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高田怜央 2nd GIG『ANAMNESIAC』

書籍情報

2nd GIG『ANAMNESIAC [アナムネージアック]』
詩・訳 高田怜央

寄稿: 伊藤潤一郎
デザイン: 相島大地
推薦文:柴田元幸、川野芽生

編集・発行人: 岡田翔
発行:paper company

サイズ:173x105mm
ページ数:70p
言語:英・日
発行日:2024年11月30日
仕様:セミハードカバー|オフセット印刷
ISBN:978-4-911463-17-8
価格:1,980円(税込)
限定 1200部

スコットランド育ちの詩人が贈る、日常と記憶をめぐる探究の結晶。第一詩集『SAPERE ROMANTIKA』に続き、著者自身による英日バイリンガル構成の11×2篇を収録。静謐さと軽やかさが共存する時空間に、永遠の余韻が吹き抜ける。映画『PERFECT DAYS』の翻訳を手掛けた高田怜央が、詩の歴史の新たな1ページをめくる。

推薦文

 しなやかさというたからもの、と、かつてある人がつかったことばを再利用させてもらうのが高田怜央の詩を形容するのに最適だと思う。知性と感性、という分け方がそもそも無意味になるような自在さで思いが泳ぎ、舞い、跳ぶ。在ることと無いこととのあいだでいとも自然に壁抜けがなされる。英語と日本語がどちらも原文でありどちらも訳文であるという、詩の歴史において類を見ない形式も、そうしたしなやかさの実演だからこそ意味がある。 

柴田元幸
翻訳家

 憶えていることと思い出すことは違って、憶えていないことでもわたしたちは思い出すことができる。思い出した瞬間に、生じる記憶。たぶん、言葉を持っているから。言葉がわたしたちの中に入ってきたとき、見たことも聞いたこともないものたちを大勢引き連れてきたから。言葉を使うたび、わたしたちは存在しない記憶を取り戻す。それでは、ふたつの言語で想起するとき、想起されるのは同じ記憶なのだろうか?

川野芽生
小説家・歌人・文学研究者

 時計が刻む時間とはまったく別の〈詩の時間〉は、英語と日本語の閾を往復することで鍛え上げられた詩人の身体から生み出されている。多言語を混ぜ合わせる身体のぬか床で漬けられた言葉から垣間見える時間――それはまさに「想起症」を患う者の時間である。(寄稿「風のひき算」より)

伊藤潤一郎
哲学者

目次

まえがき

 覚えてる? 初めて会ったときのこと。あれは死者の日の頃だった。それで過去の人たちだったり、遠くにいる人たちだったりが書いたものについて話をした。この街にいない人たちばかりだけど、私とあなたはそこにいた。それがうれしかった。なぜそんなに? だって、ある仕方ではきっと、みんなそろって集まっていたから。
 あなたが好きな詩人や、作家や、芸術家や、音楽家について教えてくれるとき、私にもその人たちが見える。耳をかたむけて続きをせがむ。するとひとり、またひとりと、やってきては加わる。幸せな記憶、誇らしい記憶、悲しい記憶、甘い記憶、苦い記憶の日々からひょっこりと顔を出しにくる。誰もがあなたを離さないで、ひとり部屋で穏やかに休んでいるときでさえずっと話しかけてくる。人はひとりきりにはなれない。ねえ、聞いてる?

「まえがき」

<収録詩>

  1. Before Time / 時の創られる前

  2. Slower than light / 光よりもスロウ

  3. Turtle / カメ

  4. Bedtime stories / 眠れぬ夜のゆえに

  5. For Paul’s Friend / ポールの友人に

  6. 5:22am / 午前5時22分

  7. Sometimes / ときおり

  8. AFTER YOU / あなたの跡

  9. love to hear you speak, / ラヴ・トゥ・ヒア・ユー・スピーク、

  10. A Ghost Ship / ゆうれい船

[ENCORE]
Peach: After "Between Walls" by William Carlos Williams
ピーチ:ウィリアム・カーロス・ウィリアムズ「壁のはざま」に寄せて

Sometimes

Sometimes I forget
but sometimes I know
that life’s not time’s fool,
nor the god’s,
because when we are
they’re not here,
I stop my breath and swear.

