個人事業主2年経過の備忘録
2022年の9月に開業届を出して、早いもので2年が過ぎました。
(たまたま手続きが遅れただけですが、次女の誕生日と私の開業日が一緒なので覚えやすいw)
まずは業務委託での仕事をいくつか掛け持ちしてうまくいかなかったらまた会社員に戻るのも一つかな…と頭の端っこで考えながら独立しましたが、おかげさまで事業も少しずつ広がり、お付き合いを継続いただける企業様も増えました。
私にはこの働き方が合っているようで、当面は引き続き個人事業主として活動していくつもりです。とかいって、数ヶ月後に状況が変わっているかもしれませんが、予定は未定。
計画性があると長年思って生きてきたけれど、MBTIのセッションで柔軟性の方が強いことに気づいてからは、自分の中でいつも謎だった、状況の変化に対する抵抗のなさに妙に納得して生きやすくなった気がしています。
(MBTIはSNSに広まっているものではなく、正しく認知されてほしいと切に願う…)
さて、今日は2年間で学んだことを自分への備忘録として書きます。
まだ駆け出しの2年なので、この先違う気付きもあるだろうけれど、今時点の私の意見として読んでいただけると嬉しいです。
ちなみに、個人事業主スタートの備忘録はこちらに書きました。
やってよかったこと
①とにかくやってみる
独立してすぐは、自分ができることはまずとにかくやってみました。やってみてうまくいかなかったらやり方を変えたり、いくつかやってみた中で自分に合うものを選んだり。お金にならないこともたくさんあったし、やるべきことが常に頭にあって寝つけずに不眠な時期もありました。ただ、無駄になったことは一つもないと言い切れます。
選択肢がないと選べないので、とにかくやって経験して考える。行動と思考をぐるぐる回し続けました。
2年経ってようやく自分の仕事のペースが掴めてきました。ここまでやったらこの程度の収入が得られる、ここまで詰め込むと崩壊しかける…など。
それは頭でいくら考えてもわからなかったと思います。
アラフォーにして新入社員のような体当たり経験ばかりでしたが、とにかくやってみた経験が今にもこの先にもつながるはずです。
②一人でやることにこだわらない
フリーランスは一人で気楽にやれる、かもしれない。でも一人でできることには限界があります。
会社員時代の会社の看板が外れたら、何の知名度もない一個人ですし、できる範囲も狭まるのは当たり前。一人でできることなんてたかが知れています。それなのに強がって自分一人でやることに固執すると事業の拡大も自分の成長も止まります。
自分だけでは考えつかないサービスを展開していたりリーチできないお客様を持つ企業や、自分にはない魅力を持っていたり自分が得意ではない分野を強みとしている人と一緒に働くことで、可能性の幅が広がったと思います。
③自分のスタンスを持つ
ただ、「何をするか」以上に「誰とするか」はとても重要で、いろいろな要素が関係するものの、やはり根底としては、お互いを尊重できる関係でないと難しいです。大事にしている価値観や方向性を尊重してくれない相手と働くことはお互いストレスフル。会社員時代よりも自分で関わる人を選べるからこそ、自分のスタンスを明確にして、それが大事にできる相手と関わっていくと心地よく仕事ができます。
また、スタンスを持つことで自信にもなります。個人で仕事をしていると不安や焦りから人と比べて一喜一憂しがちですが、そもそものスタンスが違う人と比較する必要はない、と冷静に気持ちを保つこともできます。
④縁を大切にする
長女に「お母さんは誰とでも友達になっちゃうね」と言われます。長女からすると、私が親しげに話す相手は全員友達に見えるらしく(笑)
でも私は人懐こいタイプでも社交的でもなければ、友人が多い方でもないと思っています。
ただ、昔から一期一会を大切にしています。独立してからは特に。仕事に直結せずとも何がどうつながるかはわからないので、その場その場の縁は本当に貴重です。
ポイントは社交辞令で終わらせないことと、自分からも価値提供すること。
この人と仕事がしたい!この企業と関わりたい!と思ったら、「また連絡しますね」では終わらせずに本当に連絡します。相手の貴重な時間をいただくからには自分も何かしらの価値を提供します。
何年か経った後でもきっかけがあればすぐ連絡するので、数年前にご一緒した方と再会することもよくあります。
やってみたけれどやめたこと・諦めたこと
①一人で何でもやろうとすること
前述の①②と通じますが、苦手なことでも経験だからと、まずはやってみたものの、工数と成果が噛み合わないこともありました。
HPやロゴの作成等のデザインの分野が一番の例。
今の時代、無料で作れるサイトはたくさんあって、自分で頑張ればできるのかもしれません。でもプロにお任せする安心感とクオリティは本物で、依頼して本当に良かったと思っています。
無名の私がHPを作ったところで…と最初は思いましたが、HPを立ち上げてから、企業様のお問い合わせも増え、Webで私を検索して、HPの内容に魅力を感じてくれた個人のお客様も何名もいらっしゃいました。
