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アラフォー「ゲイ」のカミングアウト

こんにちは。
シロです。

数ある中から、この記事を見つけてくれて、読んでくださり、ありがとうございます。

腹グロい僕が、シロという名前をつけるのは、とっても恥ずかしいのですが、僕たちゲイカップルきのう何食べた?(よしながふみさんの作品)のリアル版だと言われることが、最近特に多いので、どうかお許しください。

僕(シロ)は、アラフォーの占い師で、母と二人暮らしをしています。
彼(ケンジ)とは、出会い系サイトで知り合って、付き合って5年になります。

いまは遠距離ですが、毎日電話をしたり、定期的に会ったりして、ほのぼのと幸せな毎日を送っています。
(そのうち、東京で二人暮らしを始めます)

ケンジと付き合う前…

僕は将来のことを考えて、いよいよ本気で女性と結婚することを考えていました。

でも、結婚を前提としたお見合いが始まると、途端に胸が締め付けられて、苦しくなって、女性からアプローチをされると拒否反応が出て、「やっぱり僕は、ゲイなんだ」と痛感しました。

僕が20歳の時…

長年付き合っていた彼女と別れて、ひょんなことから、生まれて初めてゲイの世界を知りました。

その時の衝撃は凄まじく、全身に衝撃が走りました!
まさか!?
こんな世界があったなんて!?

幼い頃から、結婚して子孫を残すことが正解だと思い込んでいた僕にとっては、男性と付き合うなんてありえなかったし、男性と付き合うことは、神様から罰が当たることだと思っていました。

だから、必死で自分で自分を矯正し、抑え込もうとしました。

でも、絶対にやってはイケナイことほど抑えきれないもので、ゲイへの興味は日に日に増して、遂には、変装して堂山(大阪のゲイのメッカ)へも行くようになりました。

ネットで色んな人と出会い、男性を好きになりたいのに、絶対に好きになってはいけないと抑え込み、辛くて、苦しい日々が、10年、15年と続いてゆきました。

40歳を前にして…

「もう、このままではいけない」と自分を奮い立たせて、本気で女性との結婚(婚活)を頑張りましたが、そもそも、したくもないお見合いして、女性に気を持たせ、女性と付き合い、最後は断って、本当にバカで失礼なことをやってしまいました。

僕に興味をもってくれた女性たちには、本当に申し訳ないことをしてしまったし、傷つけてしまったり、人としてやってはいけないことをしてしまったことを深く反省しています。

僕は、最低な奴でした。
心から、ごめんなさい。

自分の本心に素直に生きるとは…

時に過酷で難しく、自分もまわりも傷つけてしまいます。

目の前に起こること全ては、自分が蒔いた種で、自己責任なんだけれども、こんなにも沢山の人たちを巻き込み、傷つけてしまったことを、今もまだ、後悔しています。

結局、自分が自分らしくいなければ、自分も、まわりも不幸にする!
ということを思い知りました!

自分の人生、一度きりだから、もっとはやく、
「好きにすればいい」
「もっと自分
らしく生きればいい」
と言い聞かせて、勇気を出せばよかったです。

でも、ゲイであることは、自分だけの問題ではなく、時に家族や大切な人たちの期待を裏切り、ガッカリさせて、大きな痛みと苦しみを共感させなければいけません。

だからこそ、そんな簡単には割り切れないことだと思うし、それなら、自分が我慢して、隠して、ウソをつくことが良いと思ってしまいがちです。

隠して、ウソをつくのが嫌で、ダメなことだとわかっているから、いまの僕は、親しい人たちにカミングアウトしていますが、僕がゲイであることを隠して、ウソをついていた時、
「このままでいいのか?」
「偽りの自分は、本当に幸せなのか?」
「ゲイであることは、果たして、そんなに悪いことなのか?」

ずーっと考えていました。

ケンジは、長い間、海外に住んでいて、思考も行動も先進的で、まわりにカミングアウトもしているから、僕がウジウジ考えていることに対して、もどかしさを感じていたかもしれません。

でも、いつも、いつまでも、
「そのままでいいし、それでいい」
と言ってくれて、ただ傍にいてくれています。

そんな彼に、僕は惹かれています。

2年前のこと…

僕は、母にカミングアウトをしました。

本当は、心の準備をして、タイミングを見計らって告白する予定でしたが、その日は、突然にやってきました。

2年前のある日、ケンジから僕宛にプレゼントが届いて、配達のお兄さんから荷物を受け取った母が、
「この方は、誰?」
と聞かれて、僕の手は、震えました。

直観的に「告白は、いまだ!」と思いましたが、急に怖くなって、身構えてしまいました。

母をガッカリさせたくなくて「このままでいいや」と思いましたが、やっぱり、一生ウソをついて生きることが嫌で、
「この人は、僕にとって、とても大切な人だよ」
と言いました。

すると、
「あら、そう?わざわざ、こうしてプレゼントを贈ってくれるなんて、素敵な人ね」
と嬉しそうだったので、その勢いで、
「いま、僕がお付き合いしている人なんだよ」
と言ってみました。

この時、僕の心臓は飛び出しそうでした。
全身の震えが止まりませんでした!

