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ポッ拳にゼンリョクだった数年間

エルムです。こんにちは。
ちょっと前にTwitterではお伝えしていましたが、結婚しました!

結婚式は2023年5月21日に都内で行う予定です。まもなくです。
せっかくの人生の節目なので、僕の過去5~6年の活動を書き記しておこうと考え、記事を書くことにしました。

この期間はポッ拳プレイヤーとしての挑戦は勿論、イベントの企画・運営、他ゲームコミュニティや海外プレイヤーとの交流、活動を支援してくださる企業との関わり、海外遠征やその費用のドネーション公募などなど、様々な活動に取り組んできました。
多くのことが未経験ではありましたが、僕なりに真剣に取り組んできた数年間。
もし僕の労を労っていただける方は、有料設定にしておくので投げ銭していただけると嬉しいです!(記事自体は全文無料で読めます)
次のチャレンジに役立てさせていただきます……!

前提

WCS2022開会式前

僕にとって一番大切なのは「ポケモンワールドチャンピオンシップス」です。
2015年の開催地はアメリカのボストン。当時プレイしていたORASで初めてWCSに参加し、その演出・文化・熱量にカルチャーショックを受けました。
自分がやってるゲームでこんなにアツい場所がこの世に存在するのかと。
その年の戦績は奮わなかったものの、「絶対にまた挑戦したい」と思える大会でした。
2016年のWCSも同タイトルで出場、そして2017~2022年はポッ拳部門で出場しました。
ポッ拳では(ルール上可能だったため)、海外大会へ遠征し出場権を獲得しています。
中学校レベルすら怪しい英語力・日本以外の地理や文化も全く分からない状態でしたが、WCSへの挑戦意欲が常に勝りました。

しかし、ポッ拳最後の世界大会が終わり(※)、主宰として運営してきた国内最大のコミュニティ大会「ポッ拳カントートーナメント」も最後の開催を終えました。
※WCS2022年を最後に、ポッ拳部門の開催を行わない旨の発表がTPCiより行われています。

これにより、WCSを中心とした僕のポッ拳関連の活動は一区切りついた形です。

プレイヤーとしての取り組み


WCS2022

元々ポケモン本編のダブルバトルをメインにプレイしていましたが、2015年にポッ拳アーケード版がリリースされてからはどちらのシリーズの大会にも参加していました。
2017年、ポッ拳部門の欧州大会(その年はスウェーデンで開催)でWCS出場権を獲得したことを契機に、本格的にポッ拳プレイヤーとしてコンバートした形です。
以降は毎年オーストラリアで開催される豪州大会でWCS出場権を獲得し、その他にも国内外の公式・非公式問わず大会参加のため海外遠征を続けました。

初めてのOICで優勝


最後の年については少し詳しく書き残しておきます。

2021年末、WCS2022の開催発表が行われました。
世界的にも少しずつオフラインイベントの復活の兆しが見えてきており、「2022年は予定通り開催されそうだ」と考え、本格的に練習を始めました。
この時点で「WCSに向けて日本を出国する時点で、自分の優勝がある程度現実的に考えられるぐらいにやりこむこと」を目標に定めました。
これは過去のWCSを振り返っても自分が達成できていなかったことであり、つまり本戦に出場するメンバーを見渡して客観的に自分が優勝候補だと思えるぐらいの仕上がりに達した状態で参加したことはなかったのです。
勿論、参加メンバーの中で自分が断トツで仕上がってる状態が臨むのが理想ではありますが、回数を重ねた世界大会ではなかなかそうはなりません。

目標達成のため、そのモチベーションを夏まで維持するため、オフラインでの練習機会を意図的に増やしました。
都内のレンタルスペースを借りてメンバーを集めて、質の高い練習ができる機会を作っていきました。
コロナ以前から実施していたコミュニティ対戦会もコロナウイルス感染拡大の合間を縫うように複数回開催し、多くのプレイヤーと対戦しました。

同時に、後悔のないよう全部の大会に行くことにしました。
コロナ禍前に開催された豪州大会でWCS2022の出場権は獲得済みでしたが、2022年に開催された欧州大会・北米大会にも参加しました。(残念ながらこの年日本大会は開催されませんでした。)
大会へ積極的に参加することが、WCS優勝に向けたモチベーションに繋がると考えていたからです。
2022年は記録的な円安となり、大きな出費ではありましたが、前述の通りポッ拳の公式大会開催が最後となる旨がシーズン途中でアナウンスされたこともあり、結果的に無理して行って正解だったと思います。

