代ビッグビート(※16)寄りなテクノだったのも良かったですね……。こういうところで音に手を抜かないのも演出陣強い。誰ですかSE作ってる人たち。

そういえば、ライブレポでここのSEを見事に和風トランスと言い当ててる記事あったんですよね。熱量も鮮度もすごい高いレポでめちゃくちゃ良かったです。ありがとうございました。


※15:サイケトランスは、ざっくり言うとベースラインがすごい特徴的なトランス。他のクラブミュージックではまず聴かないベースラインと音色なので一発で分かります。ドラッグカルチャー、ヒッピーカルチャー出自の音楽ですが、「その世界観に持っていくためのBGM 」として使うのはアリ。まさか超特急のライブでサイケトランス聞くとは。
※16:ビッグビートはロック(特に1960-1970年代ロック)のフレーズを切り貼りして作るブレイクビーツのこと。もうちょい詳しく言うとここのSEはJoujoukaとかケミカルブラザーズだと思いました。


伏線1〜3の回収:まさか、マジで鬼滅の刃要素あるとは思いませんでした。ユーキさんの1/4MCで「禰豆子を守りました!」で、完全にダメだった。「妹を守った」というよりはやっぱり善逸的な感じした。マジでここの演出やったのユーキさんなんですか????すごすぎない????

Body Rockが超絶エロかった

ダメだよこれは初乗車で見たらいけないレベルでエロスだ。


Full Moon-Body Rock-On&On-Hey Hey Hey-STYLEという流れが個人的に正解過ぎて、本当に良い曲調で繋ぐセットリストでしたね。

そういう感想が吹き飛ぶレベルで、Body Rockはエロい踊りでした。

以降、かなりアレというかR-18な表現が続くので、この項目はきついな、と言う方は飛ばしていただいて全く問題ありません。

note運営に垢BANされるとイヤなので、一文添えさせてください。

この項目では考察/研究を目的として、直接的な表現を使っています。時代にそぐわない表現もありますが、当時の表現を尊重し残しています。

よし、アリバイ終わり。

舞台に椅子が出てきたときに「椅子?」となっており、座ってラインダンスする流れか、はー、これはしっとりしたダンスをやるんだな、そういう曲だもんな、と思いながら見てたら「???エッチすぎでは???」という感想が浮かび。

この曲、散々公式からも8号車間でも「エロい」「大人過ぎる」と話題でした。主に歌詞面なんですけど、これは直球オブド直球にセックス。英語だから言語ハードルで婉曲的に、とか思ってるかもだけどGoogle翻訳とか今は超高性能ですわよ(誰?)。

意訳を試みた素晴らしい有志の方の記事も紹介します。2日目のMCで、タカシさんが「この曲の和訳、タカシ見たんだよね?」「マイク越しじゃ言われへん……(巨大フラグ)」と言っていたのはとてもよく分かるし、約12000人の前でこれの概要言うのは羞恥プレイすぎる。


歌詞はご覧になりましたか?それでは続けます。

ものすごくアレな表現をすると、ポルノではなくフ○ックでもない形でセックスを描けることに感動しました。

さも相手がいるかのように、輪郭を描く形で愛撫しているのが把握できる感じもすごかった。「相手」がメンバーそれぞれで描くもの全く違っており、だからこそそれらを統合した結果として、「相手」の全体像が抽象的になっていたのも良かった。

さっきまであんなにバチクソ敵を殺す&敵の村燃やすしていた人が、同じ腕で人を抱いている。なんだそれは。最初は女性向け○○すか?的な下世話すぎる解釈になってしまっていたのですが、これ違う。セックスのイデアだ。

プラトンは、イデアという言葉で、われわれの肉眼に見える形ではなく、言ってみれば「心の目」「魂の目」によって洞察される純粋な形、つまり「ものごとの真の姿」や「ものごとの原型」に言及する。プラトンのいうイデアは幾何学的な図形の完全な姿がモデルともとれる。
出典:Wikipedia-イデア

どういうことかと言うと、「男女組み合わせ関係なく愛情表現の肉体感覚で最上級とも言える、セックスとしての理想像」を、舞台に椅子以外何もなく、後ろのお正月舞台セットもライトの調整でほぼ消すようにしており、椅子はメンバーごとに一つずつ、露出はほぼない地味目な衣装でパフォーマンスという、最小限のセッティングで表現していたと思うのです。だからこそよりエロスが際立った。

ライブスタート以降、彼らの表現力に度肝を抜かれっぱなしではありましたが、一番表現力がすごかったのはBody Rockだと思う。「性愛をテーマとしたコンテンポラリーダンス」と解説されても私は信じる。一方的な快楽でなく愛情でセックスを解釈できている品の良さもやばい。

