【雑感日記】 「おかしな日本語」(15)
今回は自分が特に嫌だなと思っている言葉遣いを紹介します。まずは例文
事前割引が適用する形で総額で八千円割引という形になります。
失言した議員が記者会見で謝罪をする形で一件落着した。
わかりますか、そうです「形」です。何にでも形を用いて処理するこの言葉遣いは言ってしまえば頭悪いなこの人という印象を強く与えます。何でもかんでも形で終えるということは以前書いた「やつ」などと同様、汎用表現でもあると思われますが、実はどれにも当てはまらない不自然な表現です。これらは本来であれば言葉を変形させて表現しますが、もはや「形」で終えてしまえば活用も何もあったものではありません。それだけ国語力の衰えが露呈された表現であるとも思います。これまでに紹介した中でも最も危険な表現です。正しく表現すれば
事前割引を適用させ割引の総額は八千円でございます。
失言した議員が記者会見で謝罪をし一件落着した。
この「形」はバカっぽく聞こえるだけではなく、聞き手側からすれば「カタチ」という音がところどころに混ざって甚だ不快に受け取られます。この言葉、語を構成する3文字中最初の2文字が破裂音で、非常に耳障りです。これが言葉の中のあちこちに混ざれば誰でもおかしいと感じることでしょう。
他の言葉も多少は苛立ちはしますが、これは断トツでイライラします。「形」を多用する人はすぐに悪印象を抱かれ、以後はできるだけ話したくないとまで思われてしまうくらい、人格にも影響する稚拙な上に汚い日本語の用法だと思います。そして大半の人はこの言葉に違和感を覚え、不快になるものです。
幸いにもこの言葉、3文字でそれぞれ音節を持っているため、多用していることがちょっとの意識で気がつくものです。気がついて自分はちょっと「形」が多いなと思ったらぜひとも意識して使わないよう心がけましょう。あまりに使い馴れてしまうと矯正に苦労するようです■