そうして練習・大会経験を積み重ねていった結果、8月日本出国時点で、自分がWCSで優勝できる可能性はある程度見込める状態にはなれていたと感じていました。当時の体感で10~15%ぐらい。
しかし結果は9位タイ。
メインステージどころかTOP8にも辿り着けない結果と、もう二度とポッ拳WCSにチャレンジできない現実を突きつけられ、一人会場の隅で涙しました。

WCS2022敗北直後

ポッ拳での主な大会結果を振り返ってみると、なかなか最後まで勝ちきることが出来ず自分の能力不足を感じる数年間でした。

主な戦績
【WCS】2017 4位、2018 7位タイ、2019 9位タイ、2022 9位タイ
【オセアニアIC】2018 優勝、2019 優勝、2020 準優勝
【ノースアメリカIC】2019 準優勝、2022準優勝
【ヨーロッパIC】2022 準優勝
【北米コミュニティ大会】2017 個人戦3位・団体戦優勝
【カナダコミュニティ大会】Frost Fire2020 5位タイ
【国内】2017 日本代表決定大会 愛知 5位タイ・千葉7位タイ、闘神祭 TOP4(2on2)、2018 カントー5 4位、2019 KSB 準優勝(3on3)、2022 カントーFINAL 5位タイ

それでも、数々のエキサイティングな体験をさせてもらえて本当に楽しかったです。
一緒にプレイしてくれた人や、大会を作ってくれた関係者の方々に深く感謝しています。

頑張った証として手元に残るのが嬉しい


ポッ拳イベントオーガナイザーとして

プレイヤーとして挑戦を続ける一方、コミュニティイベントの開催も積極的に実施してきました。
元々アーケード版からスタートしたタイトルですが、Wii U版・Switch版と家庭用ハードでのプレイが主流となりオフ対戦の機会が少なくなっていく中、「ポッ拳カントートーナメント」の主宰として様々な大会・イベントを企画・運営してきました。
詳しくは下記にまとめていますが、約6年間で数十回のポッ拳イベントを企画運営しています。

これだけのイベントを開催してきたのは、以下の考えを持っていたからです。
①閉じた狭いコミュニティより、開かれた大きなコミュニティの方が楽しい・可能性がある・その中で自分が勝ちたい
②オフライン大会こそ至高の体験
③薪をくべ続けないとタイトルが終わってしまう
④自分以外にこれをやれる人がいない(多分)

全ては自分が「こうしたい」からやってきたことですが、幸運なことに賛同してくれる方も多く、たくさんの手助けをしていただいたため実現できたことばかりです。
何もかも分からないことだらけで苦労しました。
プレイヤーとしての多くの時間を犠牲にしました。
もし僕がこれらをやっていなかったらどうなっていたのかは分かりませんが、おかげでそれまで関わりのなかった他ゲームコミュニティや企業の方々と繋がることができ、活動の幅をさらに広げることができました。

カントー6 (2019年 Red Bull Gaming Sphere Tokyo)
カントーFINAL (2022年 LFS池袋esports Arena)

他のコミュニティとの繋がり

2018年 池袋サンシャインシティ展示ホールで実施

僕が主宰を務めていた「ポッ拳カントートーナメント」は、元々ウメブラの方々から人員・機材・ノウハウその他全てをご提供いただいて開催していました。
その縁もあり、スマブラコミュニティや同じハード繋がりでARMSコミュニティなどと連鎖的に繋がっていき、合同でイベントを実施してきた経緯があります。
合同大会は小さなコミュニティがより“強い”大会を開催するのにとても効果的な手法だと学びました。
もちろん同じポケモンコンテンツという縁もあり、ポケカ・VGCコミュニティとの合同大会も実施しています。

単独タイトルで開催するより大きな労力は必要ですが、熱量の掛け算でしかできない経験をさせてもらえたと思っています。

企業の支援や公式番組への出演

イベントを開催していくうちにいくつかの企業の皆さまとも繋がりができ、活動を支援していただくことができました。
特に上記のAVerMediaさん(世界的キャプチャーボードメーカー)・AOCさん(世界的モニターメーカー)の2社には数々のご支援をいただきました。
公私共々お世話になったAVerMediaのUさん、朝の搬入から夜遅くの搬出までご協力いただいたAOCのKさんには頭が上がりません。
その他にも、エナジードリンクのご提供・機材の貸出・会場の提供など、本当にたくさんの企業にご支援いただきました。