ときおり

ときおり 忘れ
ときおり 思い出す
命は時の愚者ではないと、
神にも触れられやしないと、
なぜって わたしたちがそろうと
やつらは不在、
息を止めて誓うよ。

初出:「A Ghost Ship / ゆうれい船」(「FUTURE AGENDA [未来の議題]」他 二篇『ユリイカ』2023年3月号 より)、「Bedtime stories / 眠れぬ夜のゆえに」(連載『記憶の天窓』SIDE TRACK by TWO VIRGINS より)、「AFTER YOU / あなたの跡」(読売新聞 2023/11/24・夕刊 )ほか、全篇書き下ろし

あとがき

<寄稿文>
「風のひき算」伊藤潤一郎(哲学者)

著者プロフィール

高田 怜央 Leo Elizabeth Takada
詩人・翻訳家。英国スコットランド育ち、上智大学文学部哲学科卒。バイリンガル詩作および日英双方向の翻訳を行う。著書に第一詩集『SAPERE ROMANTIKA』、写真家・遠藤祐輔との共著『KYOTO REMAINS』、作家・川野芽生とのZINE『黎明通信』など。翻訳にヴィム・ヴェンダース監督作『PERFECT DAYS』、CHANEL 2023/24 Cruise Collection『TOMORROW ELECTRIC』、田口犬男「エミリー・ディキンスンからの電話」(MONKEY 英語版 Vol.5)など。NY派詩の訳書を構想中。

寄稿者プロフィール

伊藤潤一郎 Junichiro Ito
1989年生、千葉県出身。哲学者。新潟県立大学国際地域学部講師。著書に、『ジャン゠リュック・ナンシーと不定の二人称』(人文書院、2022年)、『「誰でもよいあなた」へ――投壜通信』(講談社、2023年)。訳書に、ナンシー『あまりに人間的なウイルス――COVID-19の哲学』(勁草書房、2021年)、カトリーヌ・マラブー『泥棒!――アナキズムと哲学』(共訳、青土社、2024年)など。

特典

【特典】オリジナル栞つき(サイン入り)

予約販売

紀伊國屋書店ウェブストア
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本屋 B&B
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先行販売

\ありがとうございました/
【11/23(土)13:00】@電気湯(京成曳舟)

SentoSensations 2024: Presented by sankaku and Demsky
"SentoSessions #1: Big Trouble in Translating Japan" 出演:ポリー・バートン、高田怜央、フロレンティーナ・リャオ 司会:手嶋優紀

【11/28(木)-12/1(日)】@東京都現代美術館(清澄白河)
TOKYO ART BOOK FAIR 2024
ブース:DOOKS

フェア

【11/20(水)〜12/20(金)】@紀伊國屋書店ウェブストア
詩集『ANAMNESIAC』刊行記念 高田怜央 選書フェア「有限の間」

【12/5(木)〜12/10(火)】@Court Gallery KUNITACHI
「DOOKS Book Exhibition Vol.8」

11:00−18:00(最終日のみ16:00まで)
レセプション|12.7 Sat  16:00−

イベント

【12/8(日)18:00〜】@atelier arbor inversa(吉祥寺)
「altérité:sensibilia VI ― 無窮の縁にて―」
出演:狩野志歩、加藤雅也、静、高田怜央、渡邊ゆりひと

【1/8(水)】@東京
COMING SOON

【1/31(金)19:30〜】@本屋B&B
高田怜央 × 永井玲衣 朗読会「この詩がうれしい」

ポッドキャスト

詩集『ANAMNESIAC』批評誌『近代体操』2号 W刊行記念トーク@paper company Podcast
高田怜央 ✕ 武久真士 ✕ 松田樹「せめてこれだけ知るがいい」

詩集『ANAMNESIAC』刊行記念トーク
高田怜央 ✕ 伊藤潤一郎「そこになければないのか?」

音楽プレイリスト

"L. E. T 2nd GIG" for ANAMNESIAC

お取り扱い店リスト

12月上旬〜順次入荷
*入荷・在庫状況につきましては、各店にお問い合わせください。

<東京>
機械書房 (水道橋)【栞付き】
SUNNY BOY BOOKS(学芸大学)
三省堂書店 神保町本店 小川町仮店舗
書肆 海と夕焼(分倍河原)
twililight(三軒茶屋・西太子堂)【栞付き】
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paper company (岡田 翔)
kakeru.okada@gmail.com

他の書籍

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編集・発行人: 岡田翔
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英日対訳仕様
発行日:2023年11月30日

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高田怜央
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