【雑感日記】 「おかしな日本語(12)」
さて、今日は口語でよく登場し、非常に鬱陶しいやと思いつつも自分でもたまに口をついて出てしまう言葉を取り上げてみたいと思います。例はこちら、
なんか5Gなんて言ってるけど見たことない。
急に暗くなってなんか怖いんだけど。
と話しますよね、その「なんか」って何でしょう。
皆さん。「なんか」なしで会話ができますか。あなたの話し言葉には「なんか」が知らず知らずのうちに混ざり込んでませんか。これ、ひとたび気になり出すと「とか」の多用と同じくらい気になってしまい、「なんか」を多用する人が幼稚に感じられてなりません。
どうして言葉の出だしに「なんか」を使うのか、それは言葉を発するきっかけとして用いられるからです。つまり「なんか」なしではなかなか話せないという不安感がある場合や、これまで会話のない場に会話を持ちだしてそれをスムースにその場に馴染ませたい時など、ついつい「なんか」という言葉を合図や呼び水にして会話を始めてしまうのです。
さらにこの「なんか」を口にすることで「これから話します」という合図の代わりにもなっているのではないかと思います。そのくらい現代人は対話が苦手になっているのかも知れません。また合図なしに突然話し出すと他の人がついて来られない、周囲への気遣いが無意識のうちに「なんか」を口に出させるにかも知れません。
もっと書けば「なんか」という言葉で話の出先を曖昧にさせ、あたかも自分が聞いた話のように話を始めることで発話に対する責任逃れをする気持ちもあらわれています。自分の言葉を「なんか」を用いることであたかもどこかの受け売りのように語りたがる傾向も見受けられ、これらの行動はほとんど自分の発言に対する責任のなさか、自信のなさから現れるものとも考えられます。
その程度ならおそらく大多数の人が「なんか」を無意識に使っていることでしょう。問題は発話後も事あるたびに「なんか」を使ってしまう人が最近多いのではないかと思います。まずは試しに「なんか」と言わずに話してみましょう。できる人はしっかりできます。できないで戸惑う人も多いことかと思います。例文を挙げれば、
なんか昨日の新聞とか見てたら、なんかトランプが日本に対してまた無理難題とか押しつけているらしいじゃないですか、なんか日本ってそんなんでいいんですかね。
上の文章は普通であれば下の通りに言えるはずか、または冒頭に一回だけ「なんか」を使ってしまう程度です。
昨日の新聞を見ているとトランプが日本に対してまた無理難題を押しつけているらしいじゃないですか。日本ってそんなんでいいんですかね。
こういう感じで言えることを最初の例文のように話をされると非常にイライラして来ませんか。一発目の「なんか」は容認できるとしても、その後の「とか多用」などと合わせてイライラ倍増なこの手の言葉遣いを知らず知らずのうちにしているようでしたら、ちょっと意識して欲しいと思いますね。まずは「なんか」を口にしてしまったらそれは何のことなのか考え直してみるところから始めることです■