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全面的にPCR検査で感染者数が急増。渡航禁止などの不利益を被る同時、韓国は何をどう狙うのか

三年ぶりに孫正義氏のTwitterアカウントが動いて、初っ端から重大発表。

そうしたらリプライ欄で「やめて」との阿鼻叫喚が(一部)

FireShot Capture 057 - 孫正義 在 Twitter 上:_新型コロナウイルスに不安のある方々に、簡易PCR検査の機会を無償で提供したい。まずは100万人分。申込方_ - twitter.com

2時間も似たようなリプライが延々と続いて、ノリノリの孫さんもひるむ。

リプライでは「全面的に検査を行った韓国とイタリアは医療崩壊」が度々出てくる。確かにイタリアは大変な状況になっているが、国柄でそれぞれ違う事情があるので、日本もそうなるがどうかはわからない——いや、なるような気がする。でも医療崩壊よりも、疑心暗鬼になってイジメが横行し、差別で人を死に追い込むような感じになるかも。感染による死亡数よりも、『感染列島』での光石研さんが扮した養鶏場のお父さんのような死者の割合が高いかも。

しかし「全面的な検査は医療崩壊につながる」で韓国の状況を形容するのが、どこか違和感を覚えてしっくりこない。

Twitterで韓国の新型コロナウイルス感染症の発生状況データを毎日上げ続けるKanayama Koheiさんが提供してきた最新記録によると、3月11日0時付けでもう22万人以上を検査診断し、陽性反応が出たのが7700人超えた。

たいていの人は一見「かわいそうに、感染された人がこんなにいるなんておそろしい」と思うかもしれないが、自分は逆に「どうやって毎日数千から1万件以上の検査ができるのだろう」と不思議でならない。

それとこれほどのサンプルが揃うのなら、中国を除いて、検査器材の改良に診断キットやワクチンの開発、および治療法の確立について、現在の韓国と肩を並べられる国はない……少なくともすぐにどの国にも無理だろう。確実にビジネスチャンスに繋げるが、あまりにも壮絶すぎる……

台湾だと「最初は一日500件、いまは一日は当初の五倍ほどもある2450件の検査ができる! すごいのだ!」みたいな記事(中国語)もあるが、1月半ばから3月11日現在、検査総数は1万5000件弱。2月に入ってから検査し始める韓国の検査総数の15分の1ぐらいしかない。

そして「2450件の検査ができる」と言っても、感染者数を抑えようとするためか、台湾日本と同じく、検査に至るまでのハードルが高いほうで、検査されたのが実質は毎日は数百件程度にとどまる(画像は厚生労働省に相当する衛生福利部の公式サイトよりキャプチャ)

FireShot Capture 059 - 首頁-衛生福利部疾病管制署 - www.cdc.gov.tw

ほぼ無差別で検査していく方針を取ったため、韓国国内での診断キットと検査器材を改良する需要が大きく、(金と技術力アップにつながるから)企業の開発と改良を促し、さらに検査と診断が手軽になり、検査総数が増える。死亡から重症、軽症や症状の見られない感染者まで突き止め、現時点でも数千人の「患者」がいる——ワクチンの開発、また有効な治療法を確立しようとするなら、臨床試験対象は欠かすことない

確認した感染者数が50もない台湾はいま、たとえ新型コロナウイルスを完璧に退治できる薬が開発したとしても、臨床実験対象が足りない。まさか中国と韓国に「感染者を貸してくれ」とも言えるはずがない。

韓国のバイオ産業はもともと強い。こちらの記事によると、先月からすでにヨーロッパ中心とした世界各国から新型コロナウイルス診断キットの注文を受け、輸出に勤しむ韓国企業が。専門外だから多くは語れないが、「緊急使用承認」などの名詞からとにかくただならぬ気迫は感じる。

そして上記のシージェン以外も、数多くの韓国企業が検査器材と診断キットの開発に乗り出し、器材の軽量化や検査時間を短縮化、妊娠診断のような原理で検査できるキットまで、様々な産品が緊急使用承認を待ていると。

ここまで来ると、昨日のこの記事を思わず深読みしてしまう。「入国を制限する国・地域に対し、ビジネス客を例外にするようと要請」と働きかけようとしたのは、これらの器材を売りに行くため——なのか。

だとすると本当にすごいな……事態が収束し、みんなも落ち着いてから、ぜひドキュメンタリー映画を作ってくれ(跳躍すぎ)

一方、生産した製品だけでなく製造工場のラインも全面徴収し、緊急事態との大義を以ってマスクの生産と販売をすべて独占した台湾政府は、税金で生産用に機器を大量に購入し、国内のマスク生産能力と生産量が、3月半ばの今週中には「一日当たり1000万枚に到達する見込み」と発表——が、マスクは未だに輸出禁止。輸入も制限が多々ある。なんだかな。

ちなみに中国のマスク生産量は3月に入った時点、すでに一日当たり1億枚を突破。また中国広州にある、紙おむつとナプキン製造機メーカーの兴世机械制造は、全国的なマスク製造機不足を鑑みて開発に乗り出したら、2月20日頃にはなんと一分間1000枚できる機械を発表(フル稼働したら一台で一日当たり120万枚)以下動画。初見はCGで作ったネタ動画じゃないかと思ったよ。

中国や韓国の動向を見て、自国の力の入れるところを顧みると、台湾人として、いろいろと考えてしまう——台湾人だから、もう考えたくないよ。

なんだかな。もうダメかな。

同情するなら金をくr……あ。いいえ、なんでもないです。ごめんなさいご随意にどうぞ。ありがとうございます。