あれから1年。大家族になりました
「一緒に生きよう、幸せになるために。」という記事を投稿して、1年が経った。
1年の間に、我が家には家族が増えた。そのことを少し思い返してみる。
最初に増えたのは「かなた」
件の記事を投稿して1ヶ月後、我が家は子猫の「かなた」をお迎えした。
かなたは、ちょうど去年の今頃ぐらいに、もなかの出身団体のボランティアさんが職場の近くで保護した子猫だ。繋がっているインスタで「ずっとの家族を探しています」と書かれた投稿を見て、あまりの可愛さに一目惚れしてしまったのだ。
可愛いと思うと同時に、可哀想だ、とも感じた。これから先、かなたと同じような境遇の子猫とはまた出逢うことだろう。そんな子猫たちをみんな引き取って育てていくのか? そんなこと、できるはずもない。
それでも、できることはしたいと思った。かなただけなら、もなか・なゆたとも一緒に幸せになれるかもしれない。可愛いのは、どれだけいても可愛いのだ。
夫ともよく話し合った上で「11月までに里親が見つからなかったら、我が家にお迎えしたい」とボランティアさんに連絡すると、彼女はもなかをよく知っていたので「もなかちゃんの弟になれるなんて!」と喜んでくれた。
当初は「里親が見つからなかったら」「10月中の仕事を片付けてから」なんて前置きしていたけど、結局は何もかも片付けて10月中にお迎えを果たした。
お迎えした当時のかなたは、お腹に虫を飼っていてしょっちゅう下痢をしたけれど、いつでも元気いっぱいで、食いしん坊で、いたずらばっかりする子で、手を焼いた。
それでも可愛いには変わりない。比較的大人しい「なゆた」と違う「かなた」という猫に出逢うことで、当たり前だけど個性はそれぞれ違うんだなと思い知った。
最初は小さな体を精一杯ふくらませて威嚇しまくっていた「かなた」。けれどすぐに「もなか」「なゆた」と打ち解けて、寒くなる頃にはすっかり甘えん坊の末っ子になっていた。
そんな末っ子かなたが、お兄ちゃんになるタイミングがやってきた。
野良猫だった「千代姫」
かなたをお迎えした次の夏。庭先に、1匹の小さな三毛猫が姿を現した。
どこからやってきたのかわからず、とりあえず首輪の有無を調べるためご飯とお水をあげてみると、多少の警戒はみせるものの、お腹が空いているのか夢中で食べていた。首輪はついていなかった。
千代姫と名付け、ちぃちゃんと呼ぶことにして、数日ご飯をあげ続けた。何度か捕獲を試みては失敗して、その度に怖い思いをしているだろうに、千代姫は毎日ご飯をもらいにやってきた。
ご飯をあげて5日目だったか。触らせてくれるようになったので、もなかのキャリーの中にご飯を入れ、中に入ったタイミングで「閉めるよ」と声をかけて扉を閉めるとあっさりと捕獲できた。
直後はパニックを起こして暴れたけど、サークルに移動すると諦めたのか、大人しくなった。
翌日、病院に連れていくと、まだ1歳かそこらの若い猫だろうと言われた。耳の中に虫はいるものの、大きな病気や怪我はしていない様子。数週間後に血液検査を受けても、白血病・猫エイズともに陰性だった。
あまりにも人慣れしているので、飼い猫なんじゃないかと交番や動物愛護センターなどにチラシを持って行って問い合わせたものの、三毛猫を探している飼い主はいなかった。
しばらく待ってみても音沙汰はない。野良ならTNRをして野に返そうと思っていたものの、大変に人慣れしているので憚られ。夫と議論したのち、結局は我が家にお迎えした。
しかし今後、もし迷い猫や野良猫を保護することがあっても、我が家のキャパ的にこれ以上は無理なので、里親を探そうと取り決めた。
そう決めた2ヶ月後、また庭先に三毛猫がやってきた。
居候「菊姫」
千代姫にそっくりな模様をした小さな猫だったので、おそらく兄弟だろうと思った。
菊姫と名付け、ご飯をあげてみると、千代姫ほど懐っこくはないが、やはりお腹を空かせているようだった。
近づく台風が心配だったので、捕獲器を借りて保護した。千代姫と同じように、捕獲器の中では暴れていたけど、サークルに放すと次第に寛ぎはじめた。
病院に連れていくと、先生から「歯周病が進んでいるので4〜5歳くらい」だと言われた。つまり、千代姫とはおそらく親子。それでも、ひどく痩せている以外には病気も怪我もなかった。
千代姫もそうだったけど、とにかく人が大好き、撫でられるのが大好き。大人の猫なので子猫のようにイタズラして回るということもなく、昼間はずっと日向ぼっこをしている。
千代姫を保護したときの約束があるので、菊姫は里親を探している。
大家族になって
そんな感じで、我が家には犬が1匹、猫が4匹いる。人間は2人しかいないが、えらい大家族になった。
毎日ドタバタと騒がしいが、みんなそれぞれ可愛いのでまったく苦にならない。お世話はさすがに大変だけど、返してくれる愛情はそれ以上に大きい。
「かなた」はもちろん、「千代姫」も「菊姫」も大変に甘えんぼで、ニャーンと鳴いては寄ってきてスリスリし、撫でて撫でてとせがむ。君、野良猫だったよね? と思いはするものの、それだけ家猫の暮らしに馴染んだということだろう。
猫好きの義母に現状を話したら「猫は、この人なら助けてくれそうとか、この家ならご飯もらえそうとか、わかるんだよね」と微笑んで言われた。
千代姫は、ご飯をあげはじめてから捕獲するまで、しょっちゅう家の中を覗き込んではゴロゴロとお腹を見せていた。菊姫は慣れる前に捕まえてしまったけど、保護してから一度も威嚇らしい威嚇をみせたことがない。
もしかすると、腹ペコで助けてほしくてうちに来たのかもね、なんてことを笑って話し合った。そうだったらいいな、と思う。
我が家のいまは、そんな感じでした。
また機会があれば、千代姫や菊姫の捕獲時のことを書こうと思います。
それでは。