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令和4年度上期 理論科目 問15 電験3種過去問


問題

出典:令和4年度上期第三種電気主任技術者理論科目B問題問15

考え方

この問題は、(a)は、1相分で考えていく。Δ結線はΔ-Y変換を行う。
(b)は、問題文より、端子a, b, cから流入する線電流の大きさが等しいという条件を使いながら考えていく。

解答例1

(a)
問題文の回路図にΔ-Y変換を行うと、図1のようになる。

図1 Δ-Y変換後の回路

図1の$${R_{1}, R_{2}, R_{3}}$$の値は、それぞれ、

$$
\begin{align}
&\notag\\
R_{1} &= \frac{20\times 20}{20+20+60}=4\,{\rm{Ω}} \tag{1}\\
R_{2} &= \frac{20\times 60}{20+20+60}=12\,{\rm{Ω}} \tag{2}\\
R_{3} &= \frac{20\times 60}{20+20+60}=12\,{\rm{Ω}}\tag{3}\\
\end{align}
$$

となる。
問題文において、端子a, b, cから流入する線電流の大きさが等しいという条件があるので、1相分の等価回路は、どの相で考えても同じである。a相で考えると、抵抗$${R}$$の値が分かっていないため、b相の1相分の等価回路を示すと、図2のようになる。

図2 1相分の等価回路

1相分の無効電力$${Q_{1}}$$は、問題文より、

$$
\begin{align}
&\notag\\
Q_{1}&=\frac{1.6\times 10^{3}}{3}=0.533\,{\rm{kvar}}\tag{4}\\
\end{align}
$$

と求まる。よって、抵抗で消費される電力$${P_{1}}$$は、

$$
\begin{align}
&\notag\\
{S_{1}}^{2}&={P_{1}}^{2}+{Q_{1}}^{2}\notag\\
P_{1}&= \sqrt{\left(\frac{200}{\sqrt{3}}\times 7.7\right)^{2}-\left(0.533\times 10^{3}\right)^{2}}\notag\\
&= 711.6\,{\rm{W}}\tag{5}
\end{align}
$$

よって、三相負荷の力率は、

$$
\cos(\theta)=\frac{P_{1}}{S_{1}}=\frac{711.6}{\frac{200}{\sqrt{3}}\times 7.7}=0.8\tag{6}
$$

と求まる。よって、(a)の答えは(4)である。

(b)
問題文で端子a, b, cから流入する線電流の大きさが等しいという条件がある。そのため、図1のどの1相分を抜き出しても、インピーダンスが等しくないといけない。リアクタンスは全ての相で等しいので、残りの抵抗が全て同じでないといけない。
よって、

$$
\begin{align}
R+R_{1}&=R_{2}=R_{3}=12\notag\\
R+4&=12\notag\\
R&=8\,{\rm{Ω}}\tag{7}
\end{align}
$$

となる。よって、(b)の答えは、(2)である。

解答例2

(a)
図2より、インピーダンスから力率を求めることができ、

$$
\begin{align}
\cos(\theta)&=\frac{R_{3}}{Z}\notag\\
&=\frac{12}{\sqrt{12^{2}+9^{2}}}\notag\\
&= 0.8\tag{8}
\end{align}
$$

となる。

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サイト

https://sites.google.com/view/elemagscience/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0

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