令和4年度下期 理論科目 問5 電験3種過去問
問題
考え方
この問題は、ブリッジ回路の部分が平衡状態であることに気が付ければ、容易に解くことができる。ブリッジ回路が平衡状態であるということは、$${12\,{\rm{Ω}}}$$の抵抗には、電流が流れないため取り除いても回路上問題ない。よって、回路が簡単になる。
ブリッジ回路が平衡状態であることに気づけなくても、ブリッジ回路をΔ-Y変換して解いていけば良い。
解答例1
ブリッジ回路の平衡状態を確認すると、
$$
4\times 10=8\times 5=40\tag{1}
$$
となっており、平衡状態にあることがわかる。よって、問題の回路図は、図1のようになる。
回路を流れる電流$${I}$$は、
$$
I=\frac{1.8}{3}=0.6\,{\rm{A}}\tag{2}
$$
と求まる。
並列回路の合成抵抗$${R_{0}}$$は、
$$
R_{0}=\frac{9\times18}{9+18}=6\,{\rm{Ω}}\tag{3}
$$
となる。よって、並列回路で発生する電圧$${V_{1}}$$は、
$$
V_{1}=IR_{0}=0.6\times 6=3.6\,{\rm{V}}\tag{4}
$$
となる。よって、電源電圧$${E}$$は、
$$
E= 3.6+1.8=5.4\,{\rm{V}}\tag{5}
$$
と求まる。よって、答えは(3)である。
解答例2
ブリッジ回路の右側にΔ-Y変換を行うと、図2のようになる。
図2において、抵抗$${R_{1},R_{2},R_{3}}$$の値はそれぞれ、
$$
\begin{align}
&\notag\\
R_{1}&=\frac{5\times 12}{5+10+12}=2.22\,{\rm{Ω}}\tag{6}\\
R_{2}&=\frac{10\times 12}{5+10+12}=4.44\,{\rm{Ω}}\tag{7}\\
R_{3}&=\frac{5\times 10}{5+10+12}=1.85\,{\rm{Ω}}\tag{8}\\
\end{align}
$$
と求まる。
図2の並列回路の合成抵抗$${R_{0}}$$は、
$$
R_{0}=\frac{6.22\times12.44}{6.22+12.44}=4.15\,{\rm{Ω}}\tag{9}
$$
となる。よって、抵抗$${R_{3}}$$と並列回路で発生する電圧$${V_{1}}$$は、
$$
\begin{align}
V_{1}&=\left(R_{3}+R_{0}\right)I\notag\\
&= \left(1.85+4.15\right)\times 0.6\notag\\
&=3.6\,{\rm{V}}\tag{10}
\end{align}
$$
と求まる。よって、電源電圧$${E}$$は、
$$
E= 3.6+1.8=5.4\,{\rm{V}}\tag{11}
$$
と求まる。よって、答えは(3)である。
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