講座【簿記】10.商品売買の仕訳
商品売買の仕訳は、日常生活で「買い物」と「売り物」の記録と考えるとわかりやすいです。
仕入時
スーパーやオンラインショップで商品を仕入れる際、支払ったお金(現金やクレジット)や、後払い(買掛金)の記録に例えられます。売上時
フリーマーケットやネット販売で商品を販売したとき、得た収益(現金や売掛金)の記録です。返品時
商品を返したとき、購入金額を調整する仕訳に似ています。お店に返品して代金を返金してもらう行動に該当します。
♦【丸暗記】しておくべき10項目と解説
1. 商品の仕入時の仕訳
借方:仕入
貸方:現金または買掛金
解説:商品を仕入れた際、仕入勘定(費用)が増え、支払い手段に応じた現金や買掛金が減少します。
2. 商品の売上時の仕訳
借方:売掛金または現金
貸方:売上
解説:商品を販売した際、売上勘定(収益)が増え、現金か売掛金(資産)が増加します。
3. 売上返品の仕訳
借方:売上返品
貸方:売掛金または現金
解説:売上返品勘定を使って、収益を減らし、返金や売掛金の減少を記録します。
4. 仕入返品の仕訳
借方:買掛金または現金
貸方:仕入返品
解説:仕入返品勘定を使って、費用を減らし、買掛金や現金の増加を記録します。
5. 仕入割引の仕訳
借方:買掛金
貸方:仕入割引
解説:仕入先から値引きがあった場合、割引額を記録します。仕入割引は収益として扱われます。
6. 売上割引の仕訳
借方:売上割引
貸方:売掛金
解説:早期支払いやその他の理由で顧客に値引きを提供した場合、売上割引(費用)を記録します。
7. 商品の引渡条件による処理
解説:
出荷時点での売上計上:FOB出荷条件。
到着時点での売上計上:FOB仕向地条件。
重要性:試験では出荷条件により売上計上タイミングを問われることがあります。
8. 商品売買に伴う付随費用の処理
解説:仕入時の運送料や保険料は、仕入勘定に含める。
キーワード:仕入原価の一部として計上。
9. 売掛金の回収時の仕訳
借方:現金
貸方:売掛金
解説:顧客が商品代金を支払った場合、現金が増え、売掛金(資産)が減少します。
10. 買掛金の支払時の仕訳
借方:買掛金
貸方:現金
解説:仕入先に代金を支払った場合、買掛金(負債)が減り、現金が減少します。
【キーワード】
仕入・売上勘定の基本仕訳
「仕入=費用」「売上=収益」の基本関係を理解。
返品処理に注意
売上返品は収益の減少、仕入返品は費用の減少。
割引処理は別勘定で記録
仕入割引=収益、売上割引=費用。
試験頻出のタイミング問題
FOB出荷条件、FOB仕向地条件で売上計上時点が変わる。
付随費用は仕入原価に含める
運賃や保険料は仕入勘定に加算。
売掛金の管理
顧客への代金請求(売掛金)とその回収を正確に記録。
買掛金の管理
仕入先への支払義務(買掛金)とその精算を記録。
現金過不足との関連
売上・仕入金額が現金の記録と一致しない場合、過不足勘定を確認。
複式簿記のルールを徹底
借方(増加)と貸方(減少)を正確に記録。
損益計算書とのリンク
売上高・売上原価(仕入)を用いて粗利益を計算。