タイ東北部ゾウ使いの家でのホームステイ<バーン・チャーン・ハイ> | ゾウの村 ランブル日記 by Tomoko
サワディカー、ゾウの村の住人です!
先日開催されたスリン象祭りは、国外からの観光客も多く、コロナ前のように大盛況でした。
さて、象祭りはスリン市街地で開催されましたが、以前ご紹介したように、スリンのゾウたちは本来「ゾウの村」と呼ばれる地域で暮らしています。
コロナ前、この地域ではタイ国政府観光庁などによって、地域ビジネスとして「ホームステイ」が推進されてきました。
パンデミックの影響で、活動を継続することが出来ない状況が長く続きましたが、今年の夏頃から徐々にゲストの受け入れを再開しています。今日はその中でも良心的なサービスを提供している「バーン・チャーン・ハイ」を紹介します。
バーン・チャーン・ハイとは?
バーン・チャーン・ハイはゾウの村の一つであるターティット村に位置しています。
経営するのは、このnoteの「スリン・ブリラムの失業ゾウ紹介」で紹介した失業ゾウのブンチュワイとワンディーのゾウ使いであるスワイさんです。
スワイさんはターティット村の失業ゾウ支援に尽力されており、私たちの失業ゾウ実態調査・支援への協力のみならず、村の失業ゾウたちと外部の支援者をつなぐ活動も行っています。また、今日ご紹介するバーン・チャーン・ハイの経営を通じて村の失業ゾウの雇用機会の創出も行っており、このnoteで紹介しているバーンイェンらも活動に参加しています。
「バーン・チャーン・ハイ」は日本語に直訳すると「ゾウが与えてくれる家」となります。ここでは、「ゾウがおもてなしをしてくれる家」というような意味合いが強いです。
スワイさんの家の敷地内にバーン・チャーン・ハイはあります。ここには、スワイさんと家族が暮らす母屋、トックテック、ベン、ワンディー、ブンチュアイが暮らすゾウ舎、そしてゲスト用の離れがあります。この離れが、ゲストルーム(エアコンもしくは扇風機付き)、トイレ・シャワールーム、キッチン(食器・調理器具完備)を備えたホームステイ用の宿泊施設となっています。
元々バーンチャーン・ハイは、コロナ前に急増していた欧米系のボランティアを受け入れるためにスワイさんが建てました。当時は、国外のNPOの活動に参加するボランティアたちがこの施設に宿泊しながら、ゾウの食糧不足などこの地域の抱える問題を解決するために様々な活動を行っていました。
ですが、コロナによってNPOが活動を休止し、国外からの来客がなくなったことや、コロナの感染予防の観点から、二年以上ゲストの受け入れを中止していました。
コロナが落ち着き始めた2022年夏頃から主に研究者や大学生といったタイ人ゲストの受け入れを再開し、現在はほぼ通常通り国内外のゲストを受け入れています。
また、スリン県・ブリラム県の失業ゾウ実態調査・支援の中で、チームメンバーとスワイさんの家族が協力して、バーン・チャーン・ハイを通じた失業ゾウや現地の人々の雇用・収入創出の支援も行っています。現在、私も含めたチームメンバーがバーン・チャーン・ハイの窓口となるとともに、運営にも参加しています。
以下では、バーン・チャーン・ハイで出来る体験を紹介していきます!
1. ゾウと触れ合える
バーン・チャーン・ハイの宿泊施設はゾウ舎の目の前にあります!
ゾウ舎ではブンチュアイ、ベン、ワンディー、トックテックが暮らしているので、バーン・チャーン・ハイに滞在中は、ゾウたちがクアイの人々と生活する様子を間近で見ることが出来ます。
また、スワイさんやスワイさんの甥っ子などゾウ使いが近くにいるときは、ゾウたちと触れ合うことが出来ます。スワイさんの娘さんが販売している果物カゴを購入して、ゾウたちにおやつをあげると、ゾウたちが喜びます。
なお、ゾウは見知らぬ人に対しては警戒心を抱いています。ゾウ使いがいない時に触れたり、食べ物を与えようとすると、驚いて人に怪我をさせてしまうこともあるので、ゾウ使いがいない時は彼らの鼻が届かない位置から眺めるようにしましょう。
2. 地元の食材を使った家庭料理が味わえる
この地域に暮らす人々はクアイもしくはクーイというエスニック・グループの人々です。
彼らが普段食べているのは、タイ料理やイサーン料理とは少し異なる、クアイの家庭料理です。クアイの料理は、近くに流れる川で獲れた魚やエビ、自宅で育てた野菜や地鶏など地元の食材を使用しており、スリン県内のレストランでもなかなか食べることが出来ません。
そんなクアイの家庭料理が、バーン・チャーン・ハイではなんと宿泊費に含まれています。スアイさんの奥さんと近所のお母さんたちが作ってくれるクアイの夕食をぜひご堪能ください!
アレルギーや食べることの出来ない食材があれば、予約の際にお知らせください。また、おかずの内容等は季節や宿泊者数によって変動することがあります。
3. ロットイテン(農業用改造自動車)で村の観光が出来る
「ゾウの村」と呼ばれる地域は、「エレファント・キャンプ」のような観光地ではなく、クアイの人々とゾウが暮らす普通の農村です。そのため、観光で訪れても、観光施設以外ではどこにゾウがいるのかわからない、何があるのかわからないといった場合があります。
そこで、バーン・チャーン・ハイではロットイテンと呼ばれる農業用改造自動車(写真の赤い車)で村の案内を行なっています。ロットイテンは、他の地域では主に収穫した農作物を運ぶために使われていますが、この地域ではゾウの食糧を運ぶために使われてきた車です。
インスタ映えするバーン・チャーン・ハイのロットイテンに乗って風を感じながら、村のおじさんたちのガイドで村を回ってみるのはいかがでしょうか?
