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キャリアコンサルタントとは

前回、「キャリアとは何か」の記事でまとめた通り、人は生きている限り何かしらの形ではたらいています。

キャリアコンサルタントは、一人一人の生き方のプロセス、過去から未来へのつながりを俯瞰して見ながら、人生の様々な仕事や社会に関する知識を持ってキャリア支援をします。

キャリア関連の民間資格はいろいろあって、呼び方もキャリアカウンセラー、キャリアアドバイザー、キャリアコーチ等様々ですが、
唯一
「キャリアコンサルタント」だけは国家資格であり、
「キャリアコンサルタント」と名乗れるのはキャリアコンサルタント試験に合格して、
キャリアコンサルタント名簿に登録した人だけです。
ただ、あくまで名称独占資格でキャリアコンサルタントの資格を持っていないとできない、ということはほぼないので、他のキャリア関連の資格との差は曖昧かもしれません。
国家資格になってからは、人材系の求人の募集要項の必須要件にキャリアコンサルタント資格が書いてあることが多くなってきたので、資格有無の影響がわかりやすく見えるのはそのくらいでしょうか。

私自身は、国家資格ができる以前からキャリア関連の民間資格を持っていたので、国家資格だからとろう!と考えたわけではないですが、今は国家資格キャリアコンサルタントです。

で、前置きが長くなりましたが、
キャリアコンサルタントって何なのかについてどうまとめるかいろいろ悩みましたが、
定義を書いたところで本質とずれていく気がするので、
私自身が仕事をする上で常に頭に置いている「キャリアコンサルタントとは」について書きたいと思います。

キャリアにおけるプロフェッショナル

一言で言うならキャリアにおけるプロフェッショナル、と言えます。
「キャリア」自体は広い意味を持つので、前回の記事を踏まえてもう少しかみ砕いて言うと、
「人がはたらくために必要な知識・経験・情報を広く持つプロフェッショナル」という感じでしょうか。
キャリアコンサルタントの資格自体は他の国家資格に比べると比較的難易度は低いです。
が、取得した後、5年毎の更新があり、そのために必要な時間数の知識講習と技能講習を受講して常に自己研鑽し続ける必要があります。
なので、安易に資格を取得しても、インプット&アウトプットを続けていけないのであれば無駄です。
私自身、キャリアコンサルタントを本業にする前は講座を受ける時間とお金をなかなか捻出できずにポイント数を気にして苦労していました。
(民間資格も持っているのでそのポイント数と時間数が紐づいています)
本業となった今は仕事に直結するので、興味がある講座が多すぎて、数か月のうちに5年間で必要なポイント数を貯め終わってしまいました。
常に世の中は変化していきます。昔学んだことに囚われてアップデートを怠ると個人のキャリアの伴走支援なんて到底できないので、キャリアコンサルタントはこの更新制度と実務経験によって絶えず鍛えられています。
なので、キャリアにおけるプロフェッショナル、と言えると思っています。

個人と社会の接点となるサポーター

漠然としていた自分の考えを学術的に説明してもらえた感覚を持てたのがプロティアン・キャリア。
ありのままのあなたでいいのよ、自然体のままやりたいことをやろう、という考え方にどうも違和感を感じて、モチベーションアップや自己啓発を謳いすぎているセミナーやコミュニティは警戒してしまう私。
もちろん自分のことを知る、自分を大切にする、ありのままの自分でいる、ということは大切ですし、根底にあるものです。
でもキャリアコンサルタントは、個人側に振り切ってしまってはダメだと思っています。常に個人に寄り添いつつも、伴走しながら一緒に前に進んでいくサポーターでなければならないと思います。
その人が社会の中で自律するための伴走をして初めてキャリアコンサルタントであり、そのためには社会との正しい接点を一緒に見出していく必要があります。
なので、個人に寄り添うためには心理学やキャリア理論等、社会を知るためには少々堅いビジネス知識や経済状況、トレンド等、詳しくなくとも広くアンテナを立ててインプットするように意識しています。

内省を促す黒子

個人向けのカウンセリングにしろ、研修講師としての登壇にしろ、主導して行うことはなく、目立つ存在ではありません。
あくまで答えはその人自身の中にあって、それを対話によって引き出したり、研修によって気づきを与えたりすることが仕事です。
必要に応じて情報提供もしますが、その情報をどう使うかもその人次第。常にフェアな立場であることが特徴です。
一見無責任のようですが、自分で選択できるように様々な角度からお手伝いするのがキャリアコンサルタントです。最初はサポートが大きいですが、そのうちに話す中でご自身で気づけるようになり、いつの間にか当たり前に自分で考えて選択して行動できるようになっていきます。
極論、忘れ去られてもいい存在であり、キャリアコンサルタントが必要ないくらいキャリア自律した人で溢れる世の中が最終形だと思っています。
なんて言うと仕事がなくなっちゃうので(笑)、自分で考えて行動できるようになったら、その後はいつでも安心して戻ってこられる、好きな時に壁打ちできるひっそりとした黒子であり続けたいと思っています。

自分への備忘として書いた感じもあるので、何年後かに振り返ってみたらまた変わっているのかもしれませんが、ここ数年考えている「キャリアコンサルタントとは」はこんな感じ。
プロフェッショナルとして自分にまだまだ不足している部分を今年は重点的に鍛えているので、なかなか苦しい毎日なのですが、苦労も悩みも経験のうち。
キャリアコンサルタントとしての幅を引き続き広げようと思います。


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