見出し画像

コラム:2022野外アニクラの定番芸①

 先日、岡崎公園で開催された野外アニクラ「アニメメメスペシャル」にお邪魔しました。

 野外ということで特にオタ芸が盛況で、道行く一般人から奇異の目で見られつつも高まりがエグかったです。見知らぬオタクと一期一会で気味の悪い振りを合わせる一体感は(絵面はともかく)かなりの達成感があり、おそらくディオがジョナサンの肉体を乗っ取った時なんかもこれと似た高揚感があった事でしょう。
 というわけで今回はこれだけ覚えれば野外アニクラですぐさま高まれるというような定番の打ちを独断と偏見でいくつか紹介していこうと思います。

初級技

①サンダースネーク→ロマンス

 例:飛竜の騎士(『最弱無敗の神装機竜』 OP)

 (サビ:サンダースネーク→ロマンス)

 備考:THE・オタ芸。8小節(32拍)のサビ汎用。アニソンの多くはこのメロディー構成なので7割くらいこれを打っておけば間違いないです。そもそも拍子や尺といった基本的な知識を詳しく知りたい方は、先人が上手く纏められているので下記を参照。知っている方がわかりやすいですが、この先、特に必要というわけではありません。

 このサンダースネークはライトセーバーの型でいうとシャイ=チョーに当たる基本のフォームで、ここから色んな派生スネークに繋がるため、極めれば自然と他の打ちも出来るようになります。一応、打ち方を文字に起こすと……

・右手を左方、左手も右手を追い、合わせた手を返す
・手を合わせたまま身体の前で2回転、2回転目は身体の左上で両腕をとめる。
・2拍ずつ使いながら右腕左腕の順序で右下へ
・糸巻きしながら身体の前で1回転
・右腕を左方に突き出し、左右交互にだんだん上へ6回(スネークサンダー)
・糸巻き
・右手を地面に向けて突き出す
・コマネチ二回
・左手を左上方へ固定し、右腕を肘を中心に右方で回す。(ロマンス警報)

 ??????
 なに??????????

 というわけで、実際の動きは以下の動画を参考にしてください。それほど難しくはないので僕みたいに動作IQが終わっててもマネできると思います。
 どんなオタ芸にも言える事ですがその人それぞれの打ち方があるので、ぶっちゃけ正しい打ち方はなく、みんな思い思いにそれっぽい事をしてるだけなのでナァナァでOKです。まずは雰囲気を掴みましょう。


例:Only my Railgun (『とある科学の超電磁砲』 OP)

 (Aメロ〜:ガーゴイル芸
 サビ:家虎→サンダースネーク→ロマンス)

 備考:アニソンとしてもド定番の曲。野外に限らずほぼ一回は確実にどこかで流れてくると思います。基本的にfripSide(作曲:八木沼悟志)はサビのメロディーから曲がスタートするのでいきなり打てます。最近は3期前半の「Final phase」とトントンで流れてくる感じか。

 ラスサビ前のオタク千手観音。
 芸術点が高い。(これで打ち合わせないんだから凄い)

サンダースネーク派生

 ・田植えスネーク
 例:秘密の扉から会いに来て(『のうりん』 OP)

 構成:サンダースネーク→合間に田植え→ロマンス→合間に田植え

 備考:田村ゆかりの「秘密の扉から会いに来て」限定技。といっても合間に田植えするだけ。モチーフとしてはこの曲が主題歌になったアニメ『のうりん』のテーマが農業であること、そして何より衣装に身を包んだ田村ゆかりが田園を駆けるシュール過ぎるMVをリスペクトしているものと思われます。


 ・サンダースネーク(関東打ち)
 例:One-Chance!!(PCゲーム『ピュアガール』 主題歌)

 備考:やや腕の角度が異なるサンダースネークとロマンス。身体に対して平行になるみたいです。動画の通りこの曲では赤本を叩きつけるのが鉄板ネタ。他では『ラブライブ!サンシャイン!!』から黒澤ダイヤのソロ曲「Perfect SEKAI」でも観測。

 ・カンフースネーク
 例:Sunsetカンフー(TrySail)

 構成:サンダースネーク→合間にカンフーポーズ→ロマンス(カンフーポーズ)

 備考:これも曲限定の技ですが、比較的よく見る上に基本はサンダースネークのままなので紹介。そのままPVにあるカンフーポーズを合間に取り入れたもの。後ほど解説しますがオタクは振りコピが好き。
 僕の推しは天ちゃんです!(大声)

 

②ムラマサ

 例:コンプレックス・イマージュ(PS2『ひぐらしのなく頃に祭』澪尽し編 OP)

 構成:サンダースネーク→ムラマサ→ロマンス

 備考:サンダースネークと同じ8小節(32拍)の尺で基本技の一つである「ムラマサ」。由来は妖刀村正か。刀で斬りつけるような振りを指しての事みたいです。

 例:勇気はどこに?君の胸に!(『ラブライブ!サンシャイン!!』 2期ED)

