水島広子さん『対人関係療法でなおす 気分変調性障害 自分の「うつ」は性格の問題だと思っている人へ』
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「橘エリーの説明書」だと思っていいものだ、と思った。
治る(快方へ向かう)は思わないし、
治り(快方へ向かい)たくないんだが。
目次の写真をいただいて
「あー早く読みたい!」
これはエリーのための本だ、と。
「この本を読んで、一刻も早く救われたい!」と思った。
そこには「救われたい」という、邪な思いだけがあった。
届いた。表紙と目次を読んだ。
泣きそうになった。否、泣きたいと思った。
私は泣いてはいけない、とも思った。
しかし1滴だけ涙を感じた。目を潤ませてしまった。
いつでも読める状態になった今、
「この本を読んではいけない。救われてはいけない。救われたと思い上がってはいけない」という思いだけがある。
「救われたい」とは思っていない。
その上で、「救われたい」と思ってはいけない。
この本を読んだら、否が応でも、内容に「救われ」てしまうだろう。
私はそれがこわくて、未だ読めずにいる。
しかし
2/14(水)「はじめに」を読んでしまった
内容に入りこそしなかったが、
私を引き込むには充分だった。
感情が遠いような気がする私を呼び起こし、疲れるとわかっていても読みたい、と思わせてくれた。
※疲れたから、読まなかった
2/15(木)外の風にあたりながら
昨日読んだところをもう一度読んだ。「やっぱり優しいなあ」と思いながら、昨日と同じところで病棟に帰った。
仲良くしている他患さん(ノンタン)に「この本なあに?」と聞かれた。
表紙を見せる私。
目次を確認する彼女。実に聡明である。
そんな彼女が目を通したページ。
「これいいね」と言ってくれた言葉。
時は経ち、3月17日(日)
読み終えた。
主治医ちゃんに「これ読んだ?」と訊かれ、「まだ」と返した自分が惨めだったから。
「退院までに読み終えなきゃ」と自分を追い込むように、
以下は感想である。
「自分は本当に気分変調性障害なのでしょうか」「気分変調性障害は存在するようだけど、自分だけは違う」
水島先生は「疑いの気持ちでいいから読み進めてほしい」と仰った(まえがき)
以下、私がいいと思った箇所
感情とのつきあい方において重要な姿勢は、「どんな感情も、感じた以上は正しい」ということ
「早発性(21歳以前の発症)」と「晩発性(21歳以降の発症)」
誰よりも苦しいのは本人だということは、気分変調性障害に取り組んでいくうえで、忘れてはならない事実です。
気分変調性障害を病気として扱うメリット
自分をいじめるような形で」とらえることが特徴(この病気の症状)。
誰の責任であるかが明確になっていないものはすべて「自分のせい」としてとらえてしまう。
他人に対して不満を感じるときでさえ、「でも、そんな事態を招いた私が悪い」「このくらいのことを我慢できない私が悪い」というふうにとらえる。
病気の人に期待すべき役割(病者の役割)の中心は「自分が病気だということを認める」こと
治療を終える頃に患者が言うこと
「相手がどう考えているか分からなければ、聞いてみたらいいんですよね。そんな簡単なこと、どうして今まで考えつかなかったんでしょう。」
感想
間違いなく「救われてしまった」。
主治医ちゃんからは「気分変調症のいろんな本より双極性障害のいろんな本のほうがエリーさんに合ってると思う」みたいなことを言われたので、
「私はまだ双極症じゃないよ!(診断してくれないじゃないか)」と思いつつも同シリーズの『双極性障害』を買った。
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