高齢化社会について
現在、日本における高齢化社会が大きな現代社会問題になっている。2018年の日本の高齢者の数は約3557万人で、これは日本の総人口の約28.1%を占めている。今後も高齢者の数は増え続けると言われており、2040年に人口の約35%を占める3921万人になると予想されている。一体何が高齢化の原因となっているのか。また、高齢化はどのような弊害を我々に及ぼすのだろうか。
高齢化を引き起こす原因は大きく分けて2つある。1つは、平均寿命が伸びたことによる高齢者人口の増加である。環境や栄養状態が改善されたり、医療技術が進歩したことで平均寿命が伸び、65歳以上の人口が多いことだ。もう1つは少子化の進行による人口の減少だ。これは、近年未婚化や晩婚化が増えたことで、子供を産む人が少なくなっていることが原因である。これらの背景には、子育てと仕事を両立できる環境が整備されていないことや経済的不安定の増大などがある。
次に高齢化が引き起こす問題を2つ挙げる。1つ目は、高齢化と共に少子化も進んでいるため、働き手が減少して深刻な労働力不足が起こることだ。2020年時点では約6404万人存在していたが、2030年には約5880万人に減少すると推測されている。また、労働力人口の減少で国内市場が縮小し、経済規模も縮小を余儀なくされ、結果的にはGDPが下がる。
2つ目は若年層の負担の増加だ。社会保障制度の影響として、高齢者1人を支える労働力人口の人数が減っている。15〜65歳を現役年齢層、65歳以上を高齢年齢階層とした場合、1950年は12.1人、2017年では2.2人となっていて、2065年では1.3人になると予想されている。これらのデータから、高齢化が進むにつれて1人当たりの金銭的負担が増加しているのが分かる。このままでは、医療や介護費を中心に社会保障のバランスが崩壊することになってしまう。
高齢化対策として、政府や自治体が少子化問題に取り組むことが、将来的に高齢化の軽減に繋がると考える。例えば、児童手当等をはじめとした家庭・個人への直接給付、小児医療体制の充実に合わせて、各地域ごとの手厚い子育て支援などをより一層推進していくべきだと考える。また、高齢化の進行に合わせて働き方も変わっていくべきだ。政府及び社会は、年齢に区切られることなく働ける社会の実現や、公的年金制度の安定的運営などの高齢者支援施策の推進もすべきだと考える。
〈参考文献〉
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2022/zenbun/04pdf_index.html
https://www.stat.go.jp/data/topics/topi1131.html
https://www.digital-transformation-real.com/blog/4-countermeasures-of-declining-working-population.html
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2017/html/zenbun/s1_1_3.html