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蘭亭序之謎/唐隠

元和年間、唐は憲宗の時代。皇帝の重臣・裴度の姪である裴玄静は、七歳で初めて殺人事件を解決して以来、地元では「女名探偵」として知られていた。しかし地方官僚だった父の死後、実子に家督を継がせたい継母の策略で故郷を追われ、玄静は叔父を頼って長安に向かう。そこで玄静は叔父の親友である時の宰相・武元衡の暗殺事件に遭遇する。殺される直前、正体不明の相手から繰り返し脅迫を受けていた武大臣は彼女の探偵としての評判を見込んで、周りに気取られぬよう暗号の形で「王羲之の『蘭亭序』に隠された秘密を解き明かし、皇帝や自分たちの命を狙う黒幕の正体と目的を暴いてくれ」と託していた。
玄静は、長安に辿り着いた嵐の夜に出会い、共にある怪死事件に遭遇した医師・崔淼と共に王羲之とその一族に因縁ある土地を巡る旅に出ることになるが、実は崔はある人物が彼女を見張るため送り込んだ間者で――

【相関図】

中国ならではの,同じ人物についての異名がありすぎるのと,過去の話を「朕は」と書いたりするので,どの皇帝,いつの話か?と分からなくなるので困る (´・ω・`)

【感想】
主人公は皇帝に繋がる官吏の姪。女性が表に出ることが難しかった中で,聡明活発なお嬢さんとして描かれている。詩と書で心の内を暗に表すという古代中国ならではだろう,この才で,階級差,性別の差を乗り越えてゆく。宰相の暗殺事件を探りつつ,王羲之の『蘭亭序』を用いた隠された秘密を解いていく。とりあえず唐代の歴史は知って読んだ方がよさそうだ。なかなかピンと来ない(*´ー`)。下巻へ。
官吏の姪:主人公と彼女に絡む医師,放火に会い,ここは冒険小説みたいな。放火犯の疑いをかけられ法廷へとここは法廷小説のような。中国唐代の歴史事情がよくわからず,謎が何なのか?これも不明。王羲之の書いた『蘭亭序』の解明がされる。女性探偵と敵なのか味方なのか分からない謎の医師,設定は面白いのでそこそこ読めるが,バックの知識があればあるほどよく,中国の歴史小説を読んでいるような感じで当たらないとなかなか辛いかも。そして,まさかの続編へとなる未解決作。

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