個人的に「メンバーが椅子に乗る>椅子を倒す形でしなやかに降りる>カイさんだけ椅子を後ろに持っていく」の流れ大好きなんですが、カイさんが椅子持っていくのはポジションを間違えたのかと思ったらそうではないらしく、1/4でも全く同じフォーメーションで、そういうシナリオなのか、と驚愕。

私としては「愛している相手をリードする形で持っていく」という表現として凄まじ過ぎてそうか、こういう愛情表現もあったのか……という謎の納得がありました。

ダンス再現動画を見て思ったけど、この曲は足の運びがなめらかな振り付けになってて、リズムの取り方もスクエアな感じではなくて面白い。

音楽でエロいな、と感じるのはオリジナルラブの接吻なんですが、そういうクラスで愛してる「と思っている人」とのセックスをパフォーマンスで描けるってすごいことだと思います。接吻はめちゃくちゃ切ないセックスの表現だけど、Body Rockはどんだけ相手を信頼できているのか、こわいレベルだった。


これは自分語りなんですが、バーレスク(※17)は2桁回見てるし、何ならメンズバーレスクも緊縛ショーも見ているし、そうしたショーケースに合わせてBGM担当する形でDJしたこともあるんですけど、ほんとーーーーに申し訳ない!!!!超特急のBody Rockのダンスが、人生で見たダンスまたはセクシャルなパフォーマンスで最上級にエロかった。

そうしたクラブでやるセクシャルなショーは過度にエロスとならないよう、かえって明るい(または大人のセンスで笑える)エロに振るパターンもあるのですが、Body Rockはド直球にエロかった。2日目のリラックスした感じが本当にセクシャルでしたね・・・

※17:バーレスクは1920〜1950年代の衣装や音楽をベースに行う、モロ出しではないストリップのこと。乳首を隠すニップレスや下着一つ一つが素晴らしい意匠のものを用いるダンサーさんが多く、見ていてとても楽しい。R-17ぐらいの表現でありながら「面白い(笑える要素を含む)」を失わないことで、下品さを感じさせないのが特徴。

以下は1/4ライブで見たBody Rock含むライブ全体の感想です。


これはTwitterでも書いていたのですが、1日目のライブは緊張感がかなり高いと感じていて、2日目は一種の「こなれ」によって、見る側もどういう流れか把握できてコールやペンラもさらに高まるし、演る側は1日目のフィードバックを元に、各演目をどう誇張すれば良いかわかりやすくなったというのが感じ取れる空気の練り方が最高でした。

そうなると「力み」、つまり緊張感が消えるとエロスを出しやすくなると私は思っていて、その中でBody Rockにて「全身全霊で相手を愛する表現」に振り切れたのがものすごく良かったのではないかと思うのです。

予想はしていたけれど、1/3,1/4,1/5の主軸はBody RockとOn&Onだと思う。こういう見せ方をすることを決意表明するようにも受け取れました。

2020/1/15 巨大フラグ回収:7号車ことタカシさんのInstagramが更新されましたが、うん、そうだね、これはもうBody Rockしたあとですよね……。タカシさん、オリジナルラブとかキリンジ歌ってみませんか?

これが(2019年7月ぐらい?)

こう(2020年1月15日)。男子、三日会わざれば刮目して見よ。がリアルタイムで経験できているやったぜ。

On&Onのそういうことか感


何がそういうことか、なのかから話しなくてはいけないのですが、Body Rockでいろいろ持ってかれ過ぎて、当時の記憶がちょっと薄くなってしまった。

On&Onは本当に良い曲だとTwitterでも散々わめいていたのですが、今回の1月ライブテーマソングとしてこれを選択するのはすごい。会場全体をふと見渡してみると、どこでリズム乗るか、というかペンラ振りどころわからんしコールしたらいけないのでは?的な戸惑う空気を感じました。

すげえわかる。だってこの曲「腰でグルーヴを踊る」グライムなんですよ。私だってコールしてペンラ振ってきゃっきゃ楽しむor舞台のように楽しめるorしっとりバラード聞く、の3モードをライブを楽しむスキルセットにして会場来たのに、こんなガチガチのクラブトラック来たら大困惑と大歓喜でバグります。そういう展開あるならもう一個パッシブスキルつけてきたのに!