また、別のデザイナーの方にロゴマークを作っていただき、オンラインMTGの背景に載せたことで、セミナーでご一緒した方から興味を持っていただけたことも多々。
これまた無名の私の事業にロゴマークをつけるなんておこがましいかしら…と依頼前には少し思いましたが、ロゴを作成いただいたことで事業の在り方も固まり、周りからも覚えていただきやすくなりました。
どちらも私一人の力ではなしえません。(無理してやっていたらどれほどの時間がかかったのだろう…。そもそもアイディアすら出ないか。)
自分が得意ではない分野では無駄に頑張りすぎずに、プロへお願いした方が確実です。
②家族の時間を削ってまでの活動
どうしても必要な時には、夫や実家に協力してもらいながら、たまに講習などへ参加しますが、基本的には週末は家族の時間にしています。
たぶん、もっと時間を割けば自己研鑽もできるし、ネットワークも広がるし、事業も大きくなるでしょう。土日の方がセミナー集客ができるし、働いている人のカウンセリングをするなら土日や夜に融通がついた方がいいのもわかっています。
でも、家族の時間を削ってまでやりたいかと聞かれると、答えは迷わずNO。
個人事業主は時間が自由な分、意識しないとオーバーワークになってしまうので、平日だけでなく土日まで仕事をしてしまったら子どもとの時間はなくなります。土日の家族の時間はたとえダラダラ過ごすとしても私には必要な時間。
子どもたちが、家族と過ごすよりも友達と遊ぶことを優先する年齢になるまでは、土日の仕事は最小限にするつもりです。
自由な時間ができてから実現したいことや学びたいことが多くて、今から歳を重ねることにワクワクしています。
③SNSの定期発信に義務感を持つこと
マーケティング観点では完璧NGなのだろうけど、SNSの毎日の定期発信は私にとってはストレスでしかないことに気がつきました。
一時期発信を頑張ろうと思ったけれど、できないことへのいら立ちや焦りなど必要以上に意識を持っていかれました。発信することに囚われて全然関係ないことを投稿しても本意ではないし…と悶々と悩みました。
ふと、SNSで何か成し遂げようとしているわけではないと、当たり前ながら気づき、SNS発信そのものよりも目の前の相談者様やクライアント企業様へ全集中し、より良いサービス提供に時間を割くことで、徐々にご依頼が増えていきました。また、SNS発信も、発信「せねば」ではなく、発信「したい」ことを考えることで、自分自身へのインプットの質も上がり、気持ちも安定しました。
もちろん発信しないと認知も上がらないので、全然発信できていなかった事実は反省しつつ自分に無理ないペースで今後も発信していきます。
④自分の単価を下げること
いろいろやってみた上で、というのが大前提ですが、自分のコアスキルを最大限に発揮できる仕事に対しては、安易に単価を下げることはやめました。
お金にならなくても自分の経験として意味があるものには挑戦するし、キャンペーンを打つことはありますが、無策に価格を下げるということは自分の提供するサービスの価値を下げることにもつながり、適性単価で私を選んでくださる方に対しても失礼です。
特に私のような労働集約型のビジネスでは時間単価をいくらに設定するかはとても重要。自分の単価がどの程度なのかを自分の中ではっきりさせてからは、それを下回るお仕事は基本的には受けないし、必要であれば価格交渉する勇気も持てるようになりました。
まとめ
はたらき方の選択肢が増えた現代、フリーランスや起業を勧める風潮がありますが、実際に独立した立場からすると安易に勧められません。たまたま私はこのはたらき方がどうやら合っているらしい、という感じ。
一つの選択肢だけが正解ではなく、会社員だって素晴らしいキャリアだし、起業より副業が向く人もいる。それぞれのはたらき方でそれぞれのキャリアの積み方があります。
以前、個人事業主の大先輩に「組織からは独立したけど全然自由じゃないし、むしろ会社員時代よりはるかに働いている気がする…」と話したところ「独立してやってくって全く自由じゃないよ。自分の力で稼いで会社員以上の稼ぎを得るにはそれなりの苦労があるものだよ。」と言われて、とても腑に落ちました。
独立して数十年経っている人ですらそんなことを言うのです。
稼ぎ方は人それぞれですが、どんな仕事でも楽して稼げることはないし、もし本当にあったらちょっと怪しい…(笑)
独立して3年目が始まりますが、きっとこの先も全くスマートではなく、泥臭くお仕事をしていくと思います。
おしゃれなカフェで優雅にリモートワークじゃなくて、おもちゃの片付かないリビングで麦茶を飲みながら、たまにオンラインMTGの背景に在宅勤務中の夫が後ろを通りすがる姿がちらりと映り込む。
これが等身大でリアルな個人事業主の姿です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?