嘘のおかげで幸せだった?


昔、道徳の授業を受けていた時のこと。

一つだけ、今でも覚えている内容があります。

ぜひ、場面を想像しながら読んでみてください。


それは、ある病院の、入院部屋でのこと。あなたを含め、そこにいる人たちは、重い病気であり、もう長くはない命です。

その入院部屋には、窓際のベットが一つだけあり、そこには、とあるおじいさん(Aさんとしましょう)が寝ていました。

Aさんは、いつも窓の外を眺め、「あ、今日も小学生たちが元気に登校していく」「ははは、あそこにいる男女が痴話喧嘩を始めたようだ」などと、外の様子を教えてくれます。

入院部屋のみんなは、Aさんから外の様子を聞くのがとても好きでした。


そんな中、入院部屋のとある患者(Bさんとしましょう)が、Aさんにこんなお願いをします。

「Aさん、おそらく私はもう長くない。死ぬ前に一度、外の景色を見てみたい。ベットの場所を変わってはくれないか?」

Aさんは、これに対し、首を縦にはふりませんでした。何度お願いされても拒み続け、とうとうBさんは外の景色を見ることなく亡くなってしまいました。

それを機に、Aさんは、入院部屋のみんなから嫌われ、程なくして、Aさんも亡くなりました。

Aさんがいなくなった後、あなたは空いた窓際のベットに移ることになりました。

外の景色はどんなだろうと、ワクワクしながら窓の外を見ると、

そこには、ビルの壁しかありませんでした。

「なあ、外の様子は、どんななんだい?」

入院部屋のみんなの声が聞こえます。

あなたはなんて答えますか?

初めまして。自分が思うことを率直に書いています。お手すきの際に、ぜひ目をお通し下さい。よろしくお願いいたします。