東大SPH入試体験記(2021年実施)~IELTS対策~
はじめに
前記事に続き、実際に行ったIELTS対策についてまとめます。
まず、前提として私の場合、準備期間は1ヶ月でした。また、前記事に記載の通り、「今ある英語力で取れる点を確実にとる」という方針で対策をたてました。
しっかり準備期間を取ることができる場合は、私の即席IELTS対策がマッチしない部分もあると思います。あくまでもご参考までに。
目標と結果
やみくもに高い点数を狙うのも辛いので、目標をoverall 6.0としました。内訳は、リーディング7.0、リスニング6.0、ライティング5.5、スピーキング5.5です。
目標を6.0に設定した理由は、この数字がおぼろげながら浮かんできて…(笑)
いや、そんな訳はなく、IELTSを利用して留学する場合の最低ラインだからです。スコア提出期限2ヶ月前に外部英語試験の受験を告知された状況おいては、東大SPHといえども6.0あれば十分戦えると判断したわけです。
結果は、overall 6.5でした。内訳は、リーディング8.5、リスニング6.0、ライティング6.0、スピーキング5.5です。
参考書&ツール
① 公式問題集
amazonで購入できます。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/1108781616/ref=ppx_yo_dt_b_asin_image_o02_s00?ie=UTF8&psc=1
解説もすべて英語ですが、下手に日本語の問題集に手を出すよりも、まずは公式問題集を集中的に学習することをおすすめします。
なぜなら、やはり難易度や出題傾向(クセ?)が本番そっくりだからです。間違えた問題は解説までしっかり読んで、解答の導き方のパターンを理解すると良いと思います。
私が購入した時はver.15が最新でしたが、もし時間があるなら一つ前のver.14をやります。
② 単語帳
私はIELTS必須英単語4400を使いましたが、IELTS用の単語帳ならなんでもよいと思います。
https://www.amazon.co.jp/IELTS%E5%BF%85%E9%A0%88%E8%8B%B1%E5%8D%98%E8%AA%9E4400-%E6%9E%97-%E5%8A%9F/dp/4860644727
上記単語帳では難易度別(A~Dの4段階)に単語が分けられていたので、分からない単語でCランクまでに入っているものだけ覚えました。時間がないのでDランクは放棄。
③ universal-speaking(オンライン英会話)
IELTSに特化した授業が受けられるオンライン英会話です。
https://www.universal-speaking.com/
フィリピン人講師なら1レッスン30分300円と、IELTS対策授業が受けられる割りには安価です。4技能どれでも自分の好きなようにリクエストすることができ、講師はしっかりとIETLS対策のトレーニングを受けていると感じました。
デメリットは、新しい会社のためか管理体制がイマイチなところです。講師側による急なキャンセルに対するサポートは期待できません。また、まだ講師数が少ないため、DMMなど大手のように好きな時間に予約できるとは限りません(特に平日夜は争奪戦)。
デメリットはありますが、universal-speakingは本当に使って良かったです。
④ Quizlet
単語帳アプリです。これも大活躍でした。
https://quizlet.com/goodbye
メリットは、自由度の高い単語帳を作れること。小分けに作った単語帳をフォルダ分けして階層化することもできます。
分からない単語を②の単語帳で調べたら、Quizletに入れて覚えました。頻出の単語は必然的に、何度も出会うことになるので、嫌でも覚えられます。
デメリットは、無料版だとどの単語帳をどこまで、何回やったか管理できないこと。有料版だとできるみたいですが、私はそこまでせず、エクセルで管理しました。
全体の流れ
1ヶ月間の対策の流れとしては、公式問題集(テスト4回分)を2周しました。
もちろん、テスト1回分をまとめて解く時間はとれないので、大問単位※で区切って解答→答え合わせをしていきました。
※リーディングは大問×3、リスニングは大問×4、ライティングは大問×2、スピーキングは大問×3
それでは、各技能についての具体的な対策について...