 注意点としては、サイリウム芸にある同名の技とは別の型なので場合によっては「地下ムラマサ」と呼び分ける必要が出てきます。(この技に限らず本稿で扱うオタ芸全般を「地下技」と言います)
 サンスネの代わりに単体で打ってもいいのですが、どちらかと言えば通常のサンダースネークだけでは尺が余る場合などに合わせて通常2技として打つことが多いです。(サビが32+32の時は技を2つ打てるので2技尺と言う事がある)

 例2:天武の舞、暁の門(PCゲーム『魂響~御霊送りの詩~』 OP)

 備考:こちらも32+32拍なので2技、サンダースネーク→ムラマサの構成になります。
 他方、画面左端で打たれているのは「リフレクトドライブ」と呼ばれる別の技。2技の尺が「リフレクト尺」と呼ばれる所以ですが、基本的に好みの問題なのでサンスネ→ムラマサと悩んだらどっち打ってもいいです。

③ドラグーンスピア

 備考:同じく32拍。基本技の中では一番難易度高めかもしれません。ここまでクリア出来たら脱初心者、いつでもアニクラに飛び込めます。
 これもあまり単体で打つことはなくて、大抵はサンダースネークと合わせた「リフレクトドライブ」やドラグーンスピア→ムラマサ→サンダースネークの通常3技など連続で打つ時の初動になりがち。

 例:Divine Spell(『レガリア The Three Sacred Stars』OP)

 備考:通常3技(ドラグーンスピア→ムラマサ→サンダースネーク)を繋ぐとこんな感じ。(※この曲本来のサビは1技ですが動画では直接ラスサビに繋げて3技の尺になっています)
 今回、課題曲として置いておくので試してみてください。

 他にも「(地下)アマテラス」や「アーリークロス」といった通常技がありますが、現状のアニクラでは単体で用いる機会がそれほど無いので文量の都合上、今回は割愛。(後述する連続技に織り込まれているので、どうしても気になる方は今回はそちらを参照してください)

④ナマステスネーク

例:Rising Hope(『魔法科高校の劣等生』 OP)

例:ワガママMIRROR HEART(『政宗くんのリベンジ』 OP)

(イントロ:ホグワーツMIX  サビ:ナマステスネーク)

 備考:おそらく一番簡単で盛り上がれるオタ芸。野外で集まれば手軽にそこそこTwitterが伸びるのもおすすめポイント。たぶん知らないだけでtiktokに晒されたりもしてるのでしょう。見たままインドっぽい動きを取り入れていることが由来。実践する上でひとつ注意する点があるとすれば、思い切り寝転がると膝とか肘とか怪我をするので程々に。(した)
 これの派生技に『キルラキル』OP「シリウス」でのナマステスネーク・天がありますが、こちらはやや難易度が上がるので割愛。

⑤あんぱんスネーク

 例:最高速 Fall in Love (『モンスター娘のいる日常』 OP)

 0:39~
 備考:これもかなり簡単な部類。「あんぱん食べたいです!」と宣言してから技に移行。僕が一番最初に覚えたのもこれでした。ただ、この曲以外で観測したことは無いので汎用性はあまりないかも。ちなみに各キャラ毎にソロバージョンが存在するので、DJが意地悪すると全員分含めて7連打くらいサビが来ます。

⑥電波スネーク(あまね式)

 例:Over The Future(『絶対可憐チルドレン』 OP)

 例:でんでんぱっしょん(でんぱ組.inc)

 備考:電波氏とソラ氏が開発し、その後にあまね氏によって改良されたもの。いわゆる電波曲やでんぱ組に由来するわけではない点に注意。あまね式の方がよく見かけるというか、正直僕にはそんなに区別がつかないのでどちらでもいい説。
 実際のアニクラで見かけるのは例示した2曲くらいなのでそう頻繫に見かけるわけでもないのですが、伊賀スネークや滋賀スネークといった特殊技にも一部が応用されていたりと基礎としての価値が高いのでこちらで紹介。

中級技

 ここからはサンダースネークの応用も含めてやや難易度が上がります。とはいえドラスピまで打てていればほとんど応用なのでそんな劇的には変わりませんが。

①アストロドライブ

 例:Astrogation(水樹奈々 シングル)

 構成:ドラグーンスピアの合間に2回指差し→クロス回転→六段突き→サンダースネーク→ロマンス


 備考:課題曲である「Astrogation」がそのまま名前の由来。野外でこの曲が流れない事はほぼ無いので必然的に目にする機会も多いかなと。
 48+32+32拍、俗に「アストロ尺」と呼ばれる特殊尺で、この曲の他には『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』のオープニング「starlog」や『selector infected WIXOSS』の「killy killy joker」といった名だたるアンセムもこれに該当するので覚えて損はない打ちの一つ。

②ご当地スネーク

 サンダースネークの派生として分けるか悩みましたが、多岐にわたってもはや原型がないものも含まれるため中級技としてご紹介。47都道府県の特色を振りに取り入れた技でおそらく本当に47種類あると思います。その中でも比較的よく見かけるものをいくつかピックアップしてご紹介します。

 京都スネーク

 例:サウンドエスケープ(『響け!ユーフォニアム2』 OP)

