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韓国語キッズレッスン

土曜日の夜。
あれやこれやと頭をフル回転させ
明日朝の韓国語授業の中身を考える。

生徒はヤンチャでワイルドな
5歳と3歳の姉弟コンビ。
ママが日本人、パパが在米韓国人で
家での主言語は日本語と英語。

子どもとのレッスンはさぞかし
ワイワイ楽しいだろう
と思われるのだけど、
経験上、未就学の子どもを
教えるのが世界で一番難しいと
私は思っている。

_____________
遡ること十数年前。
私が日本語教師として
初めて受け持った個人指導の
生徒が4歳の男の子だった。

パパは日本人、ママは台湾人で
イギリスから日本へ駐在に
来ているファミリーで、
家庭での共通語は英語、
幼稚園もインターとのことで
日本語指導の役割が新人の私に
回ってきたのだ。

4歳児を快く引き受ける先生が
私以外いなかったのだと
今となっては思う。

はて、4歳児との
一対一の授業、何しよう。
しかも自宅ではなく
大人用の個別指導室。

一番大きい部屋にしてもらっても
エネルギッシュな4歳には窮屈だったはず。

集中力も散漫なのでとにかく
遊びながら飽きさせないように
次から次へと課題を変え、日本語を
使ってもらう工夫をしたのを覚えている。

何より子どもも人間なので
教師との信頼関係が基本
だということも学んだ。

時にはホワイトボードに
壮大な落書きをしながら
(当時まだ建設中だったスカイツリーを
毎度描いた記憶がある)
時には狭い教室でかくれんぼをしながら
信頼を勝ち取るまで新米教師、頑張った。

私のアメリカ行きが決まり、
最後別れる前に、上野博物館まで
二人で記念遠足に行ったその子も
もう成人して立派なヤングマン。

私のこと、覚えてるかなあ。

______________
そんな昔を懐かしく思い出しながら
明日の授業の準備を進めていく。

授業は40分だが、10分に1回
タスクを変えるペースで授業構成を
考えなくてはいけない。

ツカミは歌、踊り、昔話(全てYouTube)
から始まり、次にドリル、パズルなどで
文字に慣れてもらう。ここまでで15-20分。

それからメインテーマに入るのだけど、
例えば体部位にまつわる単語がテーマだったら
”動物福笑い”を用意しておき、
目、鼻、口のパーツを貼りながら単語を導入する。
動物単語も導入できて一石二鳥なアクティビティ。

家族にまつわる単語だったら、
童謡「3匹のクマ」に合わせて
パパ、ママ、こどものクマを折り紙で
作りながら単語を覚えていく。

色がテーマ単語の場合なら、
5色の折り紙を使って貼り絵で”虹”を
作ってみたり。

アイデアは無限にありそうなキッズクラスだけど、
この発想過程が至極難しい。 

ちびっ子たちと同い年になったつもりで
色塗り、カルタ、ゲーム、ビンゴ
いろんな遊びをシュミレーションしてみる。

少しでも先生がモタつく空白ができると
レッスンの流れが乱れてしまうので
準備は周到にしないといけないのがキッズクラス。

「1分もあれば教室はたちまちカオスと化すのよ」
とは、元小学校教師のお隣さんから聞いた教訓。

何気に胸にグッさり刻んでいる。

でも、ここまでしてても失敗することはある。

色のレッスンで、アメリカのゲームTwister
をしたら子どもたちの手足が短すぎて
全然ゲームになりませんでした。

で、明日何しよう。 













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