リーディング
基本的には、時間は測って問題を解く→答え合わせ→分からない単語を単語帳で調べてランクCまでに載っていればQuizletに登録、という手順で進めました。
答え合わせでは、間違えた問題と解答根拠に自信がなかった問題についてだけ、解説をしっかり読みました。
最もやって良かった対策は、大問一つの文章を6分程度で速読する練習です。大問一つを20分で解くために必要なペースを身に付けることができました。
速読では分からない部分は飛ばしながら、とにかく時間内に最後まで読み切ります。これを、公式問題集に掲載されている問題文12×3回ずつ行いました。読むペースを体で覚えるイメージです。
本番でも、練習通りのペースで読み進め、解ける問題を確実に解いた後、一息ついて冷静になってから分からない部分に戻りました。そのおかげで、リーディング8.5の大フィーバーにつながったと思います。
リスニング
行った手順は、問題を解く→分からなかったところをもう一度聞きながら解く→答え合わせ→シャドーイング→スクリプトを見ながらシャドーイング→シャドーイング→分からない単語を単語帳で調べてランクCまでに載っていればQuizletに登録、です。
かといって、1ヶ月でリスニング能力の向上は望めないので、問題のクセとイギリス英語に耳を慣らすことに重きをおきました。例えば、
・回答となる単語の前に息継ぎが入ることが多い
・回答になりそうな発言の後に、それをひっくり返す発言をする(前者はひっかけで後者が正解)
・イギリス英語のせいか、CとTの音が強い(前後の音が聞き取りにくい)
などです。
時間があれば、ディクテーションをしたかったです。IELTSのリスニングでは書き取り問題があるので、聞き取れていても正しくスペルが書けなければ点がもらえないので。
ライティング
問題を解く→universal-speakingで添削→役立ちそうな表現はQuizletに登録、という手順で進めました。
universal-speakingでは、
・問題パターン別の本文構成の仕方
・目標スコア別の本文構成の仕方
・毎回使える表現
・減点されるポイント
などを、添削しながら教えてもらいました。自分で調べるより、はるかに効率的に習得できたと思います。
特に、自分がよく使ってしまう言い回しで減点対象になるものは教えてもらえて良かったです。独学では気付けないでしょうから。
スピーキング
公式問題集の問題を写メって、universal-speakingの先生に送り、練習しました。問題が足りなくなれば、先生側から出題してもらうことも可能でした。
レッスン後、教えてもらった表現などを用いて、回答をボイスレコーダーに録音し、それを修正することを繰り返しながら練習しました。
universal-speakingでは、
・目標スコア別の1問あたり回答するべきセンテンスの数
・目標スコア別の回答時のしゃべるスピード
・毎回使えるフレーズ
・抑揚をつけて話すと高評価が得られやすいこと
などを教えてもらいました。
また、時間がなかったので、どの問題でもできる限り身近な話題にからめて回答するという戦法をとりました。例えば私なら、育児、K-POP/韓ドラ、シンクタンクの仕事などです。これらについては、必要になりそうな単語や表現をストックしておきました。
実際、本番で「singing」について出題されたので、K-POPについて並べたてました。(その後の問題が全然答えられなくて、スコアは5.5に落ち着きましたが...)
さいごに
あと、二つだけ行った対策があります。
① コンピューター受験の無料体験テスト
ブリティッシュカウンシルが提供しているもので、本番と同じ画面構成や操作方法に慣れるために要チェックです。
テスト結果としては、リーディングとリスニングの総得点が表示されるだけで解説もないので、真面目に解く必要はないと思います。
② PCでのアウトプットに慣れること
コンピュータ受験をするなら、本番同様、PC画面上で読解し、キーボードで入力する練習が必要だと思います。個人的な感覚ですが、紙媒体でのみ単語暗記をしていると、PC画面で見たときに思い出しにくい気がします(ドライアイのせい?)。
特に、リーディングの問題は極力PDF化して、PC画面で読む練習をしました。
以上です!これが私の1ヶ月間のすべてです。
すでにやりつくされている対策ばかりかもしれませんが、こんな症例もいるのか程度に、参考にして頂ければ幸いです。
次記事で、専門科目についてまとめて、本体験記はおしまいにします。
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