正直に言うと、On&Onはタカシさんの歌が良過ぎて、聞き惚れてたらダンスまともに見る暇がなかった。ただ、上記ツイートのようにサビ中〜ドロップ(一番映えるメロディのところ)前で、裏拍32回分ぐらいで手拍子を振り付けとして入れているところが本当に良かったです。たぶんここがペンラを手に持って、一緒に拍打つパートなんだと思う。私はここ以外で思い浮かばなかった。

すげえを通り越してこわい、という表現をまたも使いますが、超特急やっぱりイケメンを使ってイケてる音楽ねじ込みたい運営なんじゃないかな、と。ファンを調教したい方向性は理解できるけど、正気の沙汰ではない。海外展開(クラブミュージックがチャートで日常的に上っており、故に親和性があるリスナー層)を狙った曲なんじゃないか、と感じています。

2020/1/19追記:こういう手拍子を後追いでもっていく曲の参考置いておきます。というかこの曲を超特急でやったら、めちゃくちゃやばそうという妄想ができる。0:48以降のダウンテンポと拍の打ち方がそういう感じで、振り付けが見えるレベル。え、ということは超特急ってUKガラージや2ステップ(イギリスのクラブミュージックの一種)でも踊れる人なのでは???

Hey Hey Heyがヤバすぎて死んだ


この曲がなかったら私はここまで超特急にハマらなかった。12000人クラスの会場であのイントロをパン(※18)するのすごい勇気いるのでは?

そもそもこの曲音源と何か違うけど、あのアレンジなんだ??と思ったけどホーンとかエレピとかサックスとか、ヴォーカルに被ったりハウったりしかねない音を徹底的に抜いたバージョンではないかと。ベースとドラムは構造も全くいじってないっぽいように聞こえた。なにそれすごくDJ MIXに適しているから買うのでください。

※18:パンはスピーカーの右左、上下などで「その位置でしか鳴らないように音を移動(パン)する」こと。Hey Hey Heyで言うと最初のホーンセクションが右スピーカーのみ、左スピーカーのみで鳴らしているのですが、これを現場でも同じようにやるのは勇気ありすぎ。
というのも、パンは基本「音が立体的に動く面白さ」を伝える、音響オタク向け技巧なので、全く同じことをDJイベントではないのにやってやった感が凄い。作曲者Dr.Swing氏のこだわりを感じます。

まさかとは思うけどDr.Swing氏がDJするとき、MIXしやすいバージョンとして作ったのがあのアレンジな気もしてくる。ヴォーカル抜くと、本当にしれっと使えるファンクなんですよ。ということは、タカシさんのヴォーカルデータは、別録音でアカペラが存在している可能性があるのでは?そのデータ10万なら払える。

Kiss Me Babyは1フレーズでフェティッシュになった

2日目のKiss Me Babyがフェティッシュだった。


MC中にタクヤさんが「ユーキは8号車を見下してるもんね」と言った流れで、ユーキさんが「足舐めろよ」と言ったの、すごくよかったですね…。

ユーキさんは基本誤字脱字しがちらしく、「ムービングステージ(※19)で会場を見下ろせてすごい!」ということを「ムービングステージで会場を見下せてすごい!」と書いてしまうらしい。

それを弄られて、「8号車を見下す=足舐めを8号車に要求する」と解釈したユーキさんの思考回路ねえ……となった。

※19:ムービングステージ(略称:ムビステ)は、文字通り舞台そのものが可動式でアリーナ方面へ移動できるギミックのこと。これは写真見た方が早いので、ググるか以下記事をご覧ください。

1日目は「なるほど、各位がいろんな部位でKiss Me ○○とやっていって、キャーーー!!と湧く曲なんやな。バックトラックがテクノでええな。」と思ってたんですが(失礼すぎ)、想像してほしい。バチクソに顔が天才で表現力も天才の人に、MCでそういう前振りあってからのKiss Me Baby曲中で

「ほら、足舐めろよ」

と言われたら。

ユーキさんの顔、置いておきます。赤髪が異常に似合うのでたぶん漫画出身の人です。

さすがにこれはダメだった。

あんまり言及するとただのR-18になるので控えますが、「これほんとBody Rockのあとに持ってくるセトリだから許されるやつだな」という感想です。会場から本当に悲鳴が聞こえてきました。二次創作を公式が供給するって三次元でもありえるんですね。

先ほど2日目は「良い意味でこなれてきてる、セクシーな誇張がしやすい空気になってる」と書きましたが、この状態で万が一MC「足を舐めろ」ネタ〜Kiss Me Babyアドリブ中に「ほら、足舐めろよ」〜Body Rockみたいなセトリやってたら何人倒れてたんだろう。アグレッシブなSMの後に、本気で抱かれる流れはパフォーマンス付きでやってはいけない。

そうか、円盤出て1/4のKiss Me Baby含まれてたらこのセトリ組んでみよう(やめろ)。

バッタマンで世界最大級のファンコットを聞く


曲がやばいぐらいにファンコットというのは事前理解しつつ、約12000人がファンコットで盛り上がるのは日本では多分超特急しかやってないんじゃないか。

ファンコットの本家インドネシアでも1万人クラスのフェスってあるっけ?と思ってみて、そういうのありましたっけ高野政所さん?と突然私信を返す。

バッタマンやHey Hey Hey等の言及が少ないのは、この記事でだいたい言っているためです。何がやばいって当時言及してたこと「ほぼまんま」で、かつアップデートした形でライブやってたことなんですよね。

1/3の音響が良かったこともあり、バッタマンの音がまあ映える映える。ここもやっぱり会場全体の音を見てしまい、パフォーマンスの記憶があまりありませんごめんなさい。

超特急は集合的無意識の具現化

ライブを2日間見終えて出た感情はこれでした。このツイートスレッドに当時の感情は全部置いてきました。この感情を保持していたら、2020年に生き残ることはできないから……。

ライブを見終えた後、いかに超特急がすごかったかずーーーっと周囲に言い続けているのですが、パートナーには「はいはい、それ会場全体で見た集団幻覚でしょ。」とあしらわれ続けています。私だってその説採用したかったけど、超特急ほんとにいたもん!!!!!!!!

ペンラが8号車さんたちの思念発信機になっていて、ステージに具現化してるような思いはいまだにある。「あったらいいながそこにある」が、ライブ行けば全部あるんだ、という驚きが凄い。列挙してみると

・カイさんの強い「俺を見ろ」とホスピタリティ

・リョウガさんのしなやかで細やかな踊りと妖艶さ

・タクヤさんの尋常じゃないカッコよさと可愛さ

・ユーキさんの天才的な演出と表現力

・タカシさんのえげつない歌唱力

これらを一気に鑑賞できて本当に良かった。見て、聴いて、演出も良くて、会場の反応も面白くて、それをいじり返すアドリブ力もあって、一連の流れ全体をも楽しめる空間作り。

ライブライブと言っているけど、じゃあ純粋なミュージシャンのライブで、ここまで多角的に「楽しい」と感じられたことはあったっけ?と思い返すと、ちょっと思い当たらない。

一挙一動を「鑑賞者が(途中ダレてることは自覚しつつ)がんばって見続ける」ライブではなく、「そこに来たら、鑑賞者は全てが自動的に見逃せなくなる」2時間を3日間連続で提供できるのは、紛れもなくエンターテイメントとして天才的な表現ができるグループなんだな、という気持ちになりました。

だからこそユースケさん復活後のライブは絶対行きたい

もう本当にユースケさんいるVer.見た過ぎた。

私はライブ参加前に「ガリゲー(※20)がなかったら、ここまでパーソナリティ面もハマらんかったからリョウガさん推せる。だし、音楽面で超特急大好きになったからタカシさんは推すしかない。あの声をライブで聞けるのはやばすぎ。」と、リョウガ・タカシ推しを自覚してはいたのですが、ライブを見たあとは全員最高になってしまいました。

※20:ガリゲーchはリョウガさんのゲーム実況YouTubeチャンネル。配信頻度がめちゃくちゃ早く、本人の趣味と仕事が繋がってて良い。マリオメーカー2のカイさんゲスト回、CoDのユーキさんゲスト回が個人的に神回。

以下の動画は、頭良過ぎて伝わりにくいいたずらを自分から見て見て!と促しアピールしまくりながら、マリオほぼ未経験なリョウガさんへのチュートリアルとしてよくできたマリオステージを提供できるホスピタリティの高さ(もはや過保護)を両立させる、カイさんゲストの神回です。ライブ鑑賞後にこれを見てカイさんすごい好きになった。ライブでやっていることと全く一緒だった。

話がそれました。

2日目のライブで私自身も緊張感がゆるみ、割と俯瞰してライブを見られていたのですが、ライブ中都度「この曲、ユースケさんならどう踊るんだろう」「そういえばHey Hey HeyのMVはユースケさん、めちゃくちゃ踊りが安定してて良かったな」「Body Rock、ユースケさんピュアっぽいので涙浮かべながらダンスする可能性がある」「バッタマンやっぱりユースケさんのパフォーマンス見てえんだよな」と思っていました。

超特急各位・8号車さんたちの「ユースケさん待ってます」の強さもすごかったんだけど、そもそもユースケさん本人の存在感がものすごくあって、ここまでまだ本人を見たことがないのに想像ができてしまう、でもまだ見てないので絶対に見たいと思えるのはちょっと今まで感じたことないな、と。

これまでは「超特急のライブ一回は見ておきます。その後はわからん。」ぐらいのスタンスだったのが、ライブのすごさと、でもユースケさんいないVer.よ?を実感して「これは今後もずっと見ていきたい。すごいエンターテイメント。そして完全体で見たいし完全体の進化を見ていきたい。」と気持ちがバチっと切り替わりました。

わずか2時間のライブで人を狂わせる超特急、今回リンクしているコンテンツをぜひご覧の上、ライブも見てみてください。1万払って10万円クラスの何かを受け取れますし、プライスレスな楽しさが確実にあります。

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