レッドブルのご提供ありがとうございます


ソフマップさんに会場を貸し出していただきました

また、公式番組への出演の機会もいただくことができました。
ポッ拳の魅力を多くの方に伝えるお手伝いができたと自負しています。

「ポケモンWCS直前特番 えりりん三番勝負」出演
PJCS2019ポッ拳部門 実況解説

いずれのケースも、今まで積み重ねてきた活動によって各企業の皆さまからそれなりに信用していただけた結果だと捉えています。
大変ありがたいことです。

海外勢との交流

前述の通り僕は英会話がほとんど出来ないのですが、それでも(Google翻訳を頼りに)世界中のポッ拳プレイヤーと交流することができました。
同じゲームをやり続けたことによって、本来出会うはずのなかった人々とコミュニケーションする体験はとても新鮮で、僕の視野を大きく広げてくれたと感じています。

メルボルンでオーストラリア・シンガポール勢と
アメリカ勢とコロンバスで
フランクフルトでヨーロッパ勢と

少し恥ずかしいのですが、以前アメリカ勢が僕らのコミュニティ大会のために来日してくれたことがあり、終わったあと一緒にお酒を飲みながら僕が泣いてしまったことがありました。
当時は僕が「ポッ拳が終わってしまう危機感」から(少し無理をして)多くのイベントを開催していた時期でした。
そんな話を翻訳アプリを交えて話していると、彼らも全く同じ危機感を持っていることが分かりました。全く違う文化の人間と同じ危機感を共有できていたことの驚きや喜び・この先の不安・疲労などが積み重なり、涙が自然と溢れ出てきていたのを覚えています。
それだけのエネルギーをポッ拳に割いていたこともあって、多くの海外勢と仲良くなれたのかもしれません。

他者からの渡航費支援

多くの海外大会に参加してきましたが、渡航費は(トラベルアワードのあるWCS以外は)全て自分で賄わなければなりません。
そして、前述の複数の活動を行いながら年に数回の海外遠征を実施することは、一般的な会社員としてフルタイムで働く生活と両立することは難しいです。僕は前者を選んでいたため、収入は多くはありませんでした。

そんな状況でもWCSへ挑戦するため、渡航費をドネーションで公募させていただいたことがあります。

元々スマブラプレイヤーの方が海外渡航費をドネーションで募っていたのを知っていたため、参考して実施しました。
結果的に3回とも想定以上の方々から想定以上の額を頂き、その年のWCS出場権を獲得することができました。
それまでのコミュニティへの貢献等を評価していただけたこそだと感じていますし、その後の自分の活動によって利益を他の皆さまに還元できたんじゃかと考えています。
決して忘れられない体験です。

その他、カナダのプレイヤーから個人的に招待を受けて大会に参加しに行ったこともあります。

本当に、多くの方のご支援によって素晴らしい体験をさせていただきました。

さいごに

「何かを一生懸命やっていると、なぜか思いもよらぬ方向から誰かに手助けしてもらえる」
これはこの数年間ずっと感じていたことです。
僕がポッ拳にゼンリョクになり続けられたのは皆さまの支えがあったからこそで、それが連鎖的に次の活動へと繋がってきたと思います。

僕のポッ拳の活動は一区切りとなりましたが、今後については正直まだハッキリ定まっていません。今の一番の悩みです。

僕の年齢は今年38になります。子どもは1人は欲しいと思っています。
今の仕事はフリーランスとして企業のSNSを活用した広報活動の支援等を行っています。収入はもう少し増やしたいと考えています。
”ちゃんとした”人生の比率が、今までよりは大きくならざるを得ないでしょう。

対戦ゲームの大会にゼンリョクで取り組むのが子どもの頃から大好きです。
旅も大好きです。
海外大会への遠征は2つがかけ合わさっているのでものすごく大好きです。

様々な選択肢がある時代で、今までの前提はもしかしたらもう成り立っていないのかもしれません。
人生の残りの時間は限られています。
自分が心から魅力を感じるものにゼンリョクで取り組みたいです。

とりとめがないですが、これが今の僕の気持ちです。
美味しいものを食べながら僕の人生相談に乗っていただける方がいらっしゃれば、ご連絡頂けますと幸いです(´ー`)

ここまで読んでいただきありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう!

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