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「上場前でも行使できる」 ELYZA独自のSO(ストックオプション)制度とは?

ELYZAは「スイングバイIPO」による上場を目指すと同時に、独自のストックオプション(Stock Option、新株予約権のこと。以下SOとします)制度を導入しました。メンバーが一緒に夢を追いかけられる、「疑似セカンダリーマーケット※」とも呼べる仕組みをつくっています。今回はその制度の具体や、制度設計にまつわるエピソードをご紹介します。
(※セカンダリーマーケット:未上場時点で、株やSOを売買取引できる市場のこと)

ELYZA独自の「上場前行使SO」とは?

代表の曽根岡さんと共に制度設計に関わってきた経営企画チームの市川さんに来てもらいました。さっそくですが、ELYZAのSO制度についてかんたんに教えてください。

ELYZAでは、上場によって行使・現金化ができる「上場SO」に加えて、社歴等に応じて一定割合をいつでも行使・現金化できる「上場前行使SO」のふたつを用意しています。「上場SO」は一般に言われるSOに近いですが、「上場前行使SO」はかなり珍しい制度になると思います。

「上場前行使SO」とはどのようなものなのでしょうか?

一言でいうと、上場前でも現金化できるSOです。一般的なSOは基本的には上場を経て行使・換金可能になることが多く、創業者などが持つ株式(いわゆる「生株」)と比べると行使できる機会が限られることや、できたとしてもタイミングが遅いことがデメリットとして挙げられます。
今回の「上場前行使SO」はたとえ上場前でも株式を売却できる仕組みをつくることで、そのデメリットを解決し、SOの魅力を最大化してみようという試みです。

SOの基本とELYZAのSO制度について解説

SOについて何となくしか分かっていません。基本から教えてもらえますか?

もちろんです。一般的に株式投資をする場合、ある会社の株式を時価で購入して、売却時に損益を出しますよね(下図の②)。SOは買おうと思った時(権利行使をする時)に、その時の時価ではなく、あらかじめ定められた価格(行使価格)で買うことができる権利のことです。

そのため、SO発行時点で定められた株価と売却時の株価との差分をリターンとして得ることができます(下図の①+②)。会社の価値を高めていけばいくほど、SOの価値も高まっていく構図ですね。

(グラフの推移はイメージです)

また、「税制適格SO」というものがあり、ELYZAのSOもこれに該当します。社員に無償で付与され、かつ一定要件を満たすことで権利行使時には課税されない税制優遇を持ったSOです。

「税制適格SO」は権利行使できる期間に条件があるのがポイントで、SO付与から2年〜10年の間(※)となっています。付与されてすぐには権利行使できない一方で、期限もあります。まさに、急成長を目指すスタートアップ企業を支援するために設けられた税制だと思います。
(※ ELYZAの場合。会社の設立年数によって異なる)

ELYZAのSO制度についても詳しく教えてください。

ELYZAが発行するSOは、「上場SO」と「上場前行使SO」に分かれています。

「上場SO」はその名の通り、上場日を起点に行使が可能になる一般的なSO です。ELYZAはKDDIにグループ入りし、スイングバイIPO(上場)を目指しています。KDDIグループのサポートを最大限活かしながら、みんなの力を合わせて中長期的に大きなリターンを目指したいですね。

※スイングバイとは、宇宙の専門用語で宇宙探査機が惑星の重力を利用して加速するということを表現した言葉。ELYZAとKDDIでは、スタートアップが大企業のサポートを得て成長し上場を目指すことを、スイングバイIPOと呼んでいます。

「上場前行使SO」は上場を起点としなくても行使できる SO です。およそ在籍期間に応じて行使、売却できるようになっているので、プライベートで急にまとまったお金が必要になるかもしれない、といった不安を解消する一助にもなると思います。

この制度は、行使分のSOを売却できて初めて実現します。そのための仕組みや段取りをつくることは大変でしたが、長期的により良い仕組みをつくりたい、社員みんなの働く原動力をつくりたいという意思が込められています。ELYZAのコアバリューである「Long Term Greedy」を改めて実感した瞬間でした。

「目指したのは、擬似的なセカンダリーマーケット」 独自SO制度はいかに生まれたか

ここからは代表の曽根岡さんにも聞いていきます。なぜこのようなSO 制度を考えたのでしょうか?

はい、大きく2つ理由があります。ひとつ目は「みんなでつくった成果のリターンはみんなで分け合うべき」と強く思ったことです。KDDIとの資本業務提携によって、私を含めて一部の人だけがこのタイミングでリターンを得ることに違和感がありました。何だかフェアじゃないなと。

これからもELYZAで働くみんなと一緒にわくわく夢を追いかけたい、みんながわくわく夢を追いかけられる会社でありたい。その目線から、SO制度を工夫できないかと考えていました。

もうひとつの理由も聞かせてください。

ふたつ目は、新しい仕組みを社会に提案できると思ったことです。面白い仕組みを考えるときはわくわくしてしまいます(笑)。きっかけはサムさんから、米国のSO制度は日本とかなり異なると教えてもらったことでした。米国では上場前のスタートアップ株を売買できる「セカンダリーマーケット」という市場が存在し、SOをいつでも現金化できます。ゆえにスタートアップで働く人たちは「SOを含めて給与だ」と認識しているそうです。そちらの方がはるかに魅力的ですよね。

サムさんは ELYZA Lab のメンバーです。こちらの記事もぜひどうぞ。
【インタビュー】「科学の探求と社会実装の両立へ」サムさんにポスドクからMLエンジニア転身の理由を聞いてみた

日本には明確なセカンダリーマーケットがまだありません。ただ擬似的なセカンダリーマーケットをつくることはできそうだ、実現できるのであればやるべきだと考えました。前例が乏しく、海外事例を調べたり弁護士や税理士の方に相談したりと大変でしたが、KDDIの皆さんにも理解をいただいて何とか形にできました。

SO制度はこれからどのように活用されていきますか?

そもそもSOは、みんなで頑張って成果が出ればそのリターンをみんなで分け合えるという素敵な仕組みです。今回、制度を工夫することで、その魅力を最大化できたと思っています。

これからは、既にELYZAに加わってくれているメンバーに対してだけでなく、新たにELYZAに参画してくださる方々に向けて活用すべく、「上場SO」「上場前行使SO」を組み合わせた魅力的なオファーや報酬制度をつくっていきます。

制度のあり方には組織の色が出ると思うので、ELYZAがどのような会社なのかを感じていただけたら嬉しいです。新たな仲間を絶賛募集していますので、ぜひ一緒にわくわくする夢を追いかけましょう!

ELYZAは仲間を大募集しています。

本記事ではELYZAのSO制度を解説しました。報酬制度や、働く環境(フルリモートOK、スーパーフレックスなど)からもELYZAに興味を持っていただけたら嬉しいです。気になる点はぜひカジュアル面談でご確認ください!

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