
#015 ElevationSpaceのお仕事紹介~熱・構造系エンジニア編~|ゲストはエンジニア熱・構造系チーム
ElevationSpaceの『宇宙、配信中」は、プレスリリースやイベントでは伝えきれないディープな情報を、社内外の様々なメンバーと楽しくお届けするポッドキャスト番組です!
ElevationSpaceでは、現在エンジニアを積極採用中!
今回は、ElevationSpaceで実際に働く社員の中から、「熱・構造系」チームをピックアップして、仕事内容や募集中のポジションなどについてお話しいただきました。
ー まずは簡単に自己紹介をお願いします。
苅宿
熱構造系のマネージャーをしています、苅宿(かりしゅく)です。
社内では、衛生構造体全般の開発設計や検証試験を担当しています。
週末は、バイクで海に行って、海鮮丼を食べたり、写真も撮るので、各地の航空祭に行ったり、ラッコの撮影に行くということを満喫しています。
苅宿さんはラッコを愛しており、PCのデスクトップ画面やパーテーションなど、ありとあらゆる場所にラッコを置いて愛でています。
村上
構造系エンジニアの村上です。
社内では、主に再突入カプセルの行動設計、検証試験を担当しています。
休みの日は趣味のピアノを弾いたりコンサートに行ったり、車で出かけたりして過ごしています。
過去のお仕事紹介シリーズはこちら👇
#012 ElevationSpaceのお仕事紹介~電気系エンジニア編~
#007 ハイブリッドスラスタ燃焼試験プレスリリースを徹底解説!
#006 システムマネージャーのお仕事
「熱・構造系」とはそもそも?
― 衛星開発において「熱・構造系」というのは具体的にどういう部分を担っているのか教えてください。
苅宿
我々は、宇宙で実証・実験したいものを衛星に搭載して、宇宙空間で実験したり、宇宙環境に曝露させたりした後、それらの装置や材料を地球に持ち帰ってくる、宇宙環境利用・回収プラットフォーム「ELS-R」というものを開発しています。
この「ELS-R」でメインとなる構造体は、衛星の主構造である筐体、再突入カプセル、そして軌道を離脱し地球に帰ってくるために必要なハイブリッドスラスタの3点です。
他にも、電気制御系・姿勢制御系など、様々なものから構成されているんですが、熱・構造系チームとしては、そうした構造体の研究開発・設計検証、フィードバック設計などを行っています。
また、つい先月実施したような高空落下試験、振動試験なども担当しています。
こうした試験は打ち上げに向けてまだ続いていく予定で、試験の結果を受けてさらなる設計検討を行うなど、データを積み重ねて着実に開発を進めているところです。
高空落下試験に関するプレスリリースはこちら👇
ー 熱・構造系のメンバーは現状5人とのことですが、皆さんの役割分担はどのようになっていますか?
苅宿
熱設計者である西川と、村上を含め、構造体の設計・検証を全般的に行うメンバーがいます。
自己紹介の中で、村上は再突入カプセルがメインというお話をしましたが、主な担当パーツは決めつつ、お互いに補い合いながら対応しています。将来的には、全員が全体を見られるような形になることを目指しています。
熱設計担当の西川さんが出演した回はこちら👇
#009 ElevationSpaceにようこそ!NEW FACE社員のご紹介
主要部品~ネジ1本まで 守備範囲の広い構造系
ー お仕事の楽しい点・ハードな点を教えてください。
村上
私が考える楽しい点は、宇宙業界の中でも、なかなか経験できない試験を経験できる点かなと思います。
例えば、「風洞試験」といって大きいトンネルに試験するものを設置して風を流す試験があるんですが、なかなかできない試験のひとつです。
また、先ほど話に出た高空落下試験も、カプセルをやっていないとあまりやらないかなと。
そういう試験が経験できて、自分も携われるというところはなかなか珍しいかなと思っています。
参考:「風洞」ってこういうものです👇(JAXA WEBサイト)
一方でハードだなと思う点ですが、構造系は特に、守備範囲が広いと感じます。
大きい主要部品からネジ 1 本に至るまで、形があるものはほぼ全て構造系の担当ということで、かなり担当する範囲や物の数も多いというのがあります。
あとは細かいところですけど、海外の規格やスペックで調達しなければならない部品などがあると、調達しづらかったり、すぐに物が手に入らないというような現実的な大変さもあります。
苅宿
私は前職が大手重工だったんですが、そういったところですと、縦割りの組織の中で仕事をするということが多く、自分ひとりで対応できる業務の範囲が限られてしまうということがありました。
その点、ElevationSpaceでは、自分がやりたいと思ったことがほぼ全てできるという良さがあります。
基本計画から設計、試験の計画、試験…と自分がやりたいところが全てできるのは魅力だと思っています。
やっぱり設計したものを自分で組み立てて、それを動かすというのは非常に面白いところですよね。
一方のハードな点と言いますと、スタートアップですので、的確なタイミングで、短期間でアウトプットを出さなきゃいけないというところについては、難易度が高いかなと思っています。
ただ、それをやり遂げた時の達成感というのは何物にも代えがたいものがあります!
