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LIVE@台北:不信と差別と利己主義を盾に、疫病と闘う地から

大それたタイトルだが、内容は日記みたいなもので申し訳ない。夜八時頃、管理会社のお姉さんがマンション住民による管理委員会のメッセージを持って交渉してきた。

超訳すると「甥っ子さん二人がマンションに出入りしたのを見かけた人がいる。東京から帰ってきたのだろう。新型コロナウイルスを持ち込んできたら危ないので、どこかで自主隔離をして、マンションには来ないでほしい」との要請。原文はかなりやんわりだが、ちょっと悪意を込めた翻訳。が、まあ意味そんなもん。

東京から帰ってきたとは言え、隔離対象と指定されたわけではないし、自主健康管理もしている。そもそも大半の時間は実家にいて、週末でここへ二泊しただけだ。今日はもういない——見かけたって、1940年代のドイツかよ。

でも顔出さず、管理会社のお姉さんにこんな交渉を持ち込ませる管理委員、すなわちお隣さんたちもいかがなものか。とりあえず自宅隔離の場合は通知書が来るものはずだ、里長(保正)か警察に通知書を持たせてきてから話そうと、お姉さんに伝えるのをお願いした。

母と同居していないと「今から管理委員長のお宅へ一緒に行こう」と言うけど、母に止められたからやめた。甥っ子たちが週末で来るのも、母のためだから。それが何か揉め事に発展したら、母の性格だと凹むのだろう。

台湾の防疫の成果はこの頃、かなり褒め立てられているけど、根底は一人ひとり未知の病に対する恐怖心を異様に煽いで、不信と差別と利己主義がぎりぎりまで容認(奨励)されるのを土台にした上で築いたものだ。正直、新型コロナウイルスの発生状況について、政府には中央集権的に情報統制されているから、個人的にはいわゆる「防疫の成果」を鵜呑みしないとしている。

とは言え、対策を全否定するわけでもない。早期発見に早期対策、感染の拡大を抑え込むのに、他国と比べるとだいぶ成功しているほうだと思う。ただパニックもマスクとトイレットペーパー品薄騒ぎも一通りあるし、マスクの徴収配給も数字を見ると怪しいところが多々。そして飲食店やチェーンストアが三月に入ってすぐバタンバタン閉店してゆくのや、こうやって隣里関係さえ疑心暗鬼になるのを見て、そんなに褒められるものでもないと思うだけだ。

当面は新型コロナウイルス、この得体の知れない疫病で死ぬ人こそ少ないかもしれないが、のちに練炭や首吊りなどわかりやすい方法で死ぬ人のほうが多くなる気がしてならない。

同情するなら金をくr……あ。いいえ、なんでもないです。ごめんなさいご随意にどうぞ。ありがとうございます。