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無料添削デザインスクール #322「有機野菜ジュースバナー」


お題

添削

有機野菜ジュースのバナーですね。
ビタミンカラーがきれいですね。

■デザインの前に情報整理

全体の雰囲気はきれいな色合いでいいのですが、内容の選定や大きく見せるものがイマイチなのでパッとしないように見えます。
デザインに入る前に情報整理をして、どれを大きく見せるのかを決めてからデザインに入ると迷いも少なくデザインに集中できます。

キャッチコピーの話になってしまいますが…
今回のターゲットが30代の女性で子供でも飲めるということでママさんというのが分かってきます。
さらにここを想像で膨らませて「仮定」を作っていきます。
天才の人はこれをナチュラルに頭の中でやりますが、私は凡人なのでテキストなどで起こしておくと後で見返せるので便利です。

30代のママさんがターゲットですが、課題の文言選択を見ると、飲んでもらいたいのは子供というのが想像できます。
最近の野菜ジュースは美味しいのも増えていますが、野菜ジュースを好んで飲む子供というのは少ない。
子供には美味しくないから。

ということは、「おいしい」「飲みやすい」「ごくごく飲める」を強調しないといけません。

現状だと「有機野菜ジュース」が大きく出ていますが、これはキャッチコピーの基礎では「ファクト(機能そのもの)」です。
簡単に言えば、知っている情報をあえて出しているだけなので効果が薄いです。
この世に初めて出るものだったらいいのですが、野菜ジュースはレッドオーシャンでもあるので、そこであえて「野菜ジュース」と言っても興味は引きません。
・レールの上を走る箱の乗り物 = 電車
・自分で運転してどこにでも行ける = 車
・待っていると来る大きな乗り物 = バス

知っていることをちょっと言い方変えて言っても興味は湧かないものです。

サイズ的にはこのくらい差をつけてもいいです。

下の3つの文言ですが、そもそもが小さいのですが、内容も見て選定しましょう。

・常温で保存できる
これはバナーで言うほどでもないので、公式サイトの特徴のひとつにでも書いておけばいい重要ではない情報です。
日本の商品は優秀なので情報で保存できないジュースの方が珍しいです。

・賞味期限60日
これはどちらかというとネガティブな情報にもなるので、あえて商品を下げる必要はないです。

逆に常温保存できなくて賞味期限が7日とかだったら、超新鮮とかでブランド化したりはできます。
バナーには普通の情報は載せないことが多いです。

・10種類の野菜使用
この中ではこれは有効です。十六茶的な内容が充実している感が出せます。
ただ、そこまで羅列する必要もないかと思います。
多くの種類が入っている野菜ジュースも多いので。

タイトルのところにでも入れておきましょう。

あとは価格表記です。
あまり特徴がない商品ではあるので内容がちょっと薄いですが…
価格表記はどれも似たバナーが多いです。

似たバナーは作りたくない!斬新なのがいい!
と思いますが、商業活動で利用するデザインは、似ているということは効果が出やすいということです。
通販系はみんな一緒で、変える必要がそんなにないので似ています。

よくあるレイアウトにするとこんな感じになるのではないでしょうか。

基礎的なものを固めたら、ちょっとスペースが空いています。
ここに画像を入れてもいいのですが、余裕がある時は、もうちょっと目立たせたい文言などを入れてあげます。

最初に入れていた「おいしい」が抜けていたので、ここで入れてみたり。
ただ「おいしい」だけだと普通なので、なんでおいしさが必要なのかを考えると、毎日飲めるから、健康のために子供に毎日飲んでもらいたいママさんの気持ちが出てきます。
もっと言うなら「野菜だけの甘味」「人口甘味料未使用」とか、健康オタクが好きそうな文言を入れてあげると効果的です。

まとめ

ほぼキャッチコピーと文言整理になってしまいましたが、論理的に情報を整理していくとどれをどう見せるかが決まってきます。
見た目を作るデザインの中でどれを大きくするか決めるのではなくて、デザインの前に決めます。

