見出し画像

もし、大谷翔平が2024年日本でプレーしていたら?

今年のメジャーリーグは
大谷翔平さんの記録で大いに盛り上がりました。
本塁打は54本(リーグ1位)
盗塁は59本(リーグ2位)
と大快挙です。
そんな大谷翔平さんですが
……日本にいたらどれほどの記録になっていたのでしょうか
メジャーと日本の記録全体とイチローと松井の記録を元に考察した

1.大谷翔平が日本でプレイしたら

:本塁打と盗塁の予測

もし大谷翔平が日本でプレーしていたら、その成績はどうなるのか?松井秀喜やイチローのデータ、そしてメジャーと日本の1試合あたりのホームラン数や盗塁数をもとに、その仮説を立ててみました。

試合数の影響と成績の変化

メジャーリーグ(MLB)と日本プロ野球(NPB)を比較すると、MLBのほうが年間試合数が多く、日本よりも多く出やすい事から選手の個人記録、特にホームランや盗塁数は増加すると思われますが・・・

日本とメジャーの記録、1試合辺りに出るホームラン数と盗塁数


しかし、両リーグでトータル的な打撃成績を比較すると、松井選手の場合、メジャー移籍後には1試合あたりのホームラン数が約2倍も減少していることがわかります。

一方、イチロー選手はNPB時代よりもMLBでは3倍近く盗塁数が大幅に増加しています。これらの傾向から、大谷翔平がもし日本でプレーした場合、打撃成績、特にホームラン数は向上する可能性が高いと言えますが、盗塁数については減少することも考えられます。

メジャーで本塁打を減らした松井秀喜とメジャーで盗塁を圧倒的に増やしたイチロー
イチローと松井のメジャー行く前の3年間とメジャーに行ってからの3年間の記録
松井のHR記録の変化率とイチローの盗塁の比率の変化、1試合当たりの各球場での数の補正も掛け合わせた。

大谷翔平の予想成績

大谷翔平が2024年シーズンに日本でプレーした場合、ホームラン数は驚異的な記録に達することが予測されます。

 現実でのMLBでの54本塁打をベースにすると、日本でのシーズン終了時には111本という、歴代記録を大きく上回る数値となるでしょう。これは現在日本記録の1位の記録である60本を1.86倍も超える圧倒的な数字です。

 盗塁については、29個を記録することが予想されます。これはパ・リーグ内では3位となり、セ・リーグならば圧倒的大差で1位となる水準です。ちなみにパ・リーグの1位は周春選手の41本で、もし、メジャーに行っていたならば75となります。今シーズのメジャーの最多盗塁記録はテラグルースの67盗塁となっていますので、周春選手が今後、打率を出せるようになればイチローの再来になるかもしれませんね。

 チームが最下位だったのにも関わらずホームランの日本記録を越した事からバレンティンがMVPに選ばれた事から、どちらのリーグであっても大谷翔平はMVPは確定の数字だといえます。

大谷翔平の記録と今シーズンのリーグ記録との比較、
流行語大賞は「大谷神」いや、「大谷創生神」とでもなるかな・・・

2.具体的にどれくらいでどのくらい凄い事になるのか?

大谷翔平がもし日本のプロ野球でプレイしていたら、どれくらいの成績を残していたのか。今回は、打者の総合的な打撃能力を示す「RC27」という指標を使って、考察します。

RC27(Runs Created per 27 Outs)は、打者の攻撃力を1試合単位で評価する指標です。1〜9番まで同じ選手が打席に立った場合、その打線が1試合で何点取れるかを示しており、打撃数や試合数に左右されにくいというメリットがあります。
 メジャーリーグは日本プロ野球に比べて試合数が多いため、単純な成績の比較が難しいこともあり、RC27を用いることで公平に評価できるという狙いがあります。

松井とイチローのRC27

 今回はイチローと松井秀喜のメジャーでのRC27と日本での記録を比較し、その変化の平均を使って、大谷翔平の成績を推測しました。その結果、大谷の日本でのRC27は13.6となり、日本プロ野球の4位に入るほどの脅威的な数字となりました。この結果は、大谷が日本でも驚異的な打撃力を発揮する可能性を示しています。

とはいえ、大谷翔平を上回る記録を出した選手が存在するという事実も興味深い点です。改めて、日本プロ野球の歴史の中で残された偉大な選手たちの足跡に驚かされます。特にそのうち3つにランクインしている王貞治選手が改めてどれほどすごい選手だったのかを改めて再確認されました。


歴代RC27の歴代トップ5と解説、3つが王貞治選手となっている。もし、王貞治選手がメジャーに行ったら大谷翔平並みの活躍をしていたかもしれない。
大谷翔平さんと王貞治さん、レジェントオブレジェントですな・・・

