【米国市況】6月FOMC議事録に隠された真実
1.政策金利の利上げ
6月に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)でパウエル議長は0.75%の利上げ可能性は低いとが言及したが、FOMC議事録には6月と7月は0.75%の利上げの確率は低くないと記載してあった。
公の場でパウエル議長は0.75%の利上げは稀であると主張しているが、実際のFOMCでは0.75%の利上げが浮上していた。大幅な利上げによる不安定な先に備えるべきでしょう。
2.GDP成長
今年の1月~3月と比較して、GDPは回復しているという内容が議事録に書かれていたが、とても信じがたい発表であった。まずはその内容を説明します。
第二四半期の米国GDP成長はまだ正式に発表されていないが、アトランタ連邦準備銀行(GDPナウ)が7月1日に第二四半期のGDP成長予想がマイナス2.1%のと発表。
GDPナウは7月1日に発表されたので、6月のFOMC議事録内容には間に合わなかったタイミングではあったが、上記の表を見ても、少なくても5月中からは右肩下がり傾向であった。
Federal Reserveが成長しないGDPを認めないのは歯がゆい。これだけ同じ連銀のレポートが出されても、パウエル議長は触れもしないし、連銀としてメッセージ性が矛盾しているにも感じる。
最後に、先月NY連銀の景気後退発表に関する記事を書いたので、ご興味のある方はお読みください。
3.「景気後退」は1回も言及されず
議事録には景気後退は1回も言及されず、その懸念も話されなかったようだ。
ただ、米国市民は景気後退をかなり気にされている。調査委によると、7割以上の成人アメリカ人は2022年までに景気後退に入ると思っている。
GDP成長と同じだが、ここまでFederal Reserveが景気後退を認めないことはかなり問題であり、政策金利のさらなる大幅利上げに注意すべき。
ちなみにGDP成長が2四半期連続でマイナス成長になった場合、一般的に景気後退と言われている。第二四半期のGDP成長実績が大注目される。
参考資料:
https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/fomcminutes20220615.pdf
https://www.atlantafed.org/cqer/research/gdpnow
https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-07-06/are-we-already-in-a-recession-2022-businesses-and-workers-say-yes
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