【郷土愛のアイスクリーム】
春ですね。
ぽかぽか陽気に誘われて、
まさか下着をはくのも忘れて
出かけたりしておられないでしょうか。
まさか全裸にトレンチコート一枚で
出かけたりしておられないでしょうか。
ここ淡路島も
色とりどりの花が咲き誇り、
うっかり気を取られて
田んぼに突っ込みかけながら
蛇行運転を繰り返す毎日でございます。
最近の私は、
本業の日本語教師の仕事と
観光大使の任務で休みなし。
忙しさにかまけて感性が鈍っております。
そんな折、
地元の方からあるアイスクリーム屋さんに
連れて行ってもらいました。
昔ながらの古民家が立ち並ぶ、海辺の町の一角。
地元民のみぞ知る、というような
ひっそりとした佇まい。
なんとそのお店には、
私が大大大好きな、レア味。
ヨーグルトアイスがあるでは
ありませんか…!!!!
私は任務中にもかかわらず
放課後の小学生と見間違われる勢いで
かぶりつきました。
なんとも爽やかな酸味。
春の風にぴったりの、軽やかな甘さ。
そして、
何やらオレンジ色のつぶつぶが…。
これには深いエピソードがありました。
実は淡路島には
「淡路島なるとオレンジ」という
淡路島オリジナルの品種があるのですが、
高齢化により生産者が減少。
そこで地元の同級生同士が話し合い、
自分たちの店で淡路島なるとオレンジを使った商品を提供しようじゃないかと。
自分たちにできる方法で生産者の存続を
支援しようじゃないかと。
感動しました…。
だって、究極の郷土愛じゃありませんか。
私ももちろん、
自分が生まれ育った熊本が大好きです。
20代前半でふるさとを離れ、
ことあるごとに熊本へ戻ろうとするのですが
なぜかいつも熊本から離れる運命に…。
ですから、
私は郷土のために力を尽くす人達を見ると
本当に心打たれます。
それはまるで
命をつないでいくように見えるのです。
鳴門オレンジを作り続けてきた農家の人たち。
数少ない、受け継ぐ人たち。
自分の利益だけでなく、
自分を育ててくれた土地や人を思い
その価値を後世に残していこうとする人たち。
その思いに賛同してくれる、
郷土愛で結ばれた仲間たち。
🍊
ヨーグルトアイスの中のオレンジ。
そこには、脈々と続いてきた
たくさんの人の思いが垣間見えたのです。
そして今私の周りにあるすべてのものに
同じように歴史があり、
命があると気づかせてくれます。