自分のなかの「あたりまえ」が崩れる時〜自分の「あたりまえ」は時に他者の「狂気」〜
私には、ささくれをいじる癖があった。
おそらく物心ついたときから、自分で自分の指の先を弄っていて、
気がつくと、出血している。ということもあった。
生理周期によって、そのささくれが悪化して指先がめちゃくちゃ痛くなることもあって
作業に集中できない、ということも多々あった。
でもそれは自分の中で本当に些細なことで日常で
なんてことないことだったので、ずーっと放置していた。ものごころついたころからのその問題は、わたしのなかで、あたりまえのことだった。
今年のあたまの冬のある日、
親指の爪が波型にうねって変形しはじめた。つめのまわりは相変わらず赤く乾燥して、血が滲んでいた。
爪のうねりについて調べてみると、貧血のせいだとか、不足してる栄養素のことが書かれていた。
私は貧血の治療中でもあるので「ここにも貧血の余波がきたのか〜」とのんきに思い込んでいた。
それを隣で見ていた愛の戦士・ひとみーるがまっさきに斬り込んできた。
「ほんとうにこれ貧血なのかな?」
「まるちゃんの爪が痛々しいのは見ていて悲しい」
本当に悲しい顔をされるので
「え!」と、なった。や、大丈夫、わたしには普通のことなのでね。
居合わせた他の森のメンバーも、「うん、それは治したほうがいい」と言っている。
確かにみんなの爪周りをみるととってもきれい。
(ここで「私は年上だし。40歳すぎてるし。どうせかわいくなれないし」という嫉妬が首をもたげていた。)
西やんに関しては、お化けでもみるかのような顔で私の爪を眺めていた。どういうこと。
けど、そんな悲しい顔とか心配されるのもいやだな。と、一緒に調べてくれたネット情報ももう少し深掘りしてみて
結局そこだけの情報を鵜呑みにもできないね、となり、「じゃあ、こんど病院に行ってみるよ」という流れになった。
その後、さらりと行った皮膚科に診てもらったら、
これは・・・・・何かものすごい力を継続的にかけないとこんなことにはならないですね。と言われた。
えーと、ん?
そういうお仕事されているんですか?機械整備など。と問われた。
えーと、へ?機械整備??
まさか。してないです。あ、カメラマンです。あと1日パソコンをいじっていることもあります。
そうですか、それはちがいますね。では、癖で、指に力を加えていることはありませんか?
えーと・・・・・。
自分が自分のささくれを触る、ということくらいしか思い当たらない。
お医者さんも「うーんこれはずっと20キロくらいの圧力をかけないとこうなりません」と唸って結局理由はわからないままだった。
ただ、栄養素のせいではありません。他の病気のせいでもありませんよ。これは、圧力をかけている、という理由しか考えられない。と
お医者さんのくせに、断言してきた。まじっすか。
でもその後、処方された保湿薬をほんの少しつかったり、お引越しをして生活環境がだいぶ変わって
同時に植物療法を学んだひとみーるがプレゼントしてくれたジャスミンのオイルを爪に塗るようになって
自分で自分の指を触っていないか、チェックするようになり、
あっという間にささくれが消えた。自分の指で自分の指先に圧力をかける。ということは、おそらくなくなり
爪の凸凹も、綺麗な爪が現れて、全くなくなってしまった。
自分の見立てでは、心理的なトラウマの解除、認知の歪みの矯正、生活の改善などがいっしょくたになって、
治ったとおもっている。
「自分の中ではふつうの日常」と思っていることって実は
他者から見たら「狂気」「おばけ」であることって、結構あるんだろうな〜。
それを他者の日常に並べた時、「狂気」が炙り出される。
自分が「なんてことないですよ」と思っていたり「隠そう」と思っていたり「薄目で見てる」と、要注意。
あ、私の例は割とパンチがあるものが多いからもっと小さい自分の癖とかをよく見てみるとそこに狂気がある可能性が、ある。
そして、愛してくれているひとが心配してくれることを
どこまで受け止められるか。
それが愛由来であると、どこまで信じられるか。
わたしのささくれが治ったことで
みんなが「本当によかった」と喜んでくれることが
本当に良かった。
このことを思い出すと毎回。心の中が、あったかい布団みたいにつつまれる。
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