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【#003】ブラック企業撲滅宣言。  DXに役立つフレームワークその①

こんにちは! 自立支援型コンサル集団「ELIMU IT SUPPORT」です。前回は「後悔しないDX実現に必要な力」についてお話ししましたが、なんだか中途半端に終わってしまい…。今回は、その力が実践的に身に着くフレームワークについて、お話していきたいと思います。


前回のふりかえり:後悔しないDX実現に必要な力

  • 目的を明確にする力

  • 業務を棚卸する力

  • 適切なツールを選ぶ力

  • 教え広めていく力

  • フィードバックを集める力

  • 改善点を発見する力

これらの力が身につくメソッドはたくさんありますが、今回はそのひとつ「As-Is / To-Be」(アズイズ・トゥ・ビー)というフレームワークについてご紹介します。

「As-Is / To-Be」って何?

今の状態(As-Is)と理想の状態(To-Be)から生じたギャップを、具体的なアクションプランの実行で理想に近づけていく手法です。DXを進める際にも使われており、大きく3つのステップから成り立っています。

STEP1 現状(As-Is)を理解する

業務の実情ってきちんと把握できていますか? 特段の問題が起きていなくても、改めて見直してみると、案外非効率な部分が見つかるものです。

例えば、機械の性能よりも低いレベルで製造を続けていたり、一人でできる作業を複数人で行っていたり。それをバッファとして見ているのか、単なる冗長を放置しているのか、まずは見極めることが重要です。

現状を知ることが、真のボトルネックや問題点の洗い出しの第一歩となります。製造ラインの稼働率や品質管理のデータを集め、各工程の実情を把握することで、改善できそうな部分を見つけていきます。

STEP2 理想(To-Be)を明確にする

理想的とはどんな状態のことでしょう? 製造業の場合なら、部品の供給がスムーズ。無駄な時間はない。納期も守られている。だから高品質な製品が生まれている状態。といったところでしょうか。

このSTEPでは、一番理想的な状態に、具体的な数値(例えば、1時間に何個生産できるとか、利益率は何%だとか…)を加えた上で、現状と対となるようにまとめていきましょう。ここをしっかりと形にしておくことで、自動化やAI技術がどう役立つかも見えてきます。

もちろん、すべての理想が一度に実現できるわけではありません。しかし、理想を掲げておくことはとても重要です。将来の目標として全社員への指針となります。

STEP3 ギャップを特定してアクションする

理想と現実のギャップを明らかにした上で、ギャップが埋まる手立てを考えて実行していきます。現場の声をきちんと受け止めておくことが肝要です。

3-1.ギャップの特定と順位づけ
理想と現実のギャップに注目して、何が問題となっているのか特定します。次に、どのギャップを優先的に解消すべきか順位をつけて整理します。

3-2.アクションプランの策定
優先順位に基づいて具体的な解決目標を定めます。KPI(重要業績評価指標)を設定した上で、達成すべきものから時系列に整理していきましょう。ポイントは、誰が、いつ、どのように取り組むかを明確にしておくことです。

3-3.適切なツールと技術の導入
外部専門家の意見を参考にギャップが埋まるDXツールやAIを導入します。鍵となるのは、導入前に社員へ周知徹底の上、機器のマニュアル作成や講習を行っておくことです。ツール導入後の運用が段違いに円滑になります。

3-4.定期的なモニタリングと評価
KPIに基づいて導入後の状況を定期的に評価していきましょう。レビュー会議で状況を共有し合うことで、問題が生じた場合でも迅速に修正できます。


成功事例

「As-Is / To-Be」を活用してDX化を進めたことで、生産性の向上と人材の有効活用を両立した好事例をご紹介します。

酒造メーカーA社は、製造プロセスのDX化において「As-Is / To-Be」に基づいてプロジェクトを実行。全体のプロセスを「理想」と「現実」に分けて分析、瓶詰め工程でのギャップが大きいことが浮き彫りになりました。

この工程は、瓶の洗浄から充填、キャッピング、ラベル貼付までを含んでおり、キャッピングからラベル貼付の間に人による運搬作業があります。時間あたりの生産量は、経営的な理想は2,500本でしたが、2,000本が限界。しかし現場の声をよく聞いてみたところ、洗浄機と充填機は簡単な工夫で2,800本まで対応できることが判明しました。

そこで、生産性向上のボトルネックとなる人力運搬を自動化する装置の調査を開始。キャッピングとラベル貼付を同時に行える自動化技術があることが分かり、テスト運用したところ良好だったため、正式に導入となりました。

工程統合により生産性は20%向上。時間あたり生産量は2,400本となり、理想に近づける結果となりました。省人化による人材の最適化が図れたのも大きなメリットになったということです。今後は、時間あたり3,000本の生産を目指し、さらなるDX化を進めていく計画とのことです。


「As-Is / To-Be」は、初心者でも取り組みやすい手法です。業務改善だけでなく、人材教育の一環として社員のモチベーションUPに活用してみるのもよいかもしれません…ということで今回はここまで。次回をお楽しみに。


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