3.シーズンにどんな変化を及ぼしたか

A RC27からRCWINを求める


RCWINとは
選手がチームにどれだけ勝利をもたらしたかを計算するための統計指標です。セイバーメトリクスは、選手のパフォーマンスを従来の打率や打点といった単純な統計だけでなく、より細かいデータを元に評価する分析手法で、RCWINはその中でも「得点創出能力(Runs Created)」を勝利に換算した指標になります。つまり、3.00ならば3勝貢献したという風になります。


 今年の規定打席を達成した打者達のRC27からRCWINを算出します。結果

RC27からRCWINへの回帰式は以下のとおりです:

RCWIN = 1.1195 × RC27 - 4.0353

このモデルの説明率(R²)は 0.9862 です。

となり、大谷翔平の値は11.19と
11〜12勝稼げるというくらいでした。
(なお、ここからの推論は11勝として想定します)

B. セ・リーグにいたら?

阪神、DeNA、広島に大谷翔平が加われば、優勝が確実です。特に終盤で失速した広島にとっては、大谷の力があれば僅差での優勝が叶ったでしょう。どのチームでも彼を欲しがらない球団はないでしょうが、優勝を争う上での存在感は特に大きいです。ヤクルトや中日に加わった場合、Aクラス入りは確実ですが、優勝には阪神や巨人に多く勝つ必要があり、確率はかなり低いです。興味深い点としては、優勝確率が5位のヤクルトが0.02%に対し最下位の中日は0.22%と逆転していることです。これは、中日の方が引き分けが多く、阪神・巨人に勝つ必要が少なかったためです。


ネットのコラで有名な新井ジャンプが再びどこかでみられたかも・・・

C. パ・リーグにいたら?

  • ソフトバンクに加入した場合、チームの勝利数は脅威の102勝に達し、歴代でもトップ4に入る勝率を記録します。このトップ4は1950年代前半のプロ野球黎明期の記録に並ぶものであり、どれだけ異常な強さかが伺えます。また、プロ野球の歴代最速のマジック点灯は7月6日ですが、大谷の11勝の影響次第では、さらに早いタイミングでマジックが点灯する可能性もありました。

  • 西武の場合、4位への浮上は実質不可能(確率1.40×10⁻⁶%)ですが、最下位からの脱出確率は15.7%しかありません。なので、2人の監督が辞任するような今年の西武の不調を、大谷の力でも覆すことは難しいでしょう。

  • オリックス、楽天、ロッテの場合、オリックスは3位が有力で、2位になる確率は6.26%です。楽天は2位に確実に食い込めるものの、優勝は不可能です。ロッテも優勝確率は0.27%と低く、いかに大谷翔平という史上最強の選手がいても、ソフトバンクの壁は厚いことがわかります。

  • 古巣の日本ハムの場合、優勝確率は70.5%と非常に高く、2016年の逆転優勝の再現のようです。まるで2024年の大谷がプレイする日本ハムが、2016年の奇跡を再び起こしているかのような印象です。あの年の逆転優勝も、大谷の存在があったからこそ成し遂げられたものだったかもしれません。

鷹の独走と西武の不調が著しかったパ・リーグであったが大谷翔平が入っても日本ハム以外では優勝争いにおいては劇的な変化を及ぼせそうにない所に鷹の強さがはっきりしたシーズンであった。

----
おまけ~
大谷翔平が本当に110本近いホームランを打つ可能性について
これを考えるために、いくつかの要因を考慮する必要があります。

まず、日本で1本のホームランを打つために必要な能力と、メジャーで1本のホームランを打つために必要な能力で要求される能力は日本でプレイする方が要求される能力が低いと推定される。しかし、一方で日本とメジャーではルールやフィールドによってはメジャーの方が記録を出しやすい側面もあると思われます。問題はそれらがどの程度影響するかを考える事にあります。
 例えるなら、東大のテストに70点取れる人がハーバートのテストに対しては何点取れるかという議題であったり、短距離走世界ランク100位の選手がプロ野球の盗塁のみを請け負うならばどれ程になるかというものである。

メジャー及び日本での一試合辺りのホームラン数(盗塁数)の補正値を加えた結果、ホームラン数は56本、盗塁数は19本という数字が出てきます。この本塁打数は、日本人の記録に並ぶ、もしくはそれを超える可能性を示しています。一方、盗塁数はセ・リーグならトップ、パ・リーグならトップ5に入る成績といえます。RC27の推定値と比較すると、これらの数値が現実に近い値かもしれません。

今回の記事では面白さを重視と、データ面の少なさからルールやフィード面などによるプラス補正については考慮していません。
 データ面の少なさというのは具体的には日本とメジャーの両方で直近の3年間ある程度プレイしている選手の事で、これにはイチローと松井しかいなかったので断念しました。
 それにしても、日本ではトップクラスの打者もメジャーでは活躍出来なかったり中長期的な離脱が見られる中で、そこそこ試合に出れて活躍したイチローと松井は改めて見ると偉大だったですね。

いいなと思ったら応援しよう!