井上尚弥vsTJドヘニー よぎる反則負け。ネリ戦の次戦はこれで良かったのか

ドヘニーはここ何戦か日本で戦い、勝ち味の良い試合を見せていたので、海外でのこの試合に対する批判的な風潮は身近なところからはあまり感じられませんでした。
それでもやはり日本でしか開催できない試合だった、とも思いますが…
私は私でミスマッチはミスマッチでしかないから、という所感でしたが、キャリアの中でこういうマッチメイクが存在するのは歴史上偉大なボクサーにもあったことだから批判する気はありません。

尚弥くんはネリ戦の入りを大いに窺わせる慎重さを見せ、堅実に戦い、倒しに行くように見えたラウンドであのようなことになったわけだけれども…

何度も流れたスローを見ると、尚弥くんが連打の中ベルトラインを打ったボディブローの後、ドヘニーは異常を訴え試合をギブアップしています。
そのパンチが異常を引き起こしたのが確認できますが、ノーファールカップが途切れる境目辺りに当たっていないでしょうか。
(6Rにも同様のシーンが見られたがレフェリーからの指摘はありません)

ベルトラインを打つのはローブローであり、反則だから、ドヘニーにそれをアピールできる余裕と判断力があれば違った結末があったかもしれません。

ドヘニーのホームと言える場所やアメリカ開催であったならまた違った展開になったかもしれないですね。

ベルトライン、同じ場所に放たれた3発のローブローの影響がドヘニーの棄権した理由と私は判断しています。


私はこの試合、序盤KOで尚弥くんの勝ち予想が1番多いと知って、それならそうするべきだと思っていました。
ドヘニーが出て来れるように圧力をかけ過ぎず、カウンターから波状攻撃でTKOを呼び込むのはそう難しいことではなかったように思えるのです。

また、尚弥くんは展開を変えようと何かを試みたラウンドを落とすところがあるように感じるので、そこは課題かと。

前回のメンタル的な入りの悪さ、作戦ミス、サプライズを払拭するには、見る人の予想通りになるように勝利するのは如何ともし難い説得力があります。
その為のドヘニーではなかったのでしょうか。

長いことボクシングを見ていると、戦っている選手の思惑通りには行かなかった試合は確率は低くても起こるものだから、こういうことはあります。
そこに私は落胆も何もないわけです。

勝つことが大事で、勝者が次に、上に進めるものだと思っています。
尚弥くんにはリフレッシュしたらまた頑張ってほしいですね。

現代を代表するボクサーの1人である彼から目は離すことはできません。

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