なお、どこを回るかは、時期、天候、曜日などによって異なります。日によっては地元の市場や、近所のゾウのお宅を回れます!
4. 他とは違うカヤック体験が出来る
ターティット村は、チー川に面しており、ゾウたちがよく水浴びをしています。バーン・チャーン・ハイではそんなチー川で、カヤックの体験をすることが出来ます!
カヤックではチー川をのぼってターティット村の自然を満喫することが出来ます。川から眺める村の様子や、ゾウたちの姿は、陸から見るものとは少し違っているので、一見の価値ありです。
また、ゾウが水浴びしているところに遭遇することもあります!
チー側の流れはゆったりとしており、救命着も用意されているので、初心者でも安心して自分のペースで漕ぐことが出来ます。
5. ゾウとの散歩orゾウ乗り体験&水浴びが出来る
バーン・チャーン・ハイのアクティビティの中で一番のおすすめで、ぜひみなさんに体験していただきたいのは、ゾウとの散歩もしくはゾウ乗り体験とゾウとの水浴びです!
バーン・チャーン・ハイからゾウと散歩しながら、もしくはゾウの背中に直接乗ってチー川に向かいます。チー川に着いたら、ゾウの背中に乗って一緒に水浴びするも良し、水遊びするも良し!ゾウたちは水浴びが大好きなので、思いっきり楽しむことが出来ます。
水に入りたくない場合は、川辺でゾウの水浴びを見学する形でも大丈夫です。夕日が沈みかけた川でのゾウの水浴びは映えるので、写真撮影にもおすすめです。
料金とアクセスについて
<料金>
バーン・チャーン・ハイでは、ここで紹介した以下の全てのサービスが含まれたプランをお一人様2,500バーツ(扇風機の部屋)/2,600バーツ(エアコンの部屋)で提供しています(2022年12月現在)。※ゾウにあげるおやつ代のみ別途必要
一泊二日の宿代
地元の食材を使った夕食と朝食
ロットイテンでのゾウの村の周遊
カヤック体験
ゾウ乗り/ゾウとの散歩と水浴び
プランについてはアレンジすることも可能です。
なお、オプションで以下のサービスを付けることも出来ます。料金は時間などによって異なるので、予約の際にお問い合わせください。
タイマッサージ
送迎サービス
<バーン・チャーン・ハイへのアクセス>
バンコク方面から自家用車で来られる場合は、ブリラムの市街地から北上し、サトゥックから東に入るか、スリンのプラサートから北上して、ジョムプラとタートゥームの間を西に入るのが基本ルートとなります。
車もしくはバイクはスワイさんの家の敷地内に駐車することが出来ます。
また、公共交通機関を利用する場合は、ブリラム空港、ブリラム県のサトゥックバスターミナルが最寄りとなります。空港やバスターミナルからターティット村までの公共交通機関はないので、事前に予約して空港等でレンタカーを借りることをおすすめします。また、バーン・チャーン・ハイの送迎サービスもご利用頂くことも可能です。
ブリラム空港や近隣のバスターミナルまでの送迎を希望される場合は、ミニバン一台当たり1,000バーツから手配が可能です。一回の送迎の上限は10名となります。距離に応じて料金が変わるので、詳しくは予約の際に担当者にお問い合わせください。
最後に…
ここではターティット村の「バーン・チャーン・ハイ」を紹介しました。他の地域では出来ないアクティビティを2,500バーツ〜2,600バーツで体験出来るので、本当におすすめです!
これは裏話ですが、私たちがターティット村での失業ゾウ実態調査を行った際、スワイさんのお話しを伺い、私たちチームメンバーは料金もサービスも良心的すぎて元が取れていないことを指摘しました。それに対してスワイさんと奥さんは、ゲストの方々がここでゾウと触れ合って、満足して帰ってもらえたらそれで十分なのだということを語っていました。
もしバーン・チャーン・ハイにお越しいただき、満足して頂けたら、外国人も温かく迎えてくれるスワイさんやご家族、そしてゾウたちにチップでお礼を渡していただけたら私たちは嬉しいです。
予約やお問い合わせについては、以下のFacebookページからメッセージをお送りください。タイ語、英語での対応が可能です。日本語の場合は、原文とともにgoogle翻訳などでタイ語翻訳をつけてください。
タイ語が出来る方は、お電話での予約も可能です。電話番号は、Facebookページに記載されております。
予約の際には、下記の情報も合わせてお送りください。
①氏名(パスポート記載のもの)、②宿泊予定日、③宿泊人数(性別と子供の有無も併せてお知らせください)、④予約する部屋の数(エアコン/扇風機)、⑤メールアドレス、⑥タイの携帯番号
希望するアクティビティもお忘れのないようお伝えください。
なお、今後のコロナの感染状況や、国内の法令等の関係で、ゲストの受け入れやサービスの提供の可否が変わる可能性もありますので、どうかご了承ください。また、宿泊や体験には予約が必要なので、事前予約をお忘れなく!
ぜひゾウたちに会いに、バーン・チャーン・ハイにお越しください!