Upakramaウパクラマ
ウパクラマの目標はDosha Saamyataドーシャ サーミャタ(संयत)です。
Dosha Saamyata(ドーシャ・サーミャタ)
という用語は、アーユルヴェーダにおいて非常に重要な概念です。
直訳するとドーシャの均衡という意味になります。
感覚器官に対する完全な制御を達成することであり、グナのバランスを取り、Panchabhouthika パンチャブーティカ(5 つの要素から成る)の安定性を達成することです。健康な状態とはドーシャがバランスよく存在している状態、すなわちドーシャ・サーミヤタの状態であると考えられています。
例)バランスが崩れたドーシャの様々な身体的・精神的な不調
ヴァータの不均衡:便秘、乾燥肌、不安、不眠など
ピッタの不均衡:消化不良、炎症、怒り、イライラなど
カパの不均衡:体重増加、倦怠感、粘液過多、抑うつなど
Pradhanatama Upakramaプラダーナタマ ウパクラマ
治療の開始点や主要なアプローチを指す言葉です。
プラーダナ: 主な、主要な
タマ: 要素、要素
ウパクラマ: アプローチ、取り組み
アーユルヴェーダの治療において最初に何に焦点を当てるべきか、最も効果的な治療法は何かを選択する時に個々の患者の体質(プラクリティ)、現れている症状(ヴィクリティ)、そして生活習慣などを総合的に判断します。
その際プラーダナタマ・ウパクラマが指針となります。
ドーシャ別の指針
ヴァータ体質の人が便秘に悩んでいる場合、まずは潤いを補い、ヴァータを鎮めるための食事療法やアビヤンガ(オイルマッサージ)がプラーダナタマ・ウパクラマとなります。
ピッタ体質の人が胃炎に悩んでいる場合、まずはピッタを冷却し、消化を助けるためのハーブ療法や冷却剤がプラーダナタマ・ウパクラマとなります。
カパ体質の人が水分が多く、冷え性、消化不良、倦怠感などの症状がある場合、体内の熱を生み出し、消化力を高め、そしてカパを減らすことを目的としたプラーダナタマ・ウパクラマとなります。
ウパクラマの例
アビヤンガ:薬用オイルを使ったマッサージ
スウェダナ: 薬用煎じ薬から出る蒸気を利用して発汗を促す処置
シロバスティ:薬用オイルを頭に30~45分間置く施術
ジャヌ・バスティ: 膝関節周囲を温かい薬用オイルで満たす処置
カティ・バスティ: 背中上部または下部の疲労を軽減するためにオイルを置く処置
ウドヴァルタナ: レパムと呼ばれるハーブペーストで体をマッサージすること
パトラ・ピンダ・スウェダ:刻んで炒めた薬用の葉で体をマッサージすることによって神経筋障害を治療する施術
グリーヴァ・バスティ:首と肩の若返りのバスティ
ネトラタルパナ: 目の若返り、健康を目的としたバスティ
Addhya Upakrama.アディヤ・ウパクラマ
アディヤは「半分」または「部分的」を意味します。
アディヤ・ウパクラマは特定の治療の用量を減らしたり、強度を低くしたりして
全量を投与する前に特定の薬や治療に対する患者の耐性を評価するために使用されます。
低用量から始めることで副作用のリスクが軽減し、患者の反応に基づいて治療を段階的に調整できます。
具体的には治療強度を変更したり低減するために個々の患者の状態に基づいて決定されます。
アディヤ・ウパクラマは個々の患者に現実に対応するために必要ななウパクラマです。