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四谷シモン

四谷シモンは、1944年7月12日に東京・五反田で生まれた。

幼少期から人形に強い興味を持ち、父はタンゴの楽師、母はダンサーという芸能一家で育ちました。家庭内の不和や母親の影響を受けながら、彼は人形作りを始めます。特に、9歳の頃に母が家出したことが彼の人生に大きな影響を与え、その後の人形制作への情熱を育むきっかけとなりました。

1960年代初頭、四谷は川崎プッペや林俊郎などの人形作家に師事しながら、独自のスタイルを模索します。1965年には雑誌『新婦人』でハンス・ベルメールの作品に触れ、その衝撃から球体関節人形の制作を始めることになります。この出会いが彼の創作活動における転機となり、以降は自己愛や人形愛を作品を多発表するようになります。
彼はまた、唐十郎率いる状況劇場に参加し、女形としても活躍しました。この時期には澁澤龍彦との交流が深まり、彼から多くの影響を受けました。1972年には「10人の写真家による被写体四谷シモン展」が開催され、ここで展示された「ドイツの少年」が彼の名声を高めるきっかけとなります。

1973年には初めての個展「未来と過去のイヴ」を開催し、大成功を収めます。この展覧会では彼の代表作が展示され、多くの作品が売れました。以降もエコール・ド・シモンという人形学校を設立し、多くの弟子たちに技術を伝える一方、自身も精力的に作品制作を続けました。

四谷シモンはその後も多くの展覧会やメディア出演を通じて、日本国内外で高い評価を受け続けています。特に彼の作品は、人形という存在を通じて自己探求や社会への問いかけを行うものであり、その独特な美学と哲学的な深さが評価されています。近年では、澁澤龍彦へのオマージュとして「天使シリーズ」を制作するなど、彼自身の内面的な探求も続いています。
四谷シモンは、日本における球体関節人形制作の第一人者として知られ、その作品は単なる芸術品ではなく、人間存在や死、生といったテーマについて深く考察するものとなっています。

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編集中

外部サイト
エコールドシモン人形学校
X(Twitter) @simon_yotsuya
アートぺディア

トップ画像引用元
https://kagawatrip.com

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