中谷潤人vsアストロラビオ　いつ打つ？ボディーブロー

ボクサーは皆、最初のボディーブローをどう打つか、いつ打つかをそれぞれ思考するものです。

この日の中谷くんはロングレンジをキープしてのスタート。
頭部へ放たれるストレート系のパンチのヒット率がいつもより高くなく、急所を狙っているわけでもないのでいつもと違うという軽い違和感を覚えつつ、何か狙いがあるのだろうと観ていました。

左ストレートをオンガードに構えたアストロラビオのグローブへ放った際に、狙いはボディーか、と。
それまでのパンチの対処に追われたせいで上がりきっていたガードが左ストレートで開きました。

そして上下のワンツーの2発目。
この試合初めて放ったボディーブローが最も効果的にヒットし試合が終了します。

ボディーの正面は被弾時に力を入れてダメージを相殺し、打たせてもいいようにボクサーは皆鍛えているものですが、パンチがくると分からなかったら力を入れるタイミングを逃しアストロラビオのようになってしまいます。

中谷くんが上にパンチを集中し角度を変えたロングのパンチで、アストロラビオの下への意識を断てた瞬間を作り出した結果のKO劇ですが、世界ランク1位に期待するのはやはりもっと別のシナリオではありました。

中谷くんのヒスパニック系のボクシングは本格的且つレベルが高いものになってきました。
現在のバンタム級では勝てない相手はいないでしょう。
見たいのは1年後以降の井上尚弥戦でしょうか。
中谷くんがバンタム級の4団体王者になってから尚弥くんと戦えたらとても盛り上がることでしょうが…

幸先よくトップランクと契約したことで、より良い相手と戦える機会が多く訪れることを楽しみに観戦していきたいものです。