令和2年度 機械科目 問1 電験3種過去問
問題
考え方
この問題は、直流他励電動機に関する問題である。トルク$${T}$$は、
$$
T = K_{T}\Phi I_{a} \tag{1}
$$
$${K_{T}}$$:比例係数、$${\Phi}$$:磁束、$${I_{a}}$$:電機子電流
で求まる。回転数$${N}$$は、
$$
E = K_{g}\Phi N \tag{2}
$$
$${K_{T}}$$:比例係数、$${\Phi}$$:磁束、$${E}$$:逆起電力(電機子電圧)
で求まる。あとは、回路図を書いて、問題で与えられた条件を考えていく。
解答例
直流他励電動機の等価回路を図1に示す。
(ア)
直流他励電動機は、界磁回路を別電源から供給するものである。図1から、明らかなように、磁束は界磁電流$${I_{f}}$$に比例する。
(イ)
式(1)より、比例係数は係数なので、一定である。そのためトルク$${T}$$は、磁束か電機子電流に比例するが、磁束は一定の条件下なので、電機子電流に比例する。
(ウ)
式(2)を変形すると、
$$
N = \frac{E}{K_{g}\Phi} \tag{3}
$$
となる。式(3)において、比例係数は一定であり、磁束も問題文より一定としている。回転数が比例して増減するのは、電機子電圧のみである。
(エ)
問題文dでは、電機子電圧を一定にするとしている。この条件で磁束を増減させると式(3)より、磁束に反比例した回転数が得られる。(ア)の解答は界磁電流であった。したがって、(エ)を考える際は、界磁電流によって回転数が制御される状況を考えないといけない。界磁電流は磁束と比例関係にある。また、電機子電圧が一定である状況を考慮すると式(3)は、
$$
N = \frac{E}{K_{g}\Phi} \propto \frac{1}{I_{f}} \tag{4}
$$
となる。よって、界磁電流を弱めるとき(小さくする)は、回転数を上昇させたい場合となる。
よって、答えは、(1)である。
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サイト
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