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平成22年度 機械科目 問4 電験3種過去問


問題

出典:平成22年度第三種電気主任技術者機械科目A問題問4

考え方

この問題は、巻線形三相誘導電動機の比例推移に関する問題である。
全負荷トルクにおけるすべりを$${s_{1}}$$、二次巻線の抵抗を$${R_{2}}$$とする。抵抗$${r}$$を追加した時のすべりを$${s_{2}}$$とすれば、

$$
\frac{R_{2}}{s_{1}}=\frac{R_{2}+r}{s_{2}}\tag{1}
$$

が成り立つ。
比例推移については、関連記事の三相誘導電動機のトルク-すべり特性で解説している。

解答例

抵抗$${r}$$を追加した時の回転速度は$${1200\,[\rm{min^{-1}}]}$$なので、すべり$${s_{2}}$$は、同期速度$${N_{0}\,[\rm{min^{-1}}]}$$を用いて、

$$
s_{2}=\frac{N_{0}-1200}{N_{0}}\tag{2}
$$

となる。
同期速度$${N_{0}\,[\rm{min^{-1}}]}$$は、

$$
N_{0}=\frac{120f}{p}=\frac{120\times 50}{4}=1500\,[\rm{min^{-1}}]\tag{3}
$$

となるので、式(2)に代入すると、

$$
\begin{align}
&\notag\\
s_{2}&=\frac{1500-1200}{1500}=0.2\tag{2}\\
\end{align}
$$

と求まる。
式(1)より、二次回路に追加するべき抵抗$${r}$$は、

$$
\begin{align}
\frac{R_{2}}{s_{1}}&=\frac{R_{2}+r}{s_{2}}\notag\\
\frac{0.5}{0.04} &= \frac{0.5+r}{0.2}\notag\\
0.5+r &= \frac{0.5}{0.04} \times 0.2\notag\\
r &= 2.5-0.5\notag\\
&= 2.0 \,{\rm{Ω}}\tag{3}
\end{align}
$$

と求まる。よって、答えは(1)である。

関連記事

三相誘導電動機のトルク-すべり特性
https://note.com/elemag/n/n6b765becf5ef?sub_rt=share_pw

サイト

https://sites.google.com/view/elemagscience/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0

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