【雑感日記】 「おかしな日本語(13)」
今日紹介する用法は最近になってかなり問題だと思われている表現だと思います。まずは例文を紹介します。
こちらが限定品のチョコレートになります
ご注文の品が明日到着になります
これらの言葉遣いに違和感がない人は恐らく同じような言葉遣いをすることだと思います。しかしその言葉遣いに妙に敏感な人もたくさんいて、それにより他の人を苛立たせてしまうこともあります。
例文は2つとも「なります」で終わっています。「なります」というくらいだから何かにならなければいけません。上の例文だと何がチョコレートになるのか説明ができない限りは適切な表現とは言えません。どうしてもなりますと言いたければこのあたりの言葉を選ぶべきです。と言うよりは何でもかんでも昨今は「なる」で終わります。それが間違っているのです。正解は、
こちらが限定品のチョコレートでございます
ご注文の品が明日到着します
と書くべきか、とにかく最近は何にでも「なります」を用いたがります。これもおそらくは「です」や「ます」で終わらせればいいもののなんとなく不十分な気がしてついつい「なります」と言いたくなるのだと思います。言うなれば過剰な丁寧表現、ざっくり書けば敬語の使い方が未熟である挙げ句の果てと言ってもいいかも知れません。
この「なります」がとにかく強い勢いで日本語に浸透しています。この現象、人によっては英語のbe動詞がbecomeに取って代えられると説明するとピンときたなんて事もあります。
ここでまた例文を上げます。
How much is this book?と質問をします。その答えは
It's $15.となるか
It becomes $15となるか、英語の心得があまりなくても答えはわかると思います。もちろん上です。ところが今の日本語の主流は下です。英語は他言語なので日本語と比較をする事自体が間違っているかも知れませんが、その分客観的に事情を説明もできます。要するにこれだけ見当違いな言葉を使っているという点では日本語でも英語でも同じ事。もちろん英語の場合下の文のような用法は間違いです。
もう一度基本の表現でもある「です」「ます」「である」「でいる」などで表現できるところを「なる」「なります」に取って代えていないかチェックしてみてください。「なります」表現はかなりみっともなく聞こえます。とくに対人でやや緊張気味の時には出やすい事だと思います■