ー ありがとうございます。
確かに、図面から書き起こして、それが物として出来上がってきて、それをさらにヘリコプターから落とす現場まで行く、落としたものを船で回収に行くというところまで携われる…一気通貫で、最初から最後まで面倒見られることや、出来上がっていく様子を自分の目で見ていられるというのはスタートアップならではですよね。
熱・構造系チームが考える、宇宙と親和性の高い業界
ー おふたりは前職でも宇宙に関わっていらっしゃったとのことですが、どういうお仕事をされていたんでしょうか?
苅宿
私は高専を卒業した後、飛翔体関連企業で約10年勤務していました。
その後は転職して、15年ほど大手重工に勤め、ガスタービンの本体や燃焼器の研究開発に従事していました。
そうしたバックグラウンドなので、飛翔体のこともある程度知っていますし、大手重工で燃焼をやっていた経験もあるため、「ELS-R」に搭載するハイブリッドスラスタにも、自分の知識が発揮できると思っています。
もちろん、制御系など新しく勉強するところもありますが、自分の知識をベースに、起きている事象を理解しながら進められるので、その点はやりがいに感じています。
村上
私は前職の企業が宇宙分野もやっていまして、はやぶさカプセルに代表されるような科学探査ミッションで用いられるような、衛星と衛星、衛星とカプセルを切り離す装置(バネ)を作っているメーカーにいました。
そこでは、作った装置について試験を行い、データを取って評価するというような仕事をしていました。
初号機「あおば」でも同じメーカーのバネを使うため、私にとっては懐かしいというか、馴染みのあるバネです。
衛星からバネでカプセルを切り離す「分離衝撃試験」の様子はこちら👇
ー おふたりはたまたま、どちらも宇宙経験者ということですが、ElevationSpaceのエンジニアの皆さんは、宇宙業界経験者と宇宙以外の業界から転職されてきた方のバランスが良いと感じています。
熱・構造系に関して、求められるスキルセットや応用できる経験などがあれば教えてください。
苅宿
熱・構造系に関しては、メーカーなどで基本設計、計画設計に対応されてきた方であれば、充分に我々の分野にも対応できるかなと思っています。
また、例えばレース車両など、受注ごとに製品の仕様が異なり、同じものを繰り返して生産しない「一品一葉」の領域で開発をやって来られた方は、短いスパンでいろいろなものを作ることや、自分たちで組み立てていくという経験もあると思いますので、宇宙業界とも親和性が高いんじゃないかと思います。
村上
宇宙業界では、特に軽量化が求められるとか、設計にあたっての思想や要求事項という点で、他の領域と「気にしなくてはいけない点が異なる」というようなことがあります。
私としては、そうした違いに対応できるマインドがあれば大丈夫なのかなと思ってます。
立体を作って組み立てていく3DCADソフトは使えたほうがいいと思いますが、構造系の方であれば、これは何かしら使ったことがあると思います。ソフトによる細かな違いはありますが、操作はほとんど同じですので、あまり心配ないと思います。
募集中のポジションについて
ー 現在募集中のポジションについて教えてください。
苅宿
機構設計のポジションを、1名だけでなく、2~3名採りたいと思っています。
このポジションに求められるのは、機構設計の経験をはじめ、構造解析、冷却設計の経験。あとは内燃機関や機体などのCFDを回したことがある方がいれば、ぜひ応募いただきたいと思います。
ここで挙げたすべての経験を、広範囲に持っている方というのは基本いないと思っていますので、1点でもマッチしてるなと思い当たる方は、ぜひご連絡ください!
ー 柔軟に挑んでいくマインドや、今までの考え方を新しい領域にフィットさせるような考え方の方であれば、ご活躍いただけそうですよね。
苅宿
その通りです。
あとは、仙台、東北で宇宙関係をやっている会社というのはほとんど無いんじゃないかと。もちろん皆無ではないんですが、大学初のスタートアップとしては唯一だと思います。
「東北で宇宙の仕事をやりたい」という方は、ぜひご応募いただきたいと思います。
ー とってもいい住環境ですし、休みの日に温泉やツーリングに行くなど、いい過ごし方ができると思います!苅宿さん、村上さん、本日はありがとうございました!
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