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経営者、トップマネジメントに必須の「思考力」を鍛えるにはどうしたらよいか

 「よく考えなさい」とアドバイスされることがある。しかし、特に若い時は、何をどう考えていいかわからない。「あいつ、頭切れるな」という人がいる。才能の差だ、とあきらめることもある。思考力を鍛えようとして、クリティカルシンキングや、ロジカルシンキングなどを勉強してみる。だが、それを通り一遍学んでも、「思考力」がついた気はしない。
 でも、「思考力」は人間の最強の武器になるというのは知っている。

 「思考力を鍛えるにはどうしたらいいのか」という疑問に簡単に答えてくれるものはない。枝葉末節のテクニックを扱った本しかない。そられは、あれだこれだと主張する。でも、頭に残らない。

 そこで、思考を鍛えるためにはどうしたらよいかを自分でまとめてみた。

 思考力はベンジャミン・ブルームの「教育目標の分類学」によると下記のように分類される。詳細はあまり面白くないので省く。

図4

「考えなさい」というのはどういう意味か
 「考えなさい」というのは、記憶、理解などの低次思考を当然完了させた上で、「自分なりに評価して、それを基に新たな案、説、物、表現を創造しなさい」ということである。分析結果を見せて、「こんなものが出たんですけど。以上」であっては決してならない。その分析結果を自分自身がどう「評価する」か、その評価結果をもとに何を「創造する」のか自分で導き出すまでが、「考える」である。
 その「創造したもの」が自分や相手の期待にそぐわないのであれば、向いてないとあきらめるか、思考力を鍛えて、より良いものを創造するしかない。

学校教育は低次思考力
 学校は、残念ながら思考力の強化には貢献しない。テストは主に記憶力を試すもの、せいぜい応用力止まり。大学ですら年に数回創造する程度。

お金を生み出すには「創造」が必要
 低次思考力の「分析」まででは他人には伝わらない。伝わらなければ一銭の価値もない。分析したことを、自分なりに「評価」、再構成し、「創造」までして、初めて人に伝わる「商品」となる。あるいは「資産」となる。
 経営者やトップマネジメントは、思考がものすごく速い。いわゆる「頭が切れる」人が多い。なぜなら、創造しては、世に問い、結果を分析し、評価し、すぐ次を創造する、というサイクルを高速で回し、思考の早さ、深さ、精度を上げているからだ。
 頭が切れるから経営者やトップマネジメントになっているのに加え、常人の何倍も思考しているからさらに深まり、一般人との差がますます開く。
 有名な芸能人、ブロガーやユーチューバーも、最初は粗削りでも、継続によって確実に洗練されているのがよくわかる。

「創造」しない限り、思考は深まらない
 読書、勉強などのインプットは、思考はごく低次元の「理解する」レベルにとどまる。それを「アウトプット」(創造)すれば、その途中過程の思考も磨かれる。
 例えば、思考法としてクリティカルシンキングを勉強しただけではほぼ意味がない。勉強したものをベースに、自分で問題を「発見」し、その解決方法を「創造」する作業を繰り返しやらないと、思考力は深まらない。
 つまり、思考力を鍛えるには、「創造せよ」の一点のみである。それ以外の方法論は、創造までの過程を補ってくれるものや、思考の切り口を与えてくれるものでしかない。
 思考深度は、この「創造」の深さと回数で決まる。

 世の中には、話がやたら長いが結論がなく、「で、何?」と問いかけたくなる人がよくいる。そういう人は分析までしかできていない人だ。がんばって「評価」まで出来たら、建設的な「創造」までもう一歩。「創造」している人の話は、やっぱり面白い。

 でも、分析止まりの残念な人は、「私は分析止まりだ。非建設的なことを言っている」なんてことは認識できない。認識してなかったら、なかなか直せない。
 そこで必要なのが「メタ認識的な知識」である。
 別のノートに続く。

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