平成24年度 機械科目 問7 電験3種過去問
問題
考え方
この問題は、単相変圧器に関する問題である。電圧変動率$${\varepsilon}$$の計算は近似計算を使用するので、
$$
\varepsilon = p\cos(\theta)+q\sin(\theta)\quad[\%]\tag{1}
$$
$${p}$$:%抵抗降下、$${q}$$:%リアクタンス降下、$${\theta}$$:力率
で求まる。
解答例
二次側にリアクトルを接続したとき、力率は$${0}$$、電圧変動率$${\varepsilon}$$は$${5\%}$$なので、式(1)より
$$
\begin{align}
5 &= q\times 1\notag\\
q &= 5\%\notag\\
\end{align}
$$
と求まる。
次に、抵抗器を接続したときは、力率$${1}$$、電圧変動率$${2\%}$$なので、
$$
\begin{align}
2 &= p\times 1\notag\\
p &= 2\%\notag\\
\end{align}
$$
となる。
関連記事を参考に%抵抗降下および%リアクタンス降下は、次のように表現できる。
$$
\begin{align}
p &= \frac{R_{2}I_{\rm{2n}}}{V_{\rm{2n}}}\times 100 \quad[\%]\tag{2}\\
q &= \frac{X_{2}I_{\rm{2n}}}{V_{\rm{2n}}}\times 100 \quad[\%]\tag{3}\\
\end{align}
$$
$${R_{2}}$$と$${X_{2}}$$はそれぞれ二次側からみた合成抵抗とリアクタンスである。問題分では、一次側からみた値が与えられている。
巻数比を$${a}$$とすると、式(2)および(3)は、一次側から見た合成抵抗$${R_{1}}$$とリアクタンス$${X_{1}}$$を用いて、
$$
\begin{align}
&\notag\\
p &= \frac{\frac{R_{1}}{a^{2}}I_{\rm{2n}}}{V_{\rm{2n}}}\times 100 = \frac{R_{1}I_{\rm{2n}}}{a^{2}V_{\rm{2n}}}\times 100 \quad[\%]\tag{4}\\
q &= \frac{\frac{X_{1}}{a^{2}}I_{\rm{2n}}}{V_{\rm{2n}}}\times 100 = \frac{X_{1}I_{\rm{2n}}}{a^{2}V_{\rm{2n}}}\times 100 \quad[\%]\tag{5}\\
\end{align}
$$
と表せる。二次側に流す電流はどちらも同じなので、式(4)および(5)において、
$$
A = \frac{I_{\rm{2n}}}{a^{2}V_{\rm{2n}}}\times 100\notag
$$
は定数となる。
よって、式(4)および(5)は、
$$
\begin{align}
&\notag\\
p &=AR_{1} \quad[\%]\tag{6}\\
q &= AX_{1}\quad[\%]\tag{7}\\
\end{align}
$$
と表すことができる。
式(6)より、
$$
\begin{align}
2 &= A \times 10\notag\\
A &= 0.2\notag
\end{align}
$$
と求まる。式(7)より
$$
\begin{align}
5 &= 0.2 \times X_{1}\notag\\
X_{1} &= 25\,\,Ω\notag
\end{align}
$$
と求まる。よって、答えは(5)である。
関連記事
変圧器の電圧変動率
https://note.com/elemag/n/n5dbd65775cbd?sub_rt=share_pw
サイト
https://sites.google.com/view/elemagscience/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0