…ヤバイ!言っちゃった…

そうして、母の返答を待ちました。

すると、
「あら、そう?よかったわね」
予想外の答えが返ってきて、びっくりしました。

母が事態を理解していないじゃないかと思って、僕は聞き返しました。

「いま僕が付き合っているのは『男性』、男なんだよ」

すると、
「わかってるわよ。それが何?」
これまた予想外の答えに、拍子抜けしました。

「お母さんは、僕を軽蔑しないの?」
「僕はゲイなんだよ」
「結婚もしないし、代々続いてきた家を滅ぼしてしまうんだよ」
「孫の顔も見せられないんだよ」
「それでもいいの?」

母に問い詰めましたが、ただ一言、
「あなたは、いま幸せ?」
とだけ聞かれました。

「もちろん!彼と出会えて、ようやく幸せになれたよ」
そう答えると、とっても嬉しそうでした。

あなたの幸せが一番!

あなたの幸せ以外に、何も要らないという母に、母の愛の深さを感じました。
僕は、母の子どもでよかったと、心から思いました。

てっきり、
「なぜ、男性が好きなの?」
「なぜ、男性なの?」
「女性は、無理なの?」
「いつから、お付き合いしているの?」
「どうやって、出逢ったの?」
「何をしている人?」

いろいろ聞かれると思っていました。

でも、実際は、全く違っていました。

僕は、自分勝手に、母から拒否されることを予想していましたから、軽蔑されて、否定されることばかりを思っていました。
だから最初は、素直に母の言葉が入ってきませんでした。

僕が、少し冷静になって、落ち着いた時、母にとって一番重要なのは、僕が幸せであることだと気づいた時、その母の深い愛を感じて、涙が込み上げてきました。

母を信じ切れなかったことに対して、ごめんなさいと思いました。

こんなことを書くと、
「そんなキレイ事はない!」
「そんなうまい話はない!」
と思われるかもしれません。

でも、これは、実際にあった話です。

決して、信じてくださいなんて言いませんし、信じられなくてもいいです。

ただ、僕は、母が僕にしてくれたように、僕にとって大切な人には、心から相手を祝福して、共に相手の幸せを喜べる人でありたいと思っています。

なぜ男性が好きなの?

いま、そんなふうに聞かれたら、いまでも僕は正直、ちゃんと答えられる自信がありません。

なぜなら、好きなものは好きで、なんか好きだから。
好きに意味も理由もなくて、僕はケンジが好き。
ただそれだけ。

だから、ゲイの人に、いや僕に「なんで男が好きなの?」なんて、聞かないでください。

このカミングをアウトを通して、本当に大切なコミュニケーションとは、言葉にできないものや言葉で伝えきれないものであって、相手に寄り添い、相手の幸せを願う見えない部分に、本心や愛が潜んでいるんだなって知りました。

本気で人を好きになるということ…

それは、とっても素敵なことで、人を愛することは尊いことです。

多様性が叫ばれる今、有難いことに、ゲイの立場が認められて、受け入れられて、普通でいられることが多くなりましたが、それでもまだ、勝手な興味や自分自身の納得の為に尋問されて、普通ではないことに対する「理由」を聞かれたりすることがあります。

でも、人を好きになることに理由なんてないし、理由なんて要らないです。
だから、ちゃんと答えなくていいです!

人を好きになれる自分に自信を持って、人を愛する自分を誇りに思って、あなたは、あなたにしか歩めない人生を進んでください。

最初は、自分のことだけを書くつもりが、最後には、おせっかいにもアドバイスまで書いてしまいました。

ごめんなさい。

これ以上書くと、おせっかいになってしまうので、今回は、この辺で終わりたいと思います。

いま、こうして、この記事を最後まで読んでくれた「あなた」に感謝しています。
読んでくれて、出会ってくれて、ありがとうございます。

僕は、あなたの幸せを祈っています。

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