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対話篇『KYOTO REMAINS』
書籍情報
対話篇『KYOTO REMAINS [キヨウトリメインズ]』
詩・訳:高田怜央
写真:遠藤祐輔
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寄稿:来馬哲平
デザイン:相島大地
協力:伊藤潤一郎、川野芽生、森脇透青、横田祐美子
編集・発行人:岡田翔
発行:paper company
サイズ:210x148mm(A5)
ページ数:208p
言語:英・日
発行日:2023年11月30日
仕様:ソフトカバー|モノクロ オフセット印刷|PUR製本
価格:1,980円(税込)
限定 800部
書籍内容
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異質なもの同士の「あいだ」の差異に誘惑された詩人が、感傷による潤色を拒むこれらの写真ととり結ぶ、距離を介した「対話篇」。
寄稿 "「誰か」としてのあなたのそばでKYOTOを辿りなおしたあと" より
詩人・高田怜央と写真家・遠藤祐輔による、イメージとテクストの対話。本作では、京都の街を舞台に撮影と詩作が同時進行で行われました。ストリートスナップの通り過ぎていくモノクロの街並みと、そこから生まれるバイリンガルの叙情詩(リリック)のコラボレーション作品です。
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Look up
Here comes
an eternity,
falling juxtaposed
and fractured
It’s called an articulation
where the relation
is born.
見上げて
すると
永遠がやってくる、
堕ちて 並んで
骨折してる
関節だよ
関係性が
生まれるところ。
目次
SCENE 1 Which dreamed it? 夢をみていたのはどっち?
SCENE 2 Wings of Desire 欲望の翼
SCENE 3 Blank verse 白拍子
SCENE 4 Stranger In Paradise 楽園の他者
SCENE 5 Lucifer Rising ルシフェルの被昇天
SCENE 6 Dead Don't Die お前はもう死んでいる
SCENE 7 Emptiness 無
SCENE 8 Le Fabuleux Destin 素晴らしき宿命
SCENE 9 Until the Day We Meet Again また逢ふ日まで
<寄稿文>
来馬哲平 "「誰か」としてのあなたのそばでKYOTOを辿りなおしたあと"
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著者メッセージ
言葉と写真の欲望の差異を、なしくずしに妥協させないことが、私たちの出発点だったかもしれない。
遠藤祐輔と私は、互いをよく知る仲ではないから、私たちは前もって各々の目論見についてポツポツと遠くから語り合っていた。そこで、月末に京都を訪れたら河原院の旧跡に行ってみたい、と告げると、彼は翌日にはもう出かけて撮影を済ませてきた。私が(一緒に)行きたい、と伝えたにもかかわらず。けれども、その足取りの軽やかさと、贈られてきたまなざしの軌跡に触れると、もうなにも言えないのである。彼は私ではなく、私は彼ではない。時間は複数流れ、過ぎた断片だけが飛び交う。タモ網で星をすくうようにどれも捕まえたい。こうなると詩人は止まらない。生まれたての欲望の果てに自己−他者の亡霊的な関係を見出すとき、現実はすでにひそやかな物語を奏でている。忍び足で、まるで映画の始まりのように。
高田怜央
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著者プロフィール
高田 怜央 Leo Elizabeth Takada
詩人・翻訳家。英国スコットランド育ち、上智大学文学部哲学科卒。バイリンガル詩作および日英双方向の翻訳を行う。著書に第一詩集『SAPERE ROMANTIKA』、共著『KYOTO REMAINS』、第二詩集『ANAMNESIAC』など。翻訳にヴィム・ヴェンダース監督作『PERFECT DAYS』、サウンドウォーク・コレクティヴ&パティ・スミス「コレスポンデンス」、CHANEL 2023/24 Cruise Collection『TOMORROW ELECTRIC』、文芸誌『MONKEY 英語版』寄稿など。初のエッセイ集刊行予定。
遠藤 祐輔 Yusuke Endo
写真家。1985年宮城県仙台市生まれ。東京芸術大学美術学部先端芸術表現科卒業。大阪大学言語文化研究科博士前期課程修了。現在、大阪大学人文学研究科博士後期課程在籍中。2016年、「第15 回写真 1_WALL」ファイナリスト。2019年、「写真新世紀 2019」優秀賞受賞。個展に「目に置いていかれないように」(ニコンサロン/東京・大阪、2018)、「Post Decisive Moment」(IG Photo Gallery/東京、2021)、写真集に『幽霊の証言』(DOOKS)、『長井さんの話』(DOOKS)、『時間という概念がないところ、絵画と写真のように惹かれ合うけれど、光は境界線を漂うだけ』(DOOKS)、『Post Decisive Moment』(paper company)がある。
寄稿者プロフィール
来馬 哲平 Teppei Kuruma
青山学院大学文学部准教授。専門領域は20世紀アメリカ詩。早稲田大学文学研究科英文学専修博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。
連続トーク企画
対話篇『KYOTO REMAINS』刊行記念 連続トーク企画「DIALOGUE: KYOTO REMAINS」
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哲学、文芸、現代美術のシーンで活躍するゲストをひとりずつ招き、「『KYOTO REMAINS』とは何なのか?」を高田怜央とのざっくばらんな対話を通して探っていくポッドキャストシリーズ。
Dialogue 1:伊藤潤一郎(哲学者)
『ジャン゠リュック・ナンシーと不定の二人称』(人文書院)、『「誰でもよいあなた」へ——投壜通信』(講談社)など 著
Dialogue 2:森脇透青(哲学研究者・批評家)
批評系同人誌『近代体操』主催、『ジャック·デリダ「差延」を読む』(読書人)共著 など
Dialogue 3:横田祐美子(哲学者・エッセイスト)
『脱ぎ去りの思考――バタイユにおける思考のエロティシズム』(人文書院)著、シモーヌ・ド・ボーヴォワール『決定版 第二の性 Ⅱ 体験(下)』(河出書房新社)解説 など
これからの出演者(あいうえお順、敬称略):
川野芽生|歌人・小説家・比較文学研究者
第一歌集『Lilith』(書肆侃侃房)、小説『Blue』(集英社)など 著
<最終回>
遠藤祐輔|写真家
先行販売
\ありがとうございました/【11/23(木)-26(日)】@東京都現代美術館(清澄白河)
TOKYO ART BOOKFAIR 2023
ブース:DOOKS
ブックサイニング:11/25(土)17:00-19:00 高田怜央
書店フェア
\ありがとうございました/@代官山蔦屋書店
【12/1(金)-1/6(土)】
対話篇『KYOTO REMAINS』刊行記念フェア「花は散らで残りしなり」
共催・協力:キヤノン株式会社、paper company
本書が「対話篇」である、とは一体どういうことか。まず、詩人・高田怜央と写真家・遠藤祐輔が「キヨウト」という場で繰り広げる対話である。さらに、一人の詩人/翻訳者による英語と日本語の対話でもある。そのような言葉の行き交いに導かれて、読者は「キヨウト」を旅することになる。過去のさまざまな蓄積を参照する詩と、街のさまざまな現在を捉えたスナップの交錯。それは無限に広がる意味の豊かさを切り開くとともに、常に不確定な状態に身を置かせる。これをひとつの「物語」として編み直し、その意味を決定していく行為はページをめくる手の主が担うことになる。そのような仕方で、本書は読者に「対話」を仕掛ける。
例えば、私はこれを「時間論」として読む。過去−生命−永遠の関係性をめぐる思索の旅。しかし、これを「創作論」と読むことも、「翻訳論」と読むことも、「非凡な心理的京都ガイド」と読むこともできるだろう。いずれにせよ、それは読者に委ねられ、いくつもの正解が生まれる。これは、いくつもの対話を誘発する装置であり、アートブック形式で書かれた人文書である。
音楽プレイリスト
"KYOTO STILL REMAINS" for 花は散らで残りしなり by DAIKANYAMA TSUTAYA BOOKS
ポッドキャスト
#148 アートブック形式の人文書。高田怜央(詩・訳)、遠藤祐輔(写真)(paper company)@DAIKANYAMA Book Track ー代官山ブックトラックー by 代官山 蔦屋書店
古代ギリシャの哲学は、詩あるいは対話篇と呼ばれる戯曲の形式で記されました。京都の街を移動しながら展開される詩と写真の哲学的な対話は、歴史、永遠、現在をめぐる思考へと読者を誘います。
お取り扱い店さまリスト
*入荷・在庫状況につきましては、各店にお問い合わせください。
【東京】
SPBS本店(渋谷・代々木上原)
機械書房(水道橋)【特典】
霧とリボン(吉祥寺)【サイン本】[売切]
金柑画廊(目黒・祐天寺)
三省堂書店 神保町本店 [小川町仮店舗](小川町・神保町・御茶ノ水)
七月堂(豪徳寺)
書肆 海と夕焼け(分倍河原)
代官山 蔦屋書店【特典・サイン本】
twililight(三軒茶屋・西太子堂)
本屋 B&B(下北沢・世田谷代田)
BOOKSHOP TRAVELLER(祖師谷大蔵)
【岩手】
BOOKNERD(盛岡)
【宮城】
曲線(仙台)
【長野】
栞日(松本)
【埼玉】
つまづく本屋 ホォル(霞ヶ関・的場)【特典】
【京都】
恵文社一乗寺店【特典】
CAVA BOOKS(出町柳)【特典】
【奈良】
奈良蔦屋書店
【オンライン】
Staghorn Records【特典】
DOOKS
paper company【特典】
ビーナイスの本屋さん【サイン本】
【特典付き書籍:L判プリント1枚ランダム封入】
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他の書籍
第一詩集 『SAPERE ROMANTIKA』
詩・訳 高田怜央
寄稿: 来馬哲平、 横田祐美子
デザイン: 相島大地
推薦文: 永井玲衣、 山本浩貴
編集・発行人: 岡田翔
発行:paper company
英日対訳仕様
発行日:2023年8月1日
写真集『Post Decisive Moment』
著 遠藤祐輔
寄稿:倉石信乃、岡田翔
翻訳:孫沛艾
デザイン:相島大地
編集・発行人:岡田翔
発行:paper company
ご連絡先
書籍のお取り扱いにつきましては、件名を「書籍の取り扱いに関して」とご記入のうえ、版元 paper company の編集人までご連絡ください。
paper company (岡田 翔)
kakeru.okada@gmail.com
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