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ABEMA TV 世代間格差特集の感想 印象論と説教で再反論を潰す高度な技術を見た。

高齢者優遇は本当?負担増で手取りにも影響が...現役世代が望む社会保障とは?

↑エラー出てますが、リンクは有効です。

基本的に次世代運動:北村達哉氏の議論のうち
増額していく社会保障費を誰が負担するか?という面について議論になっていた。
医療費自体に無駄が多いこと、医療システムが腐敗している、という点については無視されていた。

茂木健一郎氏の反論はすごくて

議論が荒い
厚生労働省の官僚はよく考えているはずだ
世代間対立を煽るな
高齢者にも豊かな人も貧しい人もいる
若者にも貧しい人も豊かな人もいる
面白くない
知的レベルが低い。
デマゴーク、ちゃんとした議論ができない。
北村氏は個人の人生を頑張ったほうが良い。
かなりくだらない。
合意形成をしなければならない
高齢者の方が医療が必要なのは当たり前
選挙に行く運動などをやったらどうか

という感じで、相手の反論を印象論、荒いと主張する印象論で潰すという荒業が見えた。実際、具体的なデータは全く出していないから、これに反論するのは難しい。科学者っぽい議論があったのは、「科学者として言うと」っていう枕詞だけだった。

もし反論するなら、それは哲学者ハリー・フランクファートが提唱した「ウンコな議論」ってやつですよね。

と返すくらいだろうか。
ウンコな議論を一行でまとめると「何の答えにもなっていないような答弁」だ。

さて、茂木氏の反論を要約するとこうだ。
「北村氏、あなたの話は間違っている。だが私はその根拠を示すことはできない」
これを山ほどの戯言で修飾していた。でもまあ確かに、嘘は言っていない。

これは知的に全く誠実ではない態度に感じた。
北村氏が上手く反論できなかったのは当然で、印象論と説教に終始しているので、論理的に反論できるポイントはないのだ。

番組を見て、考えるとすると「科学者なのだから印象論と説教に終始した反論はやめて、反証可能性のある生産的な主張をしてくれませんか?」と主張するのもありかも。めっちゃ怒られそうだけど。


議論の登場人物の殆どが、医療費負担が多いから、どのように医療費負担を払ってもらうか、という議論に終始していた。

医療費負担を減らす方法は、諸外国では当たり前に実施されているフリーアクセスの制限、自己負担割合の増加(これは議題に上っていた)、医療に対する監査の導入、本来であれば福祉・介護領域が担う業務を医療で行わない、不要な医療を減らす、モラルの回復などなど色々ある。
また若者の声が届かないことにしたって、シルバーファースト現象と民主主義の問題点についても話しても良かった気がする。

少なくとも僕がぱっと思い浮かぶだけでこれだけある。諸外国で実践されているものもある。が、どれも出なかった。現在の医療費は聖域で、削るべきではなくて、誰に多く支払ってもらうかが問題なんだ、でももう難しいよねっていうあきらめのムードが漂っていた。

それは結構さみしい。それこそ茂木氏が言っていた、日本人が30年かけて馬鹿になったから貧しくなっているってことなのかもね。

医療に無駄があるの、インサイダーとしてはそうだろ、以外の気持ちはないんだけど。




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