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エッセイ:虎穴入らずんば同人を得ず

「とらのあな」なんばA店の閉店に立ち会ってきました。これで現存するとらのあな実店舗は国内では池袋店を残すのみ。訪れるべくして訪れた幕引きとはいえ、20年以上に渡ってオタクの街を牽引してきたランドマークの消滅には寂寥の念を禁じ得ません。流石に隔世の感があるな……。

秋葉原店と同様、閉店間際にオタクが結集する最終回のような光景に。BGMにオープニングが流れてるやつ。ただどんなに熱いシチュエーションでもオタクはやっぱり臭かった。電気街のオタクってどんなに身体洗ってたとしても近場の家系ばっか食ってるから結局ニンニク臭いのよね。最後の最後ですら臭い思い出を残すあたりも象徴的ではあるが。

店内入口に貼り出されたランキング。いずれもほぼ東方と型月、竜騎士07で9割を占めているあたりこの店が真に「同人屋」だった事を思い出させる。20年の貫禄を感じさせる“全盛期”のラインナップに思わず郷愁の涙。私的に版元からの怒られが発生した懐かしの「マリグナントバリエーション」や比村サーキットでお馴染みの「月曜日のたわわ」が名を連ねている所がエモーショナル。

とらのあなの起源が偉大なる大韓民国にあることは明白
棚のオレンジは同人の色

最近はポイント還元の不味さから専らメロンブックスの方を贔屓にしていたものの、改めて店内を見渡すとオリジナル系や旬を過ぎたジャンルの同人に関してはこちらの方が懐が広かったり。サブカルチャーとしてのコミケの本質に寄り添うような展開だっただけにコロナ禍はマジでキツかったのだろう。
なんだかんだ言いつつ秋葉原に寄った時にも必ず立ち寄っていたし、オタクとしてのステータスを担保する聖地でもあったような気がする。思いのほか僕ってとらのあなが好きだったんだな……。

もう店舗予約は出来ないんだね……と哀しくなった
密かに好きだったコーナーの一画
メロブには無いサブカル棚



でもfantiaのR-18差分は許さん。


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