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二匹の虎のお話

ジョホールの紋章では白い盾を2匹の虎が支えています。近代ジョホールの父ことサルタン・アブ・バカールによって定められたこの紋章は、英国のデザインに影響を受けていると言われています。

上には王冠を戴き、イスラム王国である象徴として月と星。四隅の星はジョホール、ムアー、バトパハ、エンダウの4つの領地であり、ジョホールにはライオンはいないので守護動物は虎。それも伝説の虎です。ちゃんと名前もあって、左はデンキス(DENGKES)右はトゥポッ(TEPOK)です。虎たちを支えるのは、当時のジョホールの経済の基盤となっていた胡椒とガンビル。青いリボンにJAWI(アラビア文字)で書かれているモットーは【Kepada Allah Berserah】(アラーに従いてという意味です)。

二匹の虎は、王位への道を開いた伝説の虎だそうで、よく見るとデンキスの爪は2つ、トゥポッには爪が3つあります。決して間違って描かれているのではなく、またどちらか一匹には歩行障害があったんだそうです。

1880年代から1940年代にかけて、この虎たちはジョホールの東海岸で吼え
まくっていたらしく、いくつかの宮殿や建物では生乾きだったセメントの上に残った不揃いな爪跡や三本足の虎の足跡が今でも見られるとのこと。

現在のジョホール州政府の紋章では、虎の爪はまったく普通に見えるのですが、ジョホールの宮殿(Istana Besar)にある玉座の足は、二匹の虎の伝説を伝えていくために不揃いの虎の爪が地球を掴んでいる意匠なんだそうです。

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