デザインは表面の見た目だけなので、中身がダメだと全部だめになります。
文言整理をしてから作ってみてください。

デザインの方向性はしっかりと出せているので、文言整理をして、どれを大きくするかが決まればきっと作れるはずです。
迷いながら作るとどれも小さくなってインパクトが少ないデザインになります。

「仮定(クリエイティブ)」を決めて、それに向けてまっすぐ作るとブレのない、迷うことも少なく作れます。

修正

修正して頂いたので、こちらも添削させて頂きます。

■ロゴの扱い

他の添削でも書いていますが、ロゴは企業にとってとても大切なものです。
雑に扱うだけでクビになることもあります。
ロゴの扱い方はレギュレーションがあることがほとんどなので、参考までに「ロゴ レギュレーション」で検索してみてください。

・背景画像で見にくい
・加工する
・デザイン要素と近い
・上に被っている
・変形している

これらは基本禁止です。
あまり下に置くことも少ないので、上に余裕がある時は右上か左上に置くのが一般的です。

■詰め

ロゴを上にすると下にずらせてより上にスペースが生まれてスッキリするはずです。
バナーは狭いのでデッドスペースはできるだけ埋めていきましょう。

金額周りの文字詰め、最後の詰め、ブラッシュアップ、言い方は色々ありますが、そこが甘いように見えます。

文字間などはできるだけ合わせてあげるとまとまりが出ます。

ざっくりと行間とか大体合わせて置くだけでもまとまって見えます。
「通常価格」はそこまで強調しなくてもいいので、元の価格が分かればいいので小さくてもいいです。

バナーはWebサイトなどと違ってフォントの制限などがないので、数字だけ英字にしたり、文字の太さを変えたりと色々やってしまって大丈夫です。
「初回限定」は法律が変わって目立たせないとダメになったので目立つように入れたりしています。

最後の納品レベルに持っていくまでには、こういう細かい調整をひたすら繰り返します。

■タイトル

全体的にビタミンカラーで元気な雰囲気に対してタイトルが硬いので雰囲気に合ったデザインにしてあげるといいです。
「文字で遊ぶ」「フォントで遊ぶ」とか人によって色々言い方はありますが、入れ込む文言が決まったら全力でデザインをすると言う意味合いです。

タイトル周りだけでロゴっぽくするくらいの力量でやってもいいです。
フォントを変えるだけでも印象は変わります。
文字サイズや文字の置き方など、できることは無限なので、今回のテーマにあった感じでデザインをしてあげるといいです。

ちょっとフォント変えて変形するだけでもそれっぽく見えます。
背景に丸を置いていますが、できるだけ文字だけでデザインしてあげると扱いやすいです。

■メイン

上段でキャッチコピーの基礎の話をしましたが、これはデザインでも一緒です。
「ファクト(機能そのもの)」を見せただけだと人は動きません。
ジュースの画像を見せられても…という感じです。

大手広告会社に入社した新入社員がやる課題というのがあり、そこで広告で一番やってはいけない例として学ぶことがあります。

「カリフォルニア産オレンジ100%のジュースの広告を作れ」

一般的に思いつくのが…

・カリフォルニアの大地
・さんさんと降り注ぐ太陽
・カリフォルニアの人
・注がれるオレンジジュース

ありそうですよね…
これ全部ダメなんです。

またキャッチコピーの基礎に戻りますが、これ全部「ファクト(機能そのもの)」なんですよ。
この世に100%オレンジジュースがなかった時代にはこれでもよくて、そのころのイメージが今でも潜在意識に刷り込まれているのかと思います。
今は野菜ジュースは多種多様なので通用しません。

それでもファクトでCMなどを作っている人がいるのも驚きです。
炎上が怖くてとがった広告が作れないというのもありますが。

キャッチとキービジュアルはセットとして考えると伝わりやすいです。

「キャッチの後にはすぐに答えを置く」

「こどもでもゴクゴク飲める!」

飲んだらどうなるの?

「ジュースを飲んで健康的な笑顔になっている子供」

こういう構図で作ると分かりやすくなります。
その他に「血糖値を〇%下げる」「〇%が実感」とかデータや数値があればそれを入れるのもいいです。

人はキャッチを出されると「なんで?」と思う生き物なので、すぐに答えを出してあげるとスッキリして興味を持ちます。

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