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「メタ認知」は最強の基本スキル ~ノウハウからの脱却~

 絶対成功するノウハウはない。もちろん技術やノウハウも大事だが、ここでは世の中で生きていく基本とは何か、ということに焦点を当ててみたい。
 2,500年経ても、なお読み継がれている軍事戦略書「孫子」の中に、
 「敵を知り己を知れば百戦危うからず」
という言葉があり、「自分自身を知る」ということを重要視している。
 一流のトップアスリートや、成功した経営者は、そのスポーツやビジネスの環境、競合や、自分・自社を研究するのはもはや常識となっている。つまり、「敵」だけではなく「自分自身」を研究することによって、最速で成長する努力、あるいは最善の策を打つ努力を欠かさない。
 人間の認知にも同じように「自分の思考を知る」仕組みがあり、それを「メタ認知」という。

【メタ認知】
 自分の思考を1段高いところから客観視すること。

 例えば、他人に否定されて腹が立った時、「腹が立つ」というのは、感情に支配されている。
 メタ認知とは、「私は『私は腹が立っている』と思っている」と1段高いところから、自分を客観的に認知することである。


【メタ認知を強化するメリット】
「アウトプットの質が高まる。楽に生きられる。」

なぜなら、
① 感情をコントロールしやすくなる
自分の感情を客観視できれば、感情や行動をコントロールしやすい。

② コミュニケーション能力が上がる
相手の立場や行動に思いを巡らせ、相手に寄り添った言動ができるようになる。器が大きくなる。

③ 他の「能力」と呼ばれるすべて能力を上げることができる
自分に必要な能力を見極め、自分なりの最善・最速で身に付けられる。

【メタ認知を生かした例】
例1 腹が立った時
 他人に否定されて腹が立った時、100%感情に支配されると、感情に任せたまま反撃し、双方感情的になってエスカレートし、後々しこりを残すことがる。

 メタ認知的に「私は『私は腹が立っている』と思っている」と認知すると、頭に余白ができる。余白ができると選択の余地が広がる。
1. 反撃する
2. 冷静になるまで時間を置き、次の手を考える
3. 逃げる


例2 仕事で
 仕事で資料を作り終えると、「よしよし終わった」という安心感に支配される。

 メタ認知を発揮させると、「私は安心しているけど、本当に完成度は十分か」という思考もできる。その場合、「明日の朝、頭を冷やして再確認する」、「最終提出の前にレビューしてもらう」、「もう既に十分やったから問題ない」などの選択肢が生まれる。

 メタ認知を知らなくても、誰しも0.1秒ぐらいは、無意識と意識のはざまで「そのことは、気づきたくなかった」と思ったりする。「私が『気づくと面倒なことになるので、気づきたくないと思っている』と認知する」のもメタ認知。

 はからずしも、資料の受けが良くなかった場合、だれしも落ち込む。落ち込んでいる視野が狭い状態で、「あいつがわかってないんだ」と人のせいにすることや、藁にもすがる思いで、それっぽい安易な対策にすがる、というのはありがち。
 しかし、ここでもメタ認知的を生かすと、「落ち込んでいる」と分かった上で、「この資料の何が悪かったのか」「提出までに流れに改善することはないか」と分析的、網羅的に考える余地が生まる。

 創造をより洗練されるためにはメタ認知を生かすことが必要である。


【メタ認知の強化方法】
① 小さな「気付き」や「違和感」を大切にする。
誰しも、その瞬間は言葉に表せない「気付き」や「違和感」を感じることがある。なぜそのように感じたかを止まって言語化してみる。それがメタ認知を生かしていることになる

② 自分の気持ちを書き出してみる
書き出すと、一旦自分から離れて、「私がどう感じているか」を自動的にメタ認知できる。「ゼロ秒思考」で紹介されているA4の紙に書きだす方法が自由に書けてよい。ノートや日記でもいいが「ちゃんと書かなければならないプレッシャー感」が上がりやすい。

③ 発信する
その発信がどう受け止められたかを分析してみる。その分析の時に発揮されるのがメタ認知力。


【メタ認知を身に付けるための参考情報】

メタ認知とは? 意味、2つの鍛え方、ビジネスの具体例など
https://www.kaonavi.jp/dictionary/metacognition/

マコなり社長の紹介
・【社会人必須】ビジネスマン最強スキル「メタ認知力」を会得する
https://www.youtube.com/watch?v=AXBWHkZ7vjU&t=217s
・ゼロ秒思考 https://www.amazon.co.jp/dp/B00HQ6O7BO
・サーチ・インサイド・ユアセルフ https://www.amazon.co.jp/dp/B01ESTWPYC


【以下余談】
 メタ認知は、「一旦自分を切り離してみる」という、わかるようなわからないような認知方法でもある。しかし、その能力を測る方法や、身に付ける方法には、あいまいな部分が多い。だから、トップアスリートや経営者のメタ認知が高いかどうかは、たぶん誰も測ったことはない。
 しかし、発信されている情報やコミュニケーションを見ると、「この人はメタ認知力が高そうだ」と「感じる」ことができる。
 哲学も、この「私とは何か」と命題に取り組んでいる、まさにメタ的思考である。下記の本が格段に面白くわかりやすい。

飲茶 史上最強の哲学入門
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