台風の捉え方の違い。
台風が近づいている。
台風とはあまり縁のない青森に23年住んでいたわたしは未だに台風という響きを聞くだけでワクワクしている。(不謹慎だと思われて当然ですが、そういう人もいると知っていただければ幸いです)
人生で台風のようなもので怖い思いをしたのは2回とも海外だった。
1回目はテネシーに留学していたとき。トルネードと呼ばれる竜巻が大学のある地域を襲うかもしれないという警報が出たとき。
寮に住んでいたわたしは真夜中のも関わらず、寮の学生スタッフに叩き起こされ地下室に避難した。
既にぎゅうぎゅうになるほどの人がいて、そこで3時間ばかりハリケーンが過ぎるのを待った。
結果としてハリケーンは近くには来たものの大きな影響を与える事もなく過ぎ去っていった。
アメリカは災害に対する危機意識が高く、何もなくても避難して何もなくてよかったねと喜ぶ。日本のもったいないや無駄だったという声はほぼあがらない。
2回目はフロリダに住んでいた時。ディズニーパークが数十年ぶりに全面閉園する機会に立ち会った。仕事は2時間出勤しただけで退勤命令がでて、寮へと戻り、食糧や水を買うためにスーパーに急いだ。
既に水の棚は空っぽすぐに食べられるようなパンやお菓子も軒並み売り切れ、やっとの思いでパンとジュースを買ったのを覚えている。
どちらも会社や守ってくれる場所が素早く避難を促し、命を守る事の大切さを率先して教えてくれる。
日本にはそこが欠落している人が組織が多いなと感じた。
今日も中国人の上司は電車が止まりそうな人はすぐ帰りなさいと促し、数名は15時には退勤した。
わたしは止まる事の滅多にない地下鉄だったため、定時まで残っていた。
退勤15分前になり、先輩の日本人社員にこの仕事お願いしてもいい?と仕事を頼まれた。今日初めてやった入力業務で上司が帰った後で不安だったが引き受けた。すると案の定トラブルが続き、結局初めての残業を台風の日に経験する事になった。
できるか不安だったわたしが引き受けたのも、その先輩がわたしの能力を把握していなかったのも問題だったのだが一番の問題は先輩の危機管理能力のなさだと感じた。
先輩自身は止まる恐れのある電車を使っていて本当は15時に帰るべき人だった。それを仕事が終わらない事を恐れて定時まで引き延ばし、使えない後輩のせいでさらに遅くなってしまった。
日本でずっと生きている人なら仕方がないのかもしれないが、先月の災害もあったのに状況を楽観視するような行動はどうなのだろうかと疑問に感じた。
自分の命は自分で守る。
それは基本だ。
さらに自分のせいで誰かの命を奪う事がないようにするのも大事なことではないのかと思う。
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