 構成:作法に倣って正座→正座ロマンス→奥ゆかしく三つ指をつく
 →正座ロマンス→もう一度三つ指をつきお茶をたてる
 →作法に倣って飲み干す→「結構なお手前で……」

 備考:主に「響け!ユーフォニアム」の楽曲(京都アニメーション制作)で定番となっているご当地スネークの一種。京都といえば茶の湯なので奥ゆかしく侘び寂びの風情を楽しむことに重きを置いています。ただし最近では自ら点てた茶を後方へと投げ捨てる不届き者も観測されている模様。

 栃木スネーク

  例:Paradise Lost(「喰霊-零-」 OP)

 構成:Bメロ~サビ前「松たか子×6 ヤマザキ春のパン祭り!」(松たか子のご本尊/ヤマザキの菓子パンが中央に置かれる)
 →見ざる聞かざる言わざる(三猿)→眠り猫じみた寝そべり
 →平和観音像→いちご狩り→ロマンス警報「みのりのみのりのローマンス!」→ロマンス→FES☆TIVE→バスケットボール→タタリ神

 備考:栃木県は宇都宮市出身、茅原実里の「Paradise Lost」における2022年現在の定番芸。例によってこの曲でしか見かけたことがない。松たか子MIXは前々からあったものを継承。もはや後半はなんら栃木要素がないとは開発者の弁。とはいえ実際にやるとタタリ神が相当気持ち悪いことになるのであまり覚えて行かない方がいいかも……。

 ……とかなんとか言ってたせいか、改良されてしまいました。
 なんか物足りない!

 徳島スネーク

  例:スパッと!スパイ&スパイス(『RELEASE THE SPYCE』OP)

 構成:サンダースネーク→お遍路→ロマンス警報→阿波踊り

 備考:リリスパといえばこれ。『咲-Saki- 阿知賀編』のオープニング「MIRACLE RUSH」でもたまに見かけますが俄然こっち。これのおかげで徳島県が誇る伝統文化が台湾のほかニューヨークのアニクラにも輸出されていったとか。本編は特に徳島との関係なし。この直後は作曲者繋がりで大アンセムの「回レ!雪月花」が控えていたりもするので、これが流れてる時は一切油断がならないです。

 滋賀スネーク

 例:徒花ネクロマンシー(『ゾンビランドサガ』 OP)

 備考:おそらくご当地スネークの中でも屈指の完成度と普及率を誇るのがこの滋賀スネーク。佐賀なのに滋賀、ナンデ?ナマステスネークと開発者が同じだとか。他に『となりの怪物くん』のオープニング「Q&A リサイタル」や『君の名は。』の主題歌「前前前世」、『僕のヒーロアカデミア』の「ピースサイン」など定番曲との相性が良く、見映えや適度な覚えやすさもあいまってかなり頻繁に見かける事になると思います。ただ、動きの半分くらいは電波スネークの応用で滋賀要素は不明。最後に腕を振って輪になるやつはコロナ禍での「回レ!雪月花」にも転用されてたような気がします。

③領家大明神召喚の儀式

 例:創聖のアクエリオン(『創聖のアクエリオン』OP)

 備考:ほかにニコニコ動画で有名な「レッツゴー陰陽師」や『魔王様、リトライ!』オープニングテーマ「TEMPEST」などで観測。いかついネーミングに加えて陰陽師っぽい独特の振りと回転が仕込まれているのでこちらで紹介。

上級技

 出来なくて当然っちゃ当然の連続技。ギャラリーが居る時に合わせられるとかっこいい。

諸刃の剣

例:名前のない怪物(『PSYCHO-PASS』 OP)

 備考:定番中の定番。オタクが列を為すのでなかなか面白い画になります。僕自身は今のところ打てません。
 ひと昔前は「名前のない怪物」=諸刃の剣一択だったのですが、

 最近はいくつか流派が分かれてカオスの様相に。(いとうあさこスネーク、ワカメなど)

きらわん打ち→滋賀6連

例:ワルキューレがとまらない (『マクロスΔ』劇中歌)

 構成:イントロ~サビ きらわん打ち(ヴァイスシュヴァルツ→アーリークロス→アマテラス→ムラマサ→リフレクトドライブ)
 Cメロ~間奏 徳島スネーク(※フリータイム)
 ラスサビ 滋賀6連(鈴正宗→領家大明神召喚の儀式→七本槍→「止 ま ら な い か ら」→滋賀スネーク→アニテラスネーク→ロマンス山脈)

 備考:2022年現在、屈指の打ち曲。なにやってんのこれは……。
 便宜上、イントロのヴァイスシュヴァルツからサビのリフレクトドライブまでの通常技の流れを「きらわん打ち」、「滋賀6連」とする場合はラスサビ入りの鈴正宗からを起算しています。
 ただ、あくまで今はこれが主流というだけで冒頭の通りオタ芸自体、個々の流儀で無数に枝分かれするので必ずしもこの通りやる必要はないです。流石にここまで打ち合わせなしでやれてしまうともう立派にパフォーマンスとして成立すると思うので、目立ちたい人はぜひとも挑戦あるのみ。

 次回は振りコピなどオタ芸以外で定番をいくつか挙げられたらいいなと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?