講座【簿記】:7.手形の処理
手形の処理は、日常生活における「信用取引」や「借用書」のイメージで考えるとわかりやすくなります。約束手形や受取手形・支払手形は、ビジネスの中で「後払い」「将来の支払い」の約束を管理するための仕組みです。
「支払手形で負債増、受取手形で資産増」
「期日に現金と入れ替え、仕訳もスムーズ」
♦生活に例える手形の処理
約束手形
生活例:友人に「来月までにお金を返す」と約束し、その約束を書面で残したもの。
簿記の視点:この書面が「約束手形」に該当し、期日までに支払う義務が発生する。
支払手形(負債勘定)
生活例:電化製品を後払いで購入し、「いつまでにお金を払います」と約束した状態。
簿記の視点:企業が他社に対して支払う義務を負う負債として記録。
受取手形(資産勘定)
生活例:友人から「お金を借りた。来月返す」と約束された状態。
簿記の視点:企業が他社から将来受け取るお金を資産として記録。
♦【丸暗記】約束手形に関する暗記項目
約束手形の定義
解説:発行者が「特定の日までに金額を支払う」ことを約束した書面。
キーワード:支払期日、金額の確定。
約束手形の特徴
解説:手形は信用取引の一環で、支払日までに現金化される。
キーワード:信用取引。
♦【丸暗記】支払手形に関する暗記項目
支払手形の意味
解説:企業が支払いの約束を記した手形。負債勘定に記録する。
キーワード:負債、支払いの義務。
支払手形の仕訳
解説:手形を発行したとき、「仕入(借方)」と「支払手形(貸方)」で記録。
キーワード:借方=費用、貸方=負債。
支払期日の処理
解説:支払期日に現金で支払う。「支払手形(借方)」と「現金(貸方)」で処理。
キーワード:期日、現金支払い。
♦【丸暗記】受取手形に関する暗記項目
受取手形の意味
解説:他社から受け取った「将来受け取る約束」が記された手形。資産勘定に記録する。
キーワード:資産、将来の収入。
受取手形の仕訳
解説:商品を販売して手形を受け取ったとき、「受取手形(借方)」と「売上(貸方)」で記録。
キーワード:借方=資産、貸方=収益。
期日到来時の処理
解説:手形の期日に現金を受け取る。「現金(借方)」と「受取手形(貸方)」で処理。
キーワード:期日、現金受取。
♦【丸暗記】共通の暗記項目
手形の記載事項
解説:手形には金額、支払期日、受取人、発行者などが記載される。
キーワード:金額、期日、発行者。
手形のメリットとデメリット
解説:手形は支払いの柔軟性があるが、発行者の信用リスクが伴う。
キーワード:信用リスク。
【キーワード】
発行時の仕訳
支払手形:借方「仕入」、貸方「支払手形」。
受取手形:借方「受取手形」、貸方「売上」。
期日到来時の仕訳
支払手形:借方「支払手形」、貸方「現金」。
受取手形:借方「現金」、貸方「受取手形」。
手形の種類
約束手形:金額と期日を記載した書面。
為替手形:第三者を介して支払いを行う書面(簿記3級では約束手形が中心)。
手形割引
手形を期日前に銀行で現金化すること。資産の減少として記録。
不渡り
手形が支払われなかった場合の処理。「貸倒引当